マガジンのカバー画像

建築や地域のこと

13
地域や街づくり、建築設計について考えたことや、今まで見てきた建築について紹介しています。
運営しているクリエイター

記事一覧

一級建築士製図試験、合格へのアドバイス

先日、たまたまこれから製図試験を始める人からアドバイスを求められ、Twitterでそのときのアドバイスを少し紹介しました。今回はその増補版として、一級建築士製図試験をこれから控える人に向けたアドバイスをまとめました。 上記のようなアドバイスをする理由を、もう少しデータを踏まえて(とはいえ、当時の私のノートや記憶を頼るものではあります)、その根拠を紹介したいと思います。この根拠を知ることで、製図試験という仕組みを理解でき、合格しやすくなると思います。 またその上で、ここさえ

有料
1,480

建築家にご相談できるサービスを始めました

空き家を利活用したい、事業に建築デザインを活用したいなど、建築・空間にまつわるご相談に乗ります。何から手をつければ分からないという状態でもヒアリングを行い、状況把握のお手伝いをするので安心してご相談ください。 ご相談サービスについてこちらのサービスは私設図書館「シン図書館」を開館させる際ににおこなったクラウドファンディングでご提供していたリターンの「ご相談コース」を下地としているものです。ご好評だったリターンをサービス化しましたので、ぜひご利用ください。 実際にこのリター

建築設計事務所は意外と色々な仕事をする

今年の3月に渋谷の宮下公園で行われた結婚式のイベント用に作品をデザイン・制作しました。このことを伝えると度々、「建築設計事務所でも展示をやったりするんだね!」「なんで結婚式のイベントの仕事をもらえたの?」という反応をもらいます。 今回は、結婚式のイベントで展示をすることになった経緯や、どんな風に展示を設計・デザインしていったかをご紹介し、「建築設計事務所ってこんなことができるのか」と、建築設計事務所の仕事の片鱗を少しでもお伝えできたらと思います。 実際にイベントで制作した

所沢の公共トイレ「インフラスタンド」について

埼玉県所沢市で設計事務所と私設図書館を運営している高橋真理奈と申します。所沢生まれ所沢育ちです。 2021年に埼玉県所沢市で設計事務所を開業しましたが、それと同時に色々なご縁があって、所沢市内で公共トイレを設計することになりました。公共トイレの名前は「インフラスタンド」と言います。民間企業が運営する公共トイレになります。 簡単な計画概要は下記になります。 インフラスタンドは公共トイレになるので、どなたでもご利用可能です。見学や利用をご希望の方は下記の住所、時間帯でお越し

西所沢でのイベント「西とこ文化祭」について

埼玉県所沢市で設計事務所と私設図書館を運営している高橋真理奈と申します。所沢生まれ所沢育ちです。 色々なご縁があって、2022年9月17・18・19日の3日間、西所沢で「西とこ文化祭2022」というイベントを主催しました。そして、2023年11月18・19日に第2回目を開催予定です。 私の本業は建築設計で、本業のかたわら、ライフワーク的に週に1回だけ開館する私設図書館を運営していますが、「なんで、イベントを企画することになったのか?」とよく質問をされます。 そんな疑問を

自己紹介的なまとめ記事

埼玉県所沢市で設計事務所と私設図書館を運営している高橋真理奈と申します。所沢生まれ所沢育ちです。 自己紹介や活動の内容を把握できるような、過去に受けた取材記事などをいくつかまとめました。設計事務所と私設図書館を運営している人ってどんな人?と思う方に読んでいただけると嬉しいです。 所沢の公共トイレ「インフラスタンド」について2021年に埼玉県所沢市で設計事務所を開業しましたが、それと同時に色々なご縁があって、所沢市内で公共トイレを設計することになりました。公共トイレを設計す

なぜ「西とこ文化祭」を開催することになったか?

