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amazarashiファンポエトリー「7号線ロストボーイズ」

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amazarashiファンポエトリー「かつて焼け落ちた町」

amazarashiファンポエトリー「かつて焼け落ちた町」

もしも土が喋れたなら
「またそれをするつもりか」と怒るのだろうか
あぁでもそれは土に心があって、目があって、口があればの話だよな

もしも僕らが昔から今を知っているなら、
「またそれをするつもりか」と怒れるのだろうか
僕らには心があって、目と口があって、考える頭もあるのにね

そんな目や口や体の一部や、心までを奪おうとすることを
止めない道理がない
と怒るエゴ的な老人は、この町の歴史を語りだした

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amazarashiファンポエトリー「間抜けなニムロド」

amazarashiファンポエトリー「間抜けなニムロド」

成長って、なんだろう
残酷なもの?わくわくするもの?
僕は、進化に近いものだと思うんだ

そんなことを考えられるようになったのは、成長したからなのかな
でも成長って、秩序的なものなのかな

今の僕はあの頃の僕に何か教えられるのか?
あの頃より持ってるものは多いのか?

言葉が言葉を越えないように
景色は依然景色に劣らないように
僕は僕でしかなくて
僕が変わってもそれが僕で
じゃあ今まで僕だったもの

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amazarashiファンポエトリー「ロストボーイズ」

amazarashiファンポエトリー「ロストボーイズ」

全てを捨てた少年だった人と
全てに捨てられた少年と

あの日子供料金で乗った電車で
何がしたいのかもわからず飛び出したまま
帰れなくなった無人駅とワンマン電車

中途半端な体の成長に
中途半端にも満たない心

もういいぜ
お前には飽きたんだ 僕
自身を捨てた少年は
少年を失うことであり 失われた少年であった

あの日少女に言えなかったこと
そうじゃない 誰にも言えなかったこと
気付いたら夜がすっか

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amazarashiファンポエトリー「境界線」

amazarashiファンポエトリー「境界線」

1歩。

その1歩が大事なのだと気付いた

黄色い点字ブロックの上に立つ僕らは
短い10両の塊を我が命の重さと天秤にかけて

逆に1歩がなければ 天秤が揺れることもない
0歩と100歩に違いはあまりない
どちらも天秤が壊れるからだ
指針の指す真ん中で 何が違う 何かが変わる

その1歩を許すのか 許さないのか
ここもまた1歩だ

君と僕の間も 100歩に見えて実は1歩しかない
僕らにとっての戦争は

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amazarashiファンポエトリー「火種」

amazarashiファンポエトリー「火種」

そこに芽吹いた火種は
忌々しい過去を光合成して
はかなくも誰かの肺へ消えていった

そこで孵化した火種は
おどろおどろしい17歳を鱗粉に溶かして
誰かの顔にまとわりついた

そして羽化した火種は
倒れてしまったドミノに触れられざる余韻を残して
それらやがて僕を後ろから轢き殺した

倒れてしまったドミノが黒猫を脅かし
あの日忌避した道があって
覚悟した道は今世の終わりへと続いて
自問自答 そうじゃな

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