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【解説】情報関係基礎 令和2年度 センター試験 2020

受験者数、平均点等

第1問(必答)

問1

a

図1のような縦縞模様・・・バーコード

Unicode、ASCII、JISコードは文字コードですね。

POS(Point Of Sales)システムとは、日本語では販売時点情報管理システムと呼ばれるもので、問題文にあるように店舗の情報を統合的に管理します。
どんなときにどんな商品が売れているのかなどを分析したりすることもできます。

b
産業財産権についての問題でした。
間違えた方は知的財産権について復習しておきましょう。

ちなみに、最近著作権の保護期間が著者の死後50年から70年に延長されました。時間のある時に調べておくといいと思います。

c
その単位はHzとあるので、周波数しかありません。
記憶容量の単位はB(Byte, バイト)です。

個人的にすごく違和感があるのが、「ギガが足りない」という言葉です。通信会社があえて使っているようですが、、、皆さんはいかがですか?

もう何度も目にして覚えているとは思いますが、下の表は必ず覚えておきましょう。

電力の単位はWですね。

V(ボルト)は電圧、すなわち電気を押し出す力
A(アンペア)は電流、すなわち電気の流れる量
W(ワット)は電力、すなわち電気が仕事をする力

WはV×Aで求めることができます。

問2

a
字間は3秒の消灯状態すなわち000で表します。
「あい」は1’000’111
11101’000’101は「おう」
となります。区切り文字を入れるとわかりやすいです。

b
1秒の消灯状態とは以下の図の赤で囲ったところのことですね。

これをデータ化しないとのことなので

「あい」は短+字間+長→01 00 10
01 01′ 00′ 0110 は短短+字間+短長→「うえ」

となります。


c
n進法の計算方法がわかっているかという問題でしたが、計算方法まで図4に載せてくれています。
間違えた人は復習しておきましょう。

10進法の6を3進法であらわすと、31×2 + 30×0で20となります。
3進法の2012は、33×2 + 32×0 + 31×1 + 30×2で59です。

第2問(必答)

問1

アイウ
マス4を指定すると、1,4,5,7が黒色となり、その後1を指定すると、マス1,4は白に戻りマス2が新たに黒色となります。

エオカ
盤面の塗られ方は、9つのマスがそれぞれ白と黒があるので、2の9乗通りの並べ方があります。そのため、29=512が正解です。

キクケコサ
ここでは、天野さんは、同じマスを2回塗ると塗る前の盤面にもどるという、

性質1 : 順に指定する二つのマスが同じマスである場合、その結果は指定直前の盤面と同じになる。

と、初期盤面に対するマス列5, 6, 6とマス列6, 5, 6の結果が同じになることから、


性質2 : 順に指定する二つのマスの順序を逆にした場合、元の順序で指定した結果と同じになる。

の2つの性質に気づいています。

これらの性質を使うと、

マス列4, 3, 8, 2, 3, 4, 2, 5, 3は、2・4がそれぞれ2回登場しているので、性質1より、選択していないのと同義、3は3回登場するので、1回選択しているのと同じになります。

そのため、マス列3, 5, 8と同じ結果になります。


これらより、シに当てはまるのが、「奇数回」であることがわかります。

性質3 : 任意の盤面に対するマス列の結果は、そのマス列に奇数回含まれる全てのマスをそれぞれ1回ずつ含むマス列の結果と同じになる。

問2

スセソタチツ

色を反転させるマス1, 2, 5それぞれ、90度回転、180度回転、270度回転させてみると、マス1~9まで全ての単一反転マス列がわかります。

例えば、2が単一反転しているものを90度回転させると、6の単一反転マス列1, 4, 5, 7を

180度回転させると、8の単一反転マス列1, 2, 3, 5を
270度回転させると、4の単一反転マス列3, 5, 6, 9を得ることができます。

同様に、1の単一反転マス列からは、3, 7, 9の単一反転マス列を得ることができます。

5の単一反転マス列はもちろん1つです。

テト
続いて、マス1とマス5だけが黒色の盤面を表すマス列のうち一番短いものを探しています。

マス1の単一反転マス列はX=1, 3, 6, 7, 8、マス5の単一反転マス列はZ=2, 4, 5, 6, 8です。

XとYには、6と8がそれぞれ使われているので、性質3より、マス列1, 2, 3, 4, 5, 7で、マス1とマス5のみが黒の盤面を作ることができることがわかります。

ナニ
「元のマス列と結果が同じになり、どのマスも重複して含まず、マス番号が小さい順に並んだ」マス列をマス列の基本形と呼ぶことにしたそうです。

マス列2, 1, 1, 1, 2, 3は1が3回、2が2回登場するので、マス列1, 3が基本形であり、
マス列5, 1, 3, 5は5が2回登場するので、こちらもマス列1, 3が基本形となります。

