20241011
あたりが明るくなったころ
目が覚めた坊やが起こしてくれた
中庭を歩いてみる
朝露の残る芝生を感じながらのびやかに過ごしていると、向こうに宿主さんの姿がみえたので、朝のごあいさつ
話し込んでいるうちに、エーデルワイスが聞こえてきた
このへんは、朝7時にこの曲が響くのだ
のんびり朝ごはんを食べて、支度をする
なにかに急かされることもなく、ゆったりと過ごせる朝
なんてぜいたくでしあわせなことだろう
宿主さんのあたたかな心くばりとご厚意に甘えて、アテンドしていただく
まずは、だいすきな鬼岳へ
これまではもっぱら、寝入ったタイミングで訪れることばかりだった坊やが、はじめて自力で登った
起きているだけでも感慨深いのに、自分の足で一歩ずつ進み、高いところへと到達したこと
ほんとうにうれしくて感極まった
アップダウンのある草原を怖気付くことなく走り回っている姿もたくましい
おっきくなったなぁ
高台から見渡す景色はすばらしくって、その心地よさに浸りきりそうになる
…ところで、眼下に広がる海原に魅せられた子がいまして
『海へいく!』
と、急勾配の半ば崖ともいえようところを駆け降りようとした
あわててみんなで追いかけて、なんとか転げ落ちるのを防ぐ
感動に身を任せている場合じゃない
この子を海辺に連れて行こう
またたく間に下山し、一路海へ
いにしえの火山口の残る、火山灰やスコリアといったさまざまな特性をもつ地層が堆積した場所だったのもあり、ジオ好きにはたまらない
快晴の空のおかげで、真水のように透き通る海水がいっそう澄んでいる
ゴツゴツした岩場を慎重に渡りながら、波打ち際まで向かった
坊やは宿主さんに抱っこしてもらいながら、すこしずつ近寄っていく
いよいよ到着
アーシングしたくてたまらなかったわたしは、我先にと素足になって海へ入る
水温もちょうどよく、ほんとうに気持ちいい
追って、手をつけてみる
ゆっくりじっくり、手足から放電されていき、そして新鮮なエネルギーが満ち入るのを感じた
そんなかかのようすをみていた坊やも、靴を脱いでやってきた
あんなにも海を怖がっていた子が、はじめて、みずからの意思で足を浸けた
ハタからみたらきっとささやかな出来事だけれど、その姿を目の当たりにしてきた身内からしたら、これほど革新的なことはない
彼は自分で克服したのだ
これもまた、おおきな感動を得た
海沿いのローカルな道を通ってもらったのは、このうえなく気持ちのいいドライブだった
神社ではねこちゃんと坊やが対峙したり、大木に自生するサルノコシカケを目撃したり
お昼どきになったので、宿主さんのご主人と合流して、地元で人気のお店へ
噂通りで、想像以上のおいしさに感動した
坊やもみずからパクパクと食べ、すっかり満たされたのか、宿主さんの腕のなかで寝入ってしまった
しあわせそうな寝顔
みんな福々しい心地になった
すやすやと午睡するひとを連れて、街中の喫茶店へ移動し、コーヒーブレイク
これまたすてきな風情のしつらえで、おいしいコーヒーに甘いケーキまでいただけるなんて
のんびりおとなの歓談タイム、ほぐれたなぁ
お宿に戻ったタイミングで目を覚ました子
小一時間ほど、お部屋でゆっくりする
そんな家族時間に、名言が発せられた
わたしとおんなじように、彼もここがホームなんだろう
うれしいなぁ
夕方はご主人の運転で温泉へ
東京の銭湯とも重なる熱めの温度で、効いたなぁ
坊やもよく入れました
ほぼ終日、チャイルドシートに鎮座されていたひと
いつもよりもいやだが少なく、ごきげんに唄ったりしゃべったりしてた
夕ごはんも地物の新鮮な漬けをいただき、身も心もほくほくとする
さぁ、今宵のフィナーレは焚き火だ
半月も星も明るく照らしてくれるなか、煌々とひかる
風もあり野生的に燃え盛る火は坊やには怖かったみたいだけれど、最後のくすぶっているところには遠巻きに手をかざしていた
またしても、すばらしい日になったな
ありがとう!
おやすみなさい