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2030年、新車はどうなるのか?


つい先日ですが、2030年までにガソリン車を新車の販売から無くすことが検討されていることが報じられました。

それと合わせ海外勢が2035年までにハイブリッドも無くすことを検討しているようで、日本もそれに足並みをそろえることを示唆するような報道がNHKであったりと、大きな変化点を迎えそうです。

ハイブリッドも結局ガソリンエンジンなので、ガソリン車より猶予期間は設けるが、、、といったところでしょう。

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それでいうと、ガソリン車と同じようにクルマを使いたいとなった時に、現状のバッテリーの技術の進歩が必須といえます。

ポイントは2つで、航続距離な長くなることと、充電時間の短縮です。

それというのも、EV車の航続処理はおおよそ400km前後で、ガソリン車はおよそ600kmから800kmと言われています。その距離を走るために、エネルギーを充電や、給油といった方法で蓄えますが、その時間が大きく違います。

ガソリンについては、セルフスタンドで考えると分かりやすいですが、1回あたり4分間もしくは100Lまでの制限が、消防法によってかけられています。一般的な乗用車であれば、この間に満タンにできることができる時間や量が確保されているので、これを基準とします。

それに対して、EVやPHVなどの充電には30分前後の時間がかかります。

距離はガソリンエンジンの半分なのに、充電(給油)にかかる時間は10倍近いという状況です。ガソリン車と同じように使えて、EVの特徴も併せ持つPHVや、ハイブリッドカーが人気の理由の根底はココにあるといえます。

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インフラに関してもよく、ガソリンスタンドが充電ステーションを置かないから普及しないとか、車に関係する施設が充電ステーションを設置しないなど言われますが、「儲からないからガソリンスタンドが充電ステーションを設置しない」以外に、根本が違う理由があります。

ガソリンとは、揮発性が非常に高く、静電気でも発火に至るケースがあります。特にニットを着だす秋口などは、空気も乾燥しており、余計に発火しやすい条件が揃う訳です。

その施設に、電気バリバリの充電タワーを立てるわけです。以前「ガソリンスタンドと充電ステーション」で示唆したのは、別途、電気自動車用の充電スペースを、電気乗用車用の作業スペースとして確保しなければならないという点です。また、ブレーカーや電源の確保も別途しなければならないので、非常に大きな出費がガソリンスタンド側に発生するわけです。

定期的な地下タンクの入れ替えが必要なガソリンスタンドでは、そのタイミングでどうにかレイアウトを考えてといったこともあるでしょうが、わざわざ改装してまで充電ステーションを作る場所は少ないでしょう。

よほど、バッテリーがクロロフィルで水素を発生させる超進化型バッテリーとか、燃料電池をはじめとする素材研究、目覚ましい進化が進めば、割と現実味は出てきますが、現状のリチウムイオンバッテリーでは、そこまで期待感はありません。

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※京都大学の研究より

自動車の企業として最もお金を持った企業であるトヨタ自動車は、日本でもトップクラスの大企業です。

ハイブリッドの切り替えの仕組みも多くの特許を持ち、パナソニックとリチウムイオンバッテリーの製造する合併企業を作り、神奈川県川崎市の水素プロジェクトにも名を連ねるトヨタ自動車ですので、バッテリーの生産、研究、水素電池の研究に余念がないことが分かります。

https://www.youtube.com/watch?v=R1kBCXT35d0&feature=youtu.be

トヨタ以外で、これほどまでにバッテリーを研究している会社は見受けられませんし、製造できているのかすら疑問です。トヨタと連携がある、スバル、マツダ、スズキなどは、その辺りの恩恵を受けている状態ではないでしょうか。

トヨタ自動車もボランティアではないので、アイサイトや、スカイアクティブの技術に興味があったとか、そういったところなんだろうとは想像します。

EVが受け入れられるようになるためには、これらの航続距離、受電時間問題を少なくとも、ガソリン車に近い数字まで追っていくか、同等にする必要があるのではないでしょうか。

これが、そういった状況の中で2030年の新車ガソリン車を無くすといった話は、かなり非現実的に思える理由です。

今時、車のニュースだけを見ていても最新の情報は入ってきません。もっと水素や、金属の特性に目を向けた専門的なニュースが必要になっています。

もし、2030年のガソリン車に関するニュースを調べるのであれば、もっと新エネルギーに目を向け、EVやハイブリッドだけでなく、バッテリーの進化や、エネルギー研究の資料を調べるべきといえるでしょう。

でないと、見た目は新しくてカッコイイデザインでも、旧式の仕組みで使い古された技術の塊みたいなクルマをつかまされたり、粗悪品をつかまされたりするかもしれません。

大きな変化があってから勉強しようと思っても、体よく隠されるのが関の山ですので、今のうちから調べておくのが良いのではないでしょうか。

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