4. コペンハーゲンの歴史を学ぶ(2023/8/23)
今日はmicrohistoryという方法論で、1800年代後半から1900年代のコペンハーゲンの歴史を学んだ。microhistoryとは、単一の出来事や集団、一個人など小さなユニットを対象に行う歴史研究手法のひとつだそう。今回は、デンマークで使われる教科書にも載るような詩人・著作家・ジャーナリストのTove Ditlevsenの著作を引用しながら、コペンハーゲンの中のVesterbroという地域がどのように発展してきたのかについて学んだ。
Vesterbroは、1800年代後半から1900年代中頃にかけて、とても劣悪な環境だったそう。教育機会、収入、犯罪数などの面でたくさんの課題を抱えていた。授業の中で特にフォーカスして扱われたのが公衆衛生で、居住空間がいかに劣悪だったかに関する説明があった。火事が広がりやすい住宅の構造や、ネズミや害虫が発生するような衛生面での問題についての指摘があった。
そんな問題がはびこる中、1950年に6000人の住民たちが政府に訴えを起こす。いかに自分たちの置かれた環境が劣悪であるかについて訴える手紙を送付したのだそう。その後、住宅の建設基準が明確に定められるなど改革が進み、Vesterbroは今では高級なバーやレストランがある豊かな地域になっている。
今ある街が昔から当たり前にそこにあったわけではなく、住民たちが自ら声を上げ、自分たちの手でより良い未来をつかみ取ったのだなと納得した授業だった。
ヘッダー写真は今日の晩ごはん。