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「20年間無敗の雀鬼」桜井章一さんについて

ご質問にお答えするペースが非常に遅くなってしまっており、本当に申し訳ありません。
けっこう前に、次のようなご質問をいただいていたのですが、

はじめまして、いつも楽しく拝見しています。
麻雀好きのちゆさんにお聞きしたいことがあります。
自分は麻雀をしたことがないのでよく分からないのですが、
ちゆさん的に桜井章一氏についてはどう思われますか?
経歴や実力は本物なのでしょうか・・・

今日は、これにご返事させていただきます。
(「どう思うか」というくだりが、わりと純粋に面白くない文章だと思います。申し訳ないです)

以下、桜井章一さんに否定的な内容が多いので、ご注意ください。


桜井章一さんとは

桜井章一さんは、麻雀業界の有名人です。

昭和30年代末~昭和50年代に、麻雀の「裏プロ」として活動。
大金や自分の命を賭けて麻雀をしたそうです。
裏プロとしての代打ちでは一度も負けたことがなく、「20年間無敗の男」「雀鬼」と言われるようになりました。

裏プロ時代の活動は、数々の小説や漫画になっています。

Vシネマも有名で、

本作は

……という触れ込みで、たとえば次のような感じでした。

「断れば妻子を毒殺する」と日本の政府機関に脅迫された桜井章一さんが、某国大使館で治外法権麻雀をする。(『雀鬼3』)
麻雀を教義に使っているカルト宗教の教祖と桜井章一さんが、不眠不休で120時間ほど麻雀する。(『真・雀鬼15』)

桜井章一さんは1983年に裏プロを引退して、1988年に「牌の音」という麻雀道場を開設。
それから「雀鬼会」という組織を作って、道場生たちと過ごす活動をメインにするようになりました。

あと、 自己啓発書みたいなのを大量に書いています。

似たような本が大量にあって、代表的な作品がどれなのか、私には分かりません。
適当にタイトルを挙げると、『努力しない生き方』『マイナー力』『死をおそれない生き方』『40代から勝負強い男になる技術』『諦める技術』『「実戦」で身につけた本物の教養 』などなど。

世間的には、00年代終盤ごろから「ビジネス書が売れている人」というポジションで露出することが増えました。

だから私の

『日経ビジネスアソシエ』2010年12月7日号

「将棋の羽生さん、麻雀の桜井さん」みたいに並んだ対談記事を見るのは、不思議な気分です。

はぶ

『致知』2017年10月号

この対談では、藤井聡太さんについて「たまたま若い棋士が連勝を続けて騒がれている」などと述べておられます。


「雀鬼」という呼称について

「雀鬼」という言葉は、かつては「麻雀に精魂を傾ける人」を指す一般的な言葉だったと思うのですが、現在では、桜井章一さん個人のニックネームのようになっています。

(その詳細を書いたら長くなったので、以下の記事に分割しました)


『覇王』の雀鬼様

2003年ごろ、『近代麻雀』という雑誌に『覇王』という漫画が連載していました。
それは、麻雀界の有名人を集めて武道館でトーナメントをさせたらどうなるか……というのを想像でデッチ上げた漫画。

参加メンバーは、
・小島武夫さん、安藤満さん、二階堂亜樹さんといった実在の麻雀プロ
ドサ健、とつげき東北さん、烈海王ポジションの中国人など

そこに、哭きの竜桜井章一という2人の超大物が参戦するのが、ビッグサプライズになっていました。

桜井章一さんが登場する作品の中で、ちゆはこれが一番好きです。

小1登場

クッソ強そうな雀鬼様の表現、大好きです。

当時これについて、「ちゆ12歳」の記事「青スジ立てまくった痩せゴリラのようなデザイン」と書いたところ、麻雀業界日報さん「業界人にはとても書けない内容」とご紹介いただいたのが懐かしいです。

腕の

腕以外は微動だにせず、早すぎて見えない「かげろう打ち」のような麻雀フォーム。
これで試合開始直後に、ダブリー・チャンタ・一盃口を一発ツモします。

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