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AppApeAward2019登壇内容まとめ

AppApeAward2019で機会をいただきまして登壇してきました。テーマはTVCMの活用法ということで一度色々自分の考えをまとめて話したいなと思っていたので良い機会でした。せっかくなので今日の会話がまだ記憶が残っているうちに今日のセッションの内容をまとめておこうと思います。

登壇のきっかけ

今回AppApeAward2019はフラーの杉山さんが私の以前に書いたnoteを見てわざわざ会いに来てくれてお誘いいただきました。パネル形式でラクスルの田部さんもいらっしゃるとのことだったので是非お話してみたいと思っていたので是非にとお受けさせていただきました。何よりTVCMを身近にしようというテーマには非常に同意できる部分があり、あまりノウハウが公開されないものだからこそやってみようと思いました。

杉山さんが私に声がけしてくてるきっかけになったnoteはこちら

実はこのセッションの前日に連絡をいただき、モデレーターの杉山さんがインフルエンザにかかってしまったと。。。急遽私がモデレーターを務めることになりましたw

イベント概要

【概要】
■日程:2020/2/14(金)14:40-15:20(40分)
■場所:虎ノ門ヒルズ 5F Room B(100-200名)

【テーマ】
「地上波を制するものはアプリマーケを制す。TVCMのプロが語る活用法。」

というテーマで「アプリパブリッシャーの皆さんにとって『TVCMが身近になること』」という目的です。

話したいと思っていたこと

このテーマを受けて話したかったこととしては、事前に杉山さんとも打ち合わせしましたが、

・TVCMをいつはじめるのがよいのか
・どうやったらTVCMはうまくいくのか
・TVCMにおけるエリアテストや出稿量最適化等の意外と知られていない話
・タレントパワーの活用法
・PRにTVCMをどう絡められるのか
等々についてでした。TVCMについてはびっくりするくらい知見が転がっていないのでマニアックな話になりすぎないよう、でも気になる部分は伝わるように気をつけました。

登壇者はラクスル田部さん、タイミー古賀さん、ノイン千葉の3名でした。

パネラーの役割(想定)としては…

事業者目線でタイミー古賀さん、NOIN千葉
事業者かつサポートする立場として視点からラクスル田部さん
という人選です。

テーマとして用意して頂いていたのは3つ
・TVCMに関する戦略について
・バイイングの効率化・効果の最大化
・クリエイティブ選定・制作の戦略

AppApeのイベントなのでアプリ事業者にとって意味があるものにという形で話は展開しようと思いました。以下、杉山さんのメモも適宜加えながら書いてみました。

▼TVCMに関する戦略について

(杉山メモ)
特にエリアテストの話や出稿量最適化の話をNOINさん、ラクスルさん、タレントパワーの活用法の話をタイミーさんからお伺いできればと。タイミーさんは地上波のニュースでもかなり取り上げられているので、PRをどう絡めたかのような話も聞ければと思います。

なぜTVCMをやるのか?なぜTVCMをやる必要があるのか?

ラクスルの例では割とニッチな「ネット印刷」という部分を取りに行くという際にオンラインで効率的に獲得できる限界値がある。具体的には月間で3,000万円程度の消化が正しくCPAをあわせながら取れる限界なのではないかというところにたどり着いた。そのうえで、更に広げるという点でTVCMを選択したとのことでした。

月間で3,000万円程度という部分には非常に納得感がありますし、「オンラインで取れる(リーチできる)限界に達した」というところがないと時期尚早なのではという部分も個人的には共感できるところでした。

私としてはオンラインにおける「月間3,000万」というのは2014年と2020年の現在では少し拡がっている気がするのでそこも聞いていましたが検索ボリュームが大きい商材と小さい商材(たとえばネット印刷とか)でそのボリュームは前後してるかもとのこと。まあ確かにそうですね。

※ちなみにNOINがCMキャンペーンを行ったのは昨年の7−8月で目的は「TVCMが有効なのかどうかを確認する」というテストでオンラインでの限界は全く感じていません。

一番最初のTVCMはいつ(会社や事業のフェーズとして)から始めるべきなのか?

一般的にはオンラインでの限界を迎えてからというのはあるものの競合の事業の状況によってもこれは変わってくるものだと思います。

タイミーでは競合が地方でTVCMのテストを行っているという状況が入っていたこともあり、昨年の11月の時点でCM実施に踏み切った。メルカリとフリルの例にもある通り、TVCM実施を短期間で行えたメルカリと実施までかなりの時間をかけたフリルとでは後発のはずのメルカリがぶっちぎっていったことも意識していたとのことです。

ちなみにメルカリの一発目のCMは過去に研究しまくったことがありますが、相当良くできています。タレント起用の部分もまじで完璧にはまってます。

TVCMはどの程度のボリュームからやるべきなのか
=>よくTVCMやろうか迷っているという相談がくるんですが、多い質問が「いくら掛かるんですか?」です。そもそもでいくとこの質問がややナンセンスでなにをどこでやるのかということによってコスト感は変わってしまうので、今回は「どの程度の出稿が効果的だと思われますか?最小これ以上やったほうがとか、MAXでもここまでくらいな目安があれば教えてください」という聞き方にしました。

ラクスルさんでおすすめしているのは1500GRP程度(たぶん月間)からがおすすめとのことです。その程度でどこかの地方エリアでのテストをもって大きなエリアに広げていくというのが定石というのは私も完全に同意です。だって東京高いもんw