「西とこ文化祭」とは?2022年9月17日(土)・18日(日)・19日(月・祝)に西所沢駅近辺の話題のスポット5箇所を会場とし、本・アート・音楽、そしてフードやマルシェを楽しめるイベントを開催することになりました。イベント名は「西とこ文化祭」としました。 「西とこ文化祭」の開催のきっかけ「9月にイベントします!」というと、「なんで、イベントを開催することになったのか?」とよく質問をされます。今日はイベントを目前に控えた中で、改めてイベント企画の経緯や、私個人のイベントに対す

『公民連携』リレーセミナー2022 in 青梅に参加しました

木造施設協議会『公民連携』リレーセミナー20222022年4月12日と13日に木造施設協議会が主催する『公民連携』リレーセミナーの第2回『中間支援者タウンマネージャーから見た公民連携』に参加しました。 12日の方がセミナーで、オンラインとリアルどちらでも参加可能でした。リアル会場は、青梅市のシネマネコという登録有形文化財の木造建築を改修した映画館でした。13日は青梅市での公民連携事例の現地視察でした。 公民連携とは、自治体や民間が適切な役割分担に基づいて連携・協力し、地域

ポルトガルのギマランイシュ

今日はポルトガルのギマランイシュを紹介します。 ポルトガルの第二の都市、ポルトから電車で1時間ほどで着きます。日本でいう京都的位置付けらしく、ポルトガル発祥の地ということです。 ギマランイシュが故郷というポルトガルの友人に案内してもらいましたが、「ここはお伽の国か?!」というほど、絵本の世界に飛び込んだ気分になる街でした。ここが生まれ故郷と案内できる友人が本気で羨ましい…。 ファサード(建物の正面)は平滑な印象で、隣の建物とピターと面(つら)が揃っているのが印象的でした

中村拓志「狭山の森 礼拝堂」

今日は中村拓志さん設計の「狭山の森 礼拝堂」を紹介します。こちらは私の地元の狭山湖畔霊園内にあります。 2本の柱を互いに立て掛け合う扠首(さす)構造で新しい合掌形式を実現したものになります。見上げると柱が2本ぶつかった構造になっているのがよくわかります。 室内は照明や空調などが一切見えないミニマルな空間となっています。機械設備は全て床下に収められています。 屋根を覆うのは、川口市の鋳物職人たちと共同で開発した、大きさ180×200ミリ、厚さ4ミリのアルミ鋳物です。手作り

フランスのグラン・パレ

今日はフランスのグラン・パレをご紹介します。 グラン・パレは1900年のパリ万国博覧会の際に建てられた建物です。ファサード(建築正面部)はボザール様式の古典的な石造りとなっており、そこにガラスの大屋根がかけられています。 外観に採用されているボザール様式とは建築様式の一つです。パリにあるフランス国立美術学校のエコール・デ・ボザールで1830年代から19世紀末までに教えられた学術的な建築様式のことです。 エコール・デ・ボザールではイタリアの建築家アンドレア・パッラーディオ

藤本壮介「せとの森」

今日は藤本壮介さんの「せとの森」をご紹介します。 藤本壮介さんは1971年生まれの建築家で、国内外数多くのプロジェクトを抱えています。 この建築は企業の社宅です。家型の抽象的なボリュームとステンレスの波板が印象的な建物です。 実は昨日ご紹介したイタリアのアルベロベッロはいくつかの屋根で一つの家が形成されていますが、こちらの建築はその逆で、一つの家型に2世帯分の住居が入っています…!家型の建物が13棟あり、合計26世帯分の社宅となっています。 わざわざなんで一つの建物に

イタリアのアルベロベッロ

建築って楽しいし、面白いぞということを伝えるために世界各地(日本を含む)の建築や都市を紹介します。著作権に抵触しないために、基本的に私が撮影した写真でご紹介するので、少しわかりづらいところもあるかもしれません。 今日はイタリアのアルベロベッロを紹介します。 アルベロベッロはイタリアの世界遺産のひとつです。ちなみにイタリアは2019年時点で世界遺産の登録数が世界一の国です(中国も同着で1位です)。 アルベロベッロの白い壁にとんがり屋根の写真を一度はみたことがある方も多いか