基本形になり得るマス列は、長さが0から9までの組み合わせで、
9C0=1
9C1=9
9C2=36
9C3=84
9C4=126
9C5=126
9C6=84
9C7=36
9C8=9
9C9=1

の1+9+36+84+126+126+84+36+9+1=512個です。

ヌネ
問1のエオカ、盤面の塗られ方は初期盤面も含めて全部で512通りでしたので、基本形になり得るマス列512個のうち、仮に同じ盤面になるものがあると、基本形の数と盤面の数の関係から、作成できない盤面が出てくるということを言っています。

そのため、マス列の基本形が異なれば、必ずマスは違うところが塗られるというわけですね。

第3問(選択問題)

今回の問3は比較的易しく、また、よくできた問題だと思います。
題材的にイメージもしやすいので正答率も高かったのではないでしょうか。

問1

アイ
ロボットの位置は変数robo_x, robo_yに格納されています。
また、図2の

(02) robo_x←robo_x+d_x
(03) robo_y←robo_y+d_y

を見ると変数dx, dyはロボットを移動させるための変数であることがわかります。

図1のゲーム画面を見てみると、x軸は横方向に1からYOKO、y軸は下方向に1からTATEとなっています。

そのため、下方向を指定する場合は「d_x←0, d_y←1」、右方向を指定する場合は「d_x←1, d_y←0」が代入されます。

上方向を指定するなら「d_x←0, d_y←−1」、左方向を指定する場合は「d_x←−1, d_y←0」が代入されますね。

ウエ
ウエ は、ロボットのボード外へのはみ出しを防ぐ処理です。

robo_x+d_x≦YOKO
robo_y+d_y≦TATE

YOKO、TATEには、x軸・y軸の最大マス数が入っています。

オカ
hosuuには、ロボットの位置から宝までの最少歩数が格納されます。
歩数がマイナスになるとおかしいので、図3の宝までの最少歩数の計算手続きの(02)(03)があります。

(02) もしsa_x<0ならばsa_x←sa_x ×(−1)を実行する
(03) もしsa_y<0ならばsa_y←sa_y ×(−1)を実行する

問2

キクケ

罠に3回かかると宝探し失敗となります。
罠にかかった回数は、変数missで管理されます。(02)は罠にかかったかどうかの判定をしていますので、(04)には、miss←miss + 1が入りますね。

罠に3回かかると(08)のmessage←「3回目だ! ついに壊れた…宝探し失敗!」を実行します。

なので、(01)のキにはWANASUU、(07)のケにはmissが入ります。

コサ
罠探知を実行し、罠があればその罠を表示状態に切り替える作業(Wana_hyoji[i]に1を格納する)を実行する。

(13)は罠が見つかったかどうかの判定をしていますね。(15)には、Wana_hyoji[i]←1が入りますね。これで、その罠を表示状態にします。

(18)では、罠探知で残り操作回数を−1する手続きが入りますね。

nokori←nokori−1です。

問3

zyotaiはゲームの状態を表し、「プレイ中」なら0、「宝探し成功」なら1、「宝探し失敗」なら−1が格納される。

シス
宝を見つけた時は、zyotaiに1を格納します。

宝を見つけたかどうかの判定は、図2の(06)〜(08)にありました。ここにzyotai←1を挿入します。

また、罠に3回かかった時は「宝探し失敗」でzyotaiに−1が格納されます。罠に3回かかって失敗したかどうかの判定は、図4の(07)から(09)にあります。ここにzyotai←−1を挿入します。

セソタ
図7では、残り操作回数が0になった場合の処理が書かれています。残り操作回数が0ということは、宝探し失敗です。

そのため、zyotai←−1が図7の(03)に挿入されます。

この図7の一連の手続きを図6の(29−37)行目「罠のマス判定手続き」の直後に挿入するわけですが、一つ問題が発生しました。

それは、ちょうどnokori=0で宝のマスに乗った場合に、zyotaiは1になっているが、(07)〜(42)の最後までプログラムを実行してしまい「宝を見つけた!宝探し成功!」と「動きすぎて壊れた。宝探し失敗!」が両方表示されてしまうという問題です。

これを解決するために図7(01)の条件を「nokori = 0 かつ zyotai = 0」に修正したというわけです。

このように修正すれば、nokori=0で宝のマスに乗った場合でも図7の処理は実行されません。

第4問(選択問題)

