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俺のCD棚 第11回

今回は、COLDPLAY。

COLDPLAYはイギリスはロンドンで結成された、4人組のバンド。本人たちの発言でもあるのだが、彼らは最早ロックバンドではなく、自分達がやりたい音を出す集団と言って差し障りないだろう。

※COLDPLAYというバンド名は、詩人Philip Horkyの『Child's Reflections』という詩集に収められていた詩のタイトルが由来で、別のバンドから譲り受けたらしい。

ここで、いつもなら一枚のアルバムを紹介するのだが、このバンドだけは一枚に絞れない。その理由として、変化の連続からなる、彼らの音楽性が挙げられる。デビューから今まで、その時々で興味のある音を追求している為、アルバムごとに作風が全く違い、しかしその全てが良作なのである。

1リスナーである私は、1stアルバムを聴いて好きになって以来、新譜が出る度に、それまでとは違う楽曲や客演に刺激を受け、それをきっかけに関連のジャンルを掘っていく、という事を長年やってきたので、COLDPLAYは自分にとって「好き・嫌い」を超えた、音楽を聴く時の基準になっている。

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まずは、1st【PARACHUTES】での、メランコリックで美しいメロディに、ヒリヒリするようなボーカルが乗ったサウンド。当時のシーンは、ポップ色の強いロックやパンク・EDMが幅を利かせており、静かなのに強さも感じることのできる音は、新鮮だったと同時に「これはロックなのか?」と疑問に思った問題作でもあった。

(5曲目「YELLOW」がおススメ)

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2nd【A RUSH OF BLOOD TO THE HEAD】では、1stでのバラードの要素を掘り下げ、映画音楽のような、広がりのあるアレンジがなされた楽曲が多い(実際、5曲目「Clocks」は映画の主題歌にもなっている)。1stで感じられた強さはかなり抑えられ、結果、ロックの要素は薄れているのだが、全体的に落ち着いたトーンの楽曲は危惧していたよりも圧倒的に聴きやすく、只々耳を委ねたものである。※このアルバムで静かな音楽に対しての免疫がついて、ジャズにも手を出すようになる。音楽沼にズブズブである。

(一曲挙げるなら、2曲目「IN MY PLACE」)

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3rd【X&Y】では一転してロック色が強くなり、特に前半の7曲目「SPEED OF SOUND」までの展開には、驚きを隠せなかった。同じバンドとは思えない。シンセサイザーやギターサウンドも新鮮で、彼らが日本で世間の耳目を集めたのは、この時期だったと思う。※インディーロックに興味が湧いたのはこの時期かもしれない。

(やはり7曲目「SPEED OF SOUND」)

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バンドとしての知名度が一気に上がり、人気を確固たるものにしたのは、4th【VIVA LA VIDA OR DEATH AND ALL HIS FRIENDS】の時期だろう。表題曲「VIVA LA VIDA」は言うまでもなく彼らの代表曲であり、生命賛歌のように、力強く壮大なこの曲は、今でもライブアンセムとなっている。

(勿論、7曲目「VIVA LA VIDA」がおススメ)

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この流れを踏襲する形で、5th【MYLO XYLOTO】では、エレクトロで楽し気な雰囲気のイントロから始まり、ポジティブでキラキラした、ポップな楽曲が並ぶ事になる。また、リアーナを客演として迎えており、ジャンルに捉われない、ロックの多様性を示したとも言える。※これ以降、HIPHOPを改めて聴くようになった。

(7曲目「EVERY TEARDROP IS A WATERFALL」の最後のドラムが最高)

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人気絶頂の最中、6th【GHOST STORY】では、それまでのバンドイメージを覆すような、ミニマムでダークなベースミュージックへ傾倒。実験的で、かつ先鋭的な楽曲は、歌詞においても内向きなものが多いが、1st、2ndで感じられた美しさが形を変えて戻ってきたような気がして、個人的にはこの変化を嬉しく受け止めた。※このアルバムがきっかけでAsgeirやダブステップを聴くようになる。

(2曲目「Magic」は是非イヤホンで聴いてほしい)

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7th【A HEAD FULL OF DREAMS】では、前作と対になるとも言われており、また、これまでのキャリアを総括するような構成で、さながらここまでのベスト盤といった感じ。ピアノの旋律が際立つ曲、ギターサウンドが特徴的な曲、ビヨンセやノエル・ギャラガーを客演として迎えた曲、と実に多様性に富んでいる全11曲は、これまで辿った変遷、その全てが「自分達そのもの」なんだと言わんばかりの自信に満ち溢れているように感じられた。

結論。やっぱCOLDPLAYはどの曲も良い!

※2019年11月、新しいアルバムがリリースされると知った時は、【A HEAD FULL OF DREAMS】で完結したように感じていた分、余計に嬉しかった。彼らの第2章はどんな音を聴かせてくれるのか、非常に楽しみである。

(発売から約2ヵ月経ってるのに未聴なのはご愛嬌ということで…。)

以上、第11回でした。次回は、EDMを軸としながらも、COLDPLAY同様一筋縄ではいかないDJ兼トラックメイカー(シンガーでもある)、    CALVIN HARRISのアルバムを紹介します。

それでは、また。

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