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【自動車ライターと読むニュース】付加追越車線について考えてみる

付加追越車線とは

先日、NEXCO中日本にて、付加追越車線を作ったというニュースを発見した。

NEXCO中日本より抜粋

<オフィシャルサイトのURL>
https://www.c-nexco.co.jp/images/corporate/operation/maintenance/driving_info.pdf

内容を簡単にまとめると、多治見ICから東小牧IC間の追越に関して、「低速車はそのまま走行車線を走っててね」、「抜きたい車は車線変更して、抜いていってね」という認識としたというもの。

従来はどうだったか

従来、このような坂道には、登坂車線というものがあり、現在でも多くの地域で運用されています。

登坂車線の例

登坂車線は、トラックやバスなど、登り勾配ではどうしても低速となってしまい、速度の維持が困難で円滑な交通状況の障害になりうる車両には、道路を譲ってもらい、速い車が追い越すという区間です。

この書き方だけ見れば、道路を走る多くの車より遅いのだから、これでよいように感じるかもしれません。

しかし、この登坂車線には落とし穴があると、筆者は考えています。

理由は大きく2つあります。

1つ目は、坂道で速度の出にくい車両が、走行車線へ戻るのに、速度を回復させるのは困難な事。
2つ目は、「登坂車線を走行していた=遅い」というイメージから、強引に前へ行こうとする車両もまれにいるという事。

これは、トラックやバスだけでなく、登坂車線を走行していた「初心者マークの車」や、「運転に慣れていない様子のレンタカー」など、ベテラン運転手が、本来暖かく見守るべき相手に対しても行われているのが現状です。

ベテランのトラックやバスの運転手でも、車が加速しないことには、車線変更のタイミングが少ない中で、見切りが要求されますし、初心者や運転慣れしていない人に、車線変更を要求するという内容に、いささかの疑問を感じています。

そこで登場した、付加追越車線

追越車線イメージ

そこで今回の題材となる、付加追越車線の登場です。
先に説明しましたが、「速い車が車線変更をして追い抜く=低速車はそのまま走っていてよい」という構図の追い越し車線の考え方です。

従来の登坂車線とは、同じ追越・追抜きでも対極の考え方です。

この方法であれば、低速車に要求するオーダーも少なく、初心者や、運転に慣れていない人に関しては、比較的というレベルですが、走りやすい環境なのではないでしょうか。
逆の捉え方をすれば、追い越し車線をカッ飛ばすなら、周りを見て車線変更ぐらい余裕でしてくれないと困りますということです。

あおり運転で、よく話題になる追い越し車線を淡々と走る行為も、この道路構造だったらかなり解決されるのではと思います。
筆者的には、この方がスタンダードであるべきと考えています。

実は結構あるのではないか?

追抜きイメージ

付加追越車線は、右側に車線が増えて抜いていってくださいというもので、日本で初めての試みだったという記載を、ニュースサイトで読みました。

「日本初の試み」とは、「国に認められ、警察に認められ、試験的に行われた、それが恒久的な考え方として認知された」という意味です。
これを書いている時にふと考えたのは、こういった構造の道、いろいろなところで走ったことがあるぞということです。

例えば、有料道路ながら暫定対応の対面通行が長い区間などでは、一部の車線を開放し、追い抜き区間のような使い方がされています。

これは、追越レーンというより2車線分の走行レーンが正しい認識としたとき、追越を推奨したものではないという言い方になるのでしょう。
しかしながら、実質の追越車線のような物じゃないの???と考えてしまったという話です。

そう考えると、追越車線として日本初の考え方とはいうものの、そんなに新しい考え方ではないような気がしました。

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