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私は二人に恋をした

今週、私は二人に恋をした。

一人は、アメリカの理論物理学者リチャード・ファインマン氏。毎日彼のことばかりを考え、骨抜き状態になっている。でもこの話は日を改めて、めちゃくちゃ熱量を込めて書きたいと思っている。

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もう一人は、職場に来た外国人の女の子だ。


「英語を喋らなければならない」

という予感が、ここ最近、私をずっと不安にさせていた。英会話が苦手なのだ。読み書きはそれなりにできるものの、リスニングが全然ダメだし、なんといっても英会話の経験が周りに比べて圧倒的に足りない。何度かzoomでミーティングをした際にも、私だけがまったく聞き取れなかった。みんなで笑っている意味がまったくわからなかった。悔しかったし、不安だった。

ゴールデンウィークも「英語の勉強しなきゃなぁ」と思いつつ結局後回し後回しで、いざ今週を迎えてしまった。


はじめて対面した彼女は、とても可愛らしい女性だった。顔が可愛い(美人)というよりも、話し方、笑顔、身ぶり手ぶりなどが細やかで優しくて、チャーミングだった。

私は、彼女のことがすぐに好きになった。1日とかからなかった。

私たち日本人が日本語で話していても、彼女はさらっと「ダカラ〜」とか「ソウデスネ〜」などと口癖を真似する。仕事でトラブルが発生して「どうしようか」とああだこうだシリアスに話し合っている時も「大丈夫?」「何があったの?」と臆さず聞いてくる。びっくりするようなコミュ力で、なおかつ空気が読める。そして仕事もとてもできる。

相変わらず、彼女が何を言っているかはわからないし、話についていけないことも多い。けれど、共通の話題(仕事の話)があることと、それがビジュアルベースであること(身ぶりやスケッチで意志を伝えられること)にも助けられている。ある意味では私たちには共通言語がすでにあった。

「毎日英会話か……」と憂鬱だった気持ちはどこへやら。今は、彼女とのコミュニケーションを成立させたい、もっときちんと仕事の話がしたい、みんなに負けず話したいという気持ちが強い。


慣れてくると、英会話なんてシンプルなものだった。

単語を知っていること。
単語と単語がつながった時の音を知っていること。
フレーズを知っていること。

これらの条件を満たせば聞き取れるし、喋れるのだと知った。

昔はどうしてあんなにリスニングが嫌いだったのだろうと考えると、たぶん、全然面白くないボブとアンの日常会話(など)を聞かされていたからなんだろうな。

自分が心から話したいと思ったときに、あんな苦痛はない。今日知った単語をメモして、今日言えなかったフレーズを調べて、頭の中で「こういう話はどう言うんだろう」と考える。「ねえ、woodとlumberとtimberってどう違うの?」と質問してみたりする。少しずつ知識やスキルが増えていく事実には、純粋にワクワクする。

お試し登録したサブスク英会話アプリは、もうやめた。私が話したい内容はこのアプリにはない。航空券の手配とかホテルの予約確認とか、そんなの求めてない。私は、私の専門分野のことを、より深く話したい。どこのアプリを探してもたぶん出てこないだろう。

“It’s not beautiful!”

こんな中学1年生レベルの英会話でもいい。言葉そのものではなくて共有できた価値観が嬉しいものなんだ。言葉は「意味」を運ぶ器なのだと、ようやくわかった。


会って数日なのに、こんなにもポジティブな感情にさせてくれた彼女には、感謝してもしきれない。

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読書メイン(記憶力が悪すぎるので備忘録も兼ねて)。読書感想文が苦手なので、ごくごくゆるく。ネタバレを書く場合は先頭に注意書きをします。たまに、普通の日常。ディープな考察はこちら→https://note.com/gatitapensante