2019年の事業活動を振り返る

 これは、私自身が2018年6月に起業し、2019年の事業活動について、事業構想や戦略の実行に対しての振り返りを書き残すためのものです。自分以外の誰かの参考にもなれば幸いです。
 ちなみに、私自身は複数の会社に所属しており、自分の会社以外にメインの仕事があり、自分の会社に割けている時間は20%くらいではないかと思います。とはいえ、いずれも外国人材関連の仕事ではあります。

事業構想について(2019年初時点)

 私は外国人材領域で事業を展開している。これは、別の投稿でも書いたが、社会的な必要性からである。マーケットの成長性や発展性には魅力を感じるところはあるが、現時点での規模だけでいえば、とてもじゃないが魅力的には感じないマーケットである…。
 私が目指す事業構想は、いくつかの段階がある。まず1つ目の段階としては、外国人材が日本という社会で、日本人と同様に活躍できる環境がある社会であり、それに必要なサービスを提供していくことである。決して、採用支援だけを行うつもりはない。外国人材が活躍できるようになるためには、日本企業側の受け入れ体制の構築、具体的には人材育成とマネジメント体制の整備が必要不可欠である。そのために必要なコンテンツを開発し、提供していく。
 2つ目の段階は、外国人材が日本で学んだこと、習得した技術を持って、母国で事業を行う際に支援できる体制を構築することである。個人的に、外国人材が日本で死ぬまで定住するケースが多数になるとは考え難いと感じている。現在、日本に来る多くの外国人は、日本への文化的興味や関心で来日するケースがほとんどである。もちろん、経済的なギャップによる出稼ぎ労働者も存在することは否定しない。いずれにせよ、多くは家族を母国に残している。そして、近い将来、その母国も大きな発展を遂げてビジネスがしやすい環境になるであろうと想像する。だからこそ、日本に残ることが必然とはなり難いのではないかと考えている。そのような人材に対して、特に優秀層は母国へ帰国した後も、日本とのネットワークが途切れないようにフォローすることが重要だと考えている。
 例えば、岩塚製菓の事例などが、イメージに合致する好事例ですね。

「新潟の米菓メーカー「岩塚製菓」と台湾企業である「旺旺グループ」は1983年に技術提携し、両社の取り組みは30年が経ちました。」

事業戦略について(2019年初時点)

 別の投稿でも書いていますが、そもそも外国人材マーケットは未成熟な市場です。これには2つの意味があり、まず規模が大きくはない。参考までに共有すると、新卒で就職するような人の数は、約2万6千人です。これは、高等教育機関または母国で4年生大学を卒業している人が対象になる"技術・人文知識・国際業務"のビザの発給数に基づきます→法務省データその1。転職対象者にもなる現在日本で就業中の外国人材の数で言うと、約260万人です→法務省データその2。日本人と比較すると、どのくらいの人数でしょうか?新卒就職者数は約45万人で、外国人比率は約6%就業者数は約6,762万人で、外国人比率は約4%になります。ちなみに、ここで言う外国人就労者の中には、先ほど述べた"技術・人文知識・国際業務"以外のビザの人も含まれるため、厳密には自由に転職できる人が約260万人いるわけではないです。例えば、技能実習生及び留学生(資格外活動ビザによるアルバイト)の人数は、それぞれ30万人を超えるので、少なくとも転職対象者は200万人以下になります。このように、日本人と比べて、絶対数が少ないことがよく分かります。
 そして"未成熟"のもう1つ意味は外国人材に対するリテラシーの問題です。具体的には、外国人材に対する理解度の問題であり、どのように採用しどのように受け入れどのようにマネジメントしてどのように育てていくのか、というような観点が、日本企業でまだまだ整備されていません。例えば、ビザに対する知識を持った人事が、どのくらいいるのでしょうか?異文化理解があり、外国人材とコミュニケーションを取るときに意識的に日本人とのコミュニケーションと変えられる管理職がどのくらいいるのでしょうか?こういった点が整っていない状況では、企業は外国人材に関心を持っていたとしても、明確な戦略や目標を持ち難いので、採用や育成に投資もし難いのです。ゆえに、サービスがあれば、企業は使うのではなく、まずどのように受け入れるかもセットで情報提供やコンサルティングをしていかなければ受け入れは進み難いのです。結果、日本人と同じ採用支援をするにしても、外国人材の方が負荷が大きくなります。もちろん、外国人材に対しても、"日本企業で働くこと"について理解してもらわなければならないので、対個人向けのサービスにおいても負荷は大きくなります。つまり、生産性は低くなります。
 このような背景から、私自身は、本来競合になりうる企業との協業を積極的に行うことを決め、それぞれのパートナーが得意とする領域で、パートナーが活かせるような仕組みを作っています。加えて、外国人向けサービスを提供する事業会社は増えつつありますが、まだまだ十分に社会に必要なサービスが足りないと感じているため、アセットを持つ企業との協業でサービス開発に取り組んでいます。そうすることで、外国人材の受け入れに関して、多様な属性に対して、多様な観点から支援できる体制を構築し、キャッシュポイントの多角化とコスト分散を図っています。これが、自分が生き延びつつ、私の構想実現に必要不可欠なパートナー企業の発展にも貢献できる方法と考えている。そして、私自身は、社会における外国人材へのリテラシー向上に繋がるような組織や団体を巻き込んだ啓蒙活動とサービス企画にも時間を割けるようにしています。この戦略が適切なのかは、すぐに分かりませんが、数年後に自分がどうなっているかで、適切だったのかどうかが分かるのでしょう。まだ何年かはかかる地道な取り組みです。。。

戦略実行に対する振り返り(2019年末)

 少しずつですが、形が出来つつある1年だったのかなと感じています。まだまだ成果と言えるものはないですが、2020年には成果が少しずつ出てきそうな感覚はあります。また、地道な啓蒙活動や外国人材マーケットやノウハウに関するギブの継続により、協業などの相談も増えつつあるように感じています。私は人材会社出身なので、異業界の仕事の進め方は転職相談の際に、個人の方からの仕事内容のヒアリングからしか聞いたことはないですが、商社の立ち上げ方に近いのかなーと勝手に考えています。
 あまり具体的過ぎる話はできませんが、社会的なインパクトが大きい組織の方々との情報共有や相談が増えていること、パートナーとなりうる事業会社の方々との協業が増えつつあることは、今後のマーケット拡大に寄与するとともに、顧客に提案できるサービスが増える