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オンライン視聴とその先へ 映画"Most Likely To Succeed" AI時代の教育とは?

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前半は、感染症予防から上映会&ダイアログイベントの開催が減ったため、オンライン視聴の手順について。後半は、本作品製作関係者の各種メッセージを紹介しています。

AIで半数の仕事が自動化されるリスクが高い時代 子どもたちに必要な教育とは?

10~20年後、米国の総雇用の47%がAIなどで自動化されるリスクが高いという英オックスフォードによる衝撃の研究結果。
囲碁AI"AlphaGo"がトップ騎士に勝利。
2045年にはシンギュラリティ(人工知能が人間の知能を超える技術的特異点)が起きるという予測。
子どもたちが大人になる時代にはどんな世界が待っているのでしょうか。
そのような時代、どんな能力が求められるのでしょうか。

High Tech High(HTH)は、米国カリフォルニア州で2000年に設立されたチャータースクールで、教科を含めて全てに生徒中心の課題解決型教育(Project Based Learning)が取り入れられています。
"Most Likely To Succeed"は、AI, Roboticsが生活に浸透していく21世紀に子どもたちに必要な教育は?というテーマで、HTHに通う生徒の成長を追いかけるドキュメンタリー映画です。

映画の概要、舞台となるハイテクハイ(高校)のプロジェクトベースドラーニング(PBL)での学びの取り組みは、以下のスライドショーでご覧いただけます。スライドを右から左にタップ、または、スライド左下の「>」でページ送りしていただけます。

2015年に米国で公開、これまでに20カ国以上で5000回以上の上映会が開催され、日本でも2016年に上陸し、これまで120回以上の上映会が実施されています。

▼予告編をチェック
https://www.youtube.com/watch?v=Ze5zNYSiIKM&feature=youtu.be

毎回満席となる人気&感動作品!上映&上映後のダイアログの2本立て形式で開催

とても濃密で大好きな映画です。ミライプラスの小林さんとNagatachoGRiDで何度も自主上映会を、公立の先生、ゼロ高、映画の舞台となった学校留学経験者をゲストに迎えての開催してきました。2020年1月には、学校の先生、企業人、高校生を迎えての開催もしています。

AI時代の人材開発や組織についても考える大きな示唆を与えてくれる作品で、人事はじめ企業人向けでの開催も開催してきました。上映後の小グループに分かれての対話からたくさんの学びや気づきを得ることができます。

AI研究者をゲストに迎えての開催も

AI時代になるからこそ、プログラミングやAIについて勉強することが重要なのでは?と思ってしまいますが、実は重要なのはそこではない!とAI研究者のトップランナーはお話しされました。

小林由幸:AIは人が集中して好きなことをやるための非常に強力な道具になる。何をやりたいかという意思が人間にあり、それを手伝うのがAI。
そうなった時、人の持つ何がやりたいかという意思が非常に重要になる。

今の同じ知識を持った子供を量産する工場のような教育では、今後重要性の高まる「自分が何をやりたいかを見出す力」は伸ばせない。
だから、何をすべきかを教えるのではなく、子供の意思や興味を邪魔しないこと。
何が好きなのか、何をやりたいのか、一番最後まで必要とされるスキルはそういった意思の力になる。

感染症対策で、オンラインでの視聴&ダイアログ会を開催

自分たちの常識や思い込みを考え直させるこの映画は、上映後の対話の時間がとても重要です。しかし、2020年3月以降、感染症対策で上映会開催を見送っています。そこで、小林さん中心に始めたのがオンラインでの開催です。事前またその場で各自がオンラインで視聴し、オンライン会議室のZoomに集まり、ゲストトーク、そして、小グループに分かれてディスカッションをするイベントを開催しています。

2020年7月25日にも開催!