地方から始めるべきというのはなるべく小さくテストしてそもそもテレビという手法がそのプロダクトにとって有効なのかを確かめるという意味で基本的には踏襲したほうが良いと思っています。「基本的には」と言ったのは状況によってはそうではない場合があるからです。

タイミーの場合は競合の状況に加えてサービス展開エリアもあり、いきなり関東からスタートしています。ボリュームは2000GRP程度とそこそこの出稿量です。出稿量の限界に関しては古賀さんは日に150GRP程度を超えると効果がサチってくるという話をされていました。メジャー感を醸成する必要があるとか信頼感を得る必要があるかどうかみたいなところでここは変わってくるのかもしれません。

私も相当うまくいってるCMであっても200GRPの消化はかなり無理があるなという印象です。

次にけっこうマニアックな方向に進みかねない内容ですが、メディアバイイングの話に。

▼TVCM メディアバイイングの効率化の手段

TVCMの効率をどう上げるか?

(杉山メモ)
担当が気になるのは、どうやって効率を上げていくのかだと思いますが、バイイングのときの原理原則のようなことがあればお伺いしたいです。

杉山さんのメモにあったところからいくつかつまんでお二人に話を聞きました。

ズバリ、代理店コンペをする必要はあるのでしょうか? 

これは色んな人にめちゃくちゃ聞かれる質問ですw そして是非、意見を聞いてみたかった件でもあります。

タイミーさんは今回のCMに関して「代理店コンペを実施した」とのことです。2代理店3チームでのコンペだったようです。

ここでの田部さんの意見はかなり印象的で、代理店コンペを行うことで競合に対して「〇〇がTVCMやるっぽいぞ」という話が伝わってしまうことがある。また、「TVCMをやる」という話が放送局に伝わりすぎると(どうせ実施するなら)ということで価格交渉が逆に効きにくくなる事がある。「分からないからいろんな話を聞く」というだけではなく、事業者側がもっと知識をつけて信頼できる人と組むという方がおすすめと。

これもかなり同意で買付価格を下げるというのはCPAにダイレクトに効いてくるものなのでそれが難しくなることはやらないほうがいいだろうというのは非常に納得感がありました。

一方でここで言っている「信頼できる人」はどこで判断したらいいのでしょうか?

実際私が色々と相談を受ける中でも「実はTVCMに関して〇〇さんという方に相談しているのですが、この人はこういうことを言っていて、信頼できる人ですか??」という話をすごくされます。もちろん信頼できる方もいますがかなり怪しい人もいてw

ここではコンペというよりは戦略部分について聞いてみて、事業のスタンスと合うかどうかみたいな部分で判断するのが良いのではないかというちょっとテクニカルな手法を田部さんが紹介されていました。

▼TVCM クリエイティブ選定の方法

(杉山メモ)
クリエイティブは、再現性を出すのがなかなか大変だと思いますが、ラクスルさんには明確な手法があるように思っていてそこ話を聞きたいです。
エリアテスト時→全国展開の時にタレントさんを活用されたりというのもあると思いますが、タイミーさんはタレントさん選定の理由と、結果どうだったかも少し聞けると嬉しいです。

クリエイティブの再現性については私もある程度知見はあって、明確に効果がよくなるテクニックみたいなのはあると思っています。

タレントの使用について、私個人的にはあまりタレントを使用してクリエイティブを作るというのは自分でもやらないし、あまりオススメもしていません。理由は知名度がないサービスではタレントのPVになりがちだからです。タイミーさんでは橋本環奈さんを使ったCMでしたが、このあたり意図だったりとか放映後の効果、影響だったりとかお聞かせいただけますか?

タイミーでは橋本環奈さんを使ってCMを実施したが、背景としては競合がガンガン増えるなかでCMを実施せざるおえなかったという背景もある。ユーザーターゲットにも合致し、認知度も高感度も高い彼女の起用は必然だったとのことでした。

また狙っていた影響として知名度だけではなく、メジャータレントを起用することでの信頼感というのもあったようです。たしかに「スキマ時間でバイトする」というのは、ともすれば怪しい訴求になってしまいがちなのでタレント起用のメリットはありそうです。

印象的だったのはメッセージは一つで「スキマ時間でバイトできる」という機能押しだったということです。

田部さんにもタレントを使うことの意味について伺いましたが、基本的には最初は使わなくても良いのではという意見でした。とはいえ、彼らも使っていたりコスパが合うタレントというのはいるのでこれも場合によると言えるのかもしれません。(個人的にはここもう少し実例とか出しながらしゃべれたら面白いんだろうなあと思いました)

クリエイティブについて絶対に押さえたほうがいいところがあれば教えて下さい

目的に合わせて機能をちゃんと訴求することが大事という話。だめなCMはずっとやってもダメなものはダメ。認知が広がると効果が上がるという話は嘘。

最後にこれだけ聞きました。細かい手法の話とかもしたかったな。色々話したいことはいっぱいありましたし、モデレーターなのでちゃんと話を振らなきゃでしたが自分も色々しゃべりたすぎて色々しゃべってしまいました。

最後に

またこんな機会あれば出たいです。AppApeさん貴重な機会を頂きありがとうございました。また、一緒に登壇頂いた田部さん、古賀さんありがとうございました。

ちなみに、TVCMを今後検討されている方いましたら田部さんでも私でも相談いただければお伝えできるかと思います。初めてしっかり話させていただきましたが(当たり前だけど)田部さんかなり詳しかったです。

もっとコアな話してみてもおもしろいかもですね。

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