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#忘れられない恋物語
明日晴れたら (8/10)
空は分厚い雲で覆われていて
頭上では薄く白い煙が漂っていて
大通りを歩く人の話し声に混じって
どこかのお店から賑やかな音楽が聴こえて来る
そんなよくある天気のよくある場所
ただいつもと違うのは宇宙に行く前日と言う事だけ
そして久しぶりに会う元彼が目の前にいる
「元気そうじゃん」と彼
「まぁ、それなりにね」と私
たぶん私の事をよく知っている彼だから
彼の事をわかっているつもりの私だから
躊躇す
明日晴れたら (4/10)
宇宙に行くために必要な物が他に無いかと
私は思い出のある街へと足を運んだ
駅を降りると目に入る大きな観覧車は
月日が過ぎても変わる事無く
動いているのか止まっているのかわからない速度で
静かにゆっくりと回っている
一年ほど前に別れた彼とよく来た場所だった
綺麗とは言えない海を眺めたり
小洒落た小さな店を見て回りながら
つい欲しくなる小物やバッグをぐっと我慢する
いるのか会えるのかもわからな