<オンライン視聴の方法について>

1.Vimeoでレンタルまたは購入

Vimeoから視聴します。まずサイトにアクセスします。
「レンタル」か「購入」を選択し、Vimeoへのユーザー登録をし、決済(PayPalまたはクレジットカード)をすることでご視聴いただけます。
スマートフォン、タブレットでも同様に決済・視聴いただけます。
(購入されたアカウントであれば、どの端末からも視聴できます)

まずはサイトにアクセスします。
https://vimeo.com/ondemand/mostlikelytosucceed

上記サイトにアクセスします。以下のとおり、「レンタル」か「購入」をご選択ください。一般的には「レンタル」です。私は大好きなので購入しちゃいました。

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Vimeoへの登録が必要となります。登録します。Facebookアカウント、Googleアカウントを利用することもできます。

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Vimeoにユーザー登録した後は、決済画面です。PayPalまたはクレジットカードでの決済です。

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以下はPayPalでの決済の場合です。

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購入を終えると「今すぐ再生」ボタンが表示されます。

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2.視聴画面(音質・画質)の操作

右下の音量ボタンがあります。キーボードの「↑」「↓」でも可能です。

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画質の選択が可能です。「Auto」で問題ありません。ご自身の回線速度に応じた画質になります。

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3.日本語字幕があります

右下の「CC」のボタンで、字幕の選択ができます。
古いレビューコメントに字幕が表示されないという書き込みがありましたが、2020年3月時点ではそのような不具合は確認できていません。
日本語字幕が問題なく表示されます。

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このように日本語字幕が表示されます。

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4.フル画面で視聴しましょう

画面右下のボタンで映像画面を最大化表示(フルスクリーン表示)できます。

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同じボタンでフルスクリーン表示を解除することもできます。

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5.あとで再度視聴したい場合

もちろん、レンタル期間中または購入作品に限ります。
Vimeoにログインします。

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ログイン後、画面右上の「ご自身の丸い顔写真アイコン」をクリックします。

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画面右上の表示されたメニューの中に「購入履歴」があります。

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購入履歴をクリックすると、購入履歴一覧が表示されます。ここから視聴画面に進みます。

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以上ご参考になりましたでしょうか。

<オンライン視聴 説明スライド>

スライドにまとめたバージョンは以下にになります。
https://speakerdeck.com/tkimura12/vimeo-most-likely-to-succeed

ぜひ作品をお楽しみください。

この映画についての学びをもっと深めたい方へ

この映画にあるようなプロジェクトベースドラーニング、体験型学習は新しい学びのスタイルの中心となっています。
スライドを右から左にタップ、または、スライド左下の「>」でページ送りいただけます。

イノベーションは不服従と切り離すことはできない(トニー・ワグナー)

同様に本作品製作に関わっているトニー・ワグナー氏の書籍です。

トニー・ワグナー
ハーバード大学テクノロジー起業センター初代フェロー(イノベーション教育)、ハーバード教育大学院チェンジ・リーダーシップ・センター元共同ディレクター。米国各地のさまざまな学校や財団へのコンサルティングを行っており、ビル&メリンダ・ゲイツ財団シニアアドバイザーも務めた。高校教師、校長、教員養成大学での教授の経験も持つ。これまでに『世界の学力格差』(The Global Achievement Gap,未邦訳)など5冊の著書がある。