難しくはないですが、相対参照や絶対参照を考える問題が多く、例年より難易度がやや上がった印象です。

問1


セルF2には各行の売上高を求めるため、販売単価×売上数の、D2*E2が入ります。

イウ
SUMIFは第一引数にセル範囲1、第二引数に検索条件、第三引数にセル範囲2がきます。

今回、第二引数には$A2(日付)が入っているので、第一引数にはシート1 売上表の日付が入っている範囲を指定します。この範囲は複写(オートフィル)したときに動いて欲しくないので、$をつけて絶対参照にします。

また、第三引数には合計したい範囲を入れます。セルC2の場合は、E2~E37ですね。ただし、今回、C3~C8だけでなく、D2~D8にも複写するとあります。シート2 集計表(1週間)のD列には1日の売上高が入るので、セル範囲を1列右にずらす必要があります。列側は範囲がずれて欲しくありませんが、横には範囲がずれて欲しいので、E$2~E$37と相対参照にしておく必要があります。

エオ

セルC9に入るのは合計値、セルC10に入るのは平均値です。
これらは絶対・相対参照にする必要はありませんね。
そのため、セルC9にはSUM(C2~C8)が、セル10にはAVG(C2~C8)が入ります。

※AVGはExcelだとAVERAGE

どうしても相対参照にする場合は、SUM(C$2~C$8)と行を固定します。選択肢にはありませんでした。


セルE2には、その日の売上高が一週間の合計売上高に閉める比率(売上高率)が入ります。

一日の売上高を一週間の合計(セルD9)で割って、パーセントにすればOKです。

セルE2に入る式は、D2/D9*100となります。これをセルE3~E8に複写するので、セルD9は動いて欲しくありません。そのため、行が動かないようD2/D$9*100とします。D2/$D$9*100でもOKです。

問2

キクケ

セルD2には、C2に商品コードを入力すると商品名を出してくれる式を入力します。

表検索を行うVLOOKUPは現実世界でもよく使いますね。

余談ですが、Office2019からはXLOOKUPという関数が登場しました。VLOOKUP、HLOOKUPの後継となる関数で、これまで、縦ならVLOOKUP、横ならHLOOKUPと使い分けていた関数を一つの関数でできるようになりました。便利ですね。HLOOKUP関数 – Officeサポート

検索値はC2、範囲は商品一覧表のA2~B12、列位置は2列目ですね。ただし、下方向に複写したときにセル範囲が下にずれることを避けるために、範囲はA$2~B$12となります。

グラフを見ながら解答群を確認しましょう。

⓪は9~15の週は日曜日の売上高が一番高いので×
①○です
②売上数はこのグラフからはわからないので×
③8日は7日よりも売上高は低く、18日も17日よりも低いので×


30日、31日の週以外は全て月曜日が売上高が最低です。よって当てはまるのは月曜日となります。

問3

シス

セルG2には、売上数順位を求めるRANK関数が入ります。
今回もセル範囲を固定する必要があるので、RANK(E2, E$2~E$12)となります。

セソタ

売上数と収益が共に上位7位に入っていない商品に◎、どちらかが上位7位に入っていない商品に○を表示します。

I2に入る式は以下のようになります。

IF(AND(G2>7, H2>7),”◎”, IF(OR(G2>7, H2>7), “○”))

同じ行で判定するので、絶対・相対参照にする必要はありません。

チツ

当てはまる選択肢を選びます。

C群は収益は低いがよく売れる商品群です。よって、⓪の収益は高くないが、売上数が多いが当てはまります。

B群はA群に比べて収益が高くなく、またC群と比べて売上数も少ないです。

よって今後の取り扱いを検討するならばB群ということになりますね。

参考文献等

※本記事は2020.03.22にtkmium.techで公開したものを移行したものです。
「情報関係基礎」の問題は(独)大学入試センターから掲載許可を得て解説を作成しています。問題および解答の著作権は大学入試 センターに帰属します。
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ブログで公開していた時にいただいていたコメント

やんちゃんさん より: 2022年9月9日
2016年と2015年分の情報関連基礎の解説をお願いしたいです!
どうしてもいい点数が取りたいんです!バカな私を助けてください!

AKR さんより: 2021年1月17日
2021年情報関係基礎満点取れました。ありがとうございます!!

AKRさん より: 2021年3月10日
最高得点の感じだと、一問間違えてしまったみたいですが、第一志望合格がかないました。このサイトを活用した対策が功を奏しました。
本当にありがとうございました。

ぷーさん より: 2021年5月25日
普通科高校卒の浪人生で情報関係基礎を受験しようと思っているものです。独学で取り組む場合、大問2以降の対策でおすすめの勉強法、参考書等があれば教えてほしいです。
受験する大学では情報関係基礎が使えることは調べてあります。

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