またいつか零杯の日に。

メサイア 暁乃刻 


正直、ストーリーが発表された時は、相手がいないメサイアってなに。題名変えた方がいいのでは。とか思ってた。

 だけど、護が悩んで苦しんで最後に導き出した答えは自分が生きている限り、淮斗は生きている。護がここにいるってことは、淮斗もそこにいるということ。
護は淮斗と一緒に卒業して行った。
サクラになって笑ってるんだもんな。

淮斗はずっと護に守られていたようで実際は護の事を守り続けていたのかもしれない。振り返れば廣瀬さんも、いつの時も赤澤さんが泣いたらにこにこしながら抱きしめてたよね。淮斗は廣瀬さんにしか出来ないし、護は赤澤さんにしか出来なかった。言葉や姿には出てこないけれどずっと廣瀬さんの存在を感じられて、なんとなく赤澤さんは無意識に廣瀬さんのためにこの公演をしていたのではないかなと感じていた。
あと、元々スタッフさんや周りに好かれるタイプの方だと認識しているつもりではあったけれど、今回赤澤さんの姿を見てみんな心を動かされて、実際安里さんは廣瀬さんにそれを伝えてくれてカーテンコールでも皆が2人の卒業に赤澤さんの替わりに涙を流している姿を見て改めて赤澤さんの人を動かす凄さを感じた。最後に後ろのスタッフさんたちとも拳合わせてましたよね?
1つ驚いた事があり私の中で赤澤さんは普段自分の思ってる事をあまり話さないイメージでしたが、カーテンコールで2人でセンターを割って終わりたいと絶対譲らない姿と、2人で卒業出来るもんだと思ってて…と本音を話した時には驚いた。今回の作品は、赤澤さんと廣瀬さんにとっても1つの区切りになったのではと感じたし、これからまたさらに大きな方になっていくであろうお二方の応援を出来ることを幸せに感じる。そして、千秋楽のカーテンコールで泣いてはいるけどずっと笑顔で凛としている赤澤さんが、廣瀬さんを見て安心しきった表情に変わった瞬間が忘れられない。生まれて初めて人の緊張の糸が切れた瞬間をみた。


ネクロマンサーに気をつけて。

始まった瞬間からのクライマックスで、2時間この重さを観させられるのか…と怖くなった。淮斗の護を呼ぶ声が本当に優しくて、護ってたった一言なのに今までの過去が全部込められていた。1番好きだったのは前に走り出す所。護はいつでも真っ直ぐ前を向いてて、最後まで淮斗の好きなヒーローを貫いた証だと思う。あ、でもサクラの掟を唱える所も好きだ。紫微の時の淮斗が扉を開けるシーンと同じ音楽が流れて、あの曲は卵が決意した時に流れるのかなー?めっちゃ良かった。もう自分では泣いてるつもりはないのに、どんどん涙が溢れてきて舞台が滲んで見えなくなった。

卒業

やっぱりどうしても2人で卒業して欲しかったとは思ってしまうけれど、舞台は現実にあってどうにもならない事も沢山で、今回はその中で出来る最大限の卒業だったのではないかと思う。この作品を通して沢山の人の卵組への愛情を物凄く感じた公演でした。西森さんも虚実皮膜論という言葉で表現されていましたが、その瞬間を見た。いや、本当に凄かったよね?
最高の2時間を観てこれ以上の作品に出会う事は2度とないのではという思いだけど、また暁以上の作品に出会うためこれからも舞台に魅了されていたい。


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