『未来のイノベーターはどう育つのか』のサマリーはこちらが詳しいです。

イノベーションで重要なのは、アイデア(いいものも悪いも)が育つ文化を作ることであり、アイデアを実験することに伴うリスクの扱い方を学ぶことだ
イノベーションは不服従と切り離すことはできない
21世紀には、自分が何を知っているかよりも、自分が知っていることで何をやれるかのほうがずっと重要になる。いま生徒たちが身につけなければならない最も重要なスキルは、新しい問題を解決するために、新しい知識に関心を持ち、新しい知識を作り出す能力だ。成功を収めたイノベーターはみな、「その場その場で」学び、その知識を新しい方法に応用する能力を持っている。
ミレニアム世代はイノベーション世代である。イノベーション世代の多くは地球の未来を心配し、より健康な生活を送りたいと考え、お金を儲けるよりも世界を変えたいと考えている。
この世代にやる気を起こさせるには別のやり方が必要だ。「問題はリーダーシップの欠如だ。確かにこの世代は、いろんな意味で甘やかされている。だが彼らは自分が関われること、自分が興味を持てることを探している。多くは物事に激しく熱中するが、そう仕向けるのは簡単ではない。彼らを何かに熱中させることができたら、並外れた結果が得られる。しかし自動車工場の組み立てラインのようなことをやらせたら、つまりとにかく会社に来て言われたことをやらせようとすると、その仕事に熱中することはない」
ハーバード大学経営大学院のテレサ・アマビール教授によれば、創造性は専門性、クリエーティブな思考力、そしてモチベーションという3つの要素が絡み合った結果である。なかでも教授は、モチベーションが専門性やスキルよりもはるかに重要だと考えている。「専門性やクリエーティブな思考は個人の原料、つまり生まれつきの財産と言っていい。しかし人が実際に何をやるかは、3つめの要因であるモチベーションによって決まる」
ビジネススクールはイノベーターの訓練をする場ではない。「戦略を教わると、価値を生み出すことと、他人が作る価値をとらえることが非常にうまくなります。ここで『とらえる』とは、オレンジからもっとジュースを搾り取るということで、すばらしいオレンジを育てることではありません。・・・よりよいオレンジを育てるには、考え方を変えなくては」(アップルのジョエル・ボドルニー副社長)
私が話を聞いた親の多くは、子供のスケジュールをいっぱいにせずに、自由な遊びと発見の時間をたっぷり与える重要性に言及していた。彼らはみな子供たちと時間を過ごしたり遊んだりするのを楽しみつつ、「ヘリコプター・ペアレンツ」にならないことが重要だと理解していた。

実際には教育はエンジニアリングより、ガーデニングにずっと近い。(ケン・ロビンソン)

本作品に登場、製作に関わっているケン・ロビンソンのTED映像です。

ケン・ロビンソン
創造性とイノベーション、能力開発の第一人者として世界的に活躍。TEDカンファレンスでのプレゼンテーション「学校教育は創造性を殺してしまっている」は、TED史上最高の5000万再生超。英国ウォーリック大学で芸術教育の教授を務め、現在名誉教授。2013年に経営思想家トップ50人「Thinker 50」に選出

ケン・ロビンソンの映画での言葉。工業的にみるのか生命体としてみるのか、このパラダイムについては、ティール組織の著者フレデリック・ラルー氏の来日講演に詳しいです。

教育とは複雑で人間的なシステムです。人間についてのものですから。
そして人間は、自然から生まれた生物です。有機的な生命体なんです。人間は成長し変化します。
工業にたとえようとすると、工業の言語とに囚われてしまいます。つまり標準化を語るための言葉です。
しかし、実際には教育はエンジニアリングより、ガーデニングにずっと近い。
あなたが庭師なら、植物に育てと命令することはできない。
植物は自分で育つんです。
葉っぱを接続したり、花びらに色を塗ったり、根っこをねじ込んだりはできませんね。

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世界を機械としてみるのか、それとも生命体としてみるのか。(『ティール組織』著者F・ラルー)

ティール組織の著者フレデリック・ラルー氏は、このようにいいます。

あなたが持っている世界観で世界の見え方が変わる。あなたの持っている世界観のせいで、事実、新しい方法を受け入れられていない

産業革命の時代:「世界は機械、インプットとアウトプット、最適化」という見方に対して、次に出現しようとしている生命体の時代「複雑で関係し合っている」
この世界観で世界を見たらどう見えるのか?彼は、経営、教育、農業、医学、政治を見ていきます。

NagatachoGRiDでは、オフラインだけでなく、オンラインでもたくさんの上映会を開催しています。セルフ視聴ではなく実際にオンライン会議室に集まり、一斉にリアルタイムで視聴するスタイルです。ぜひご参加ください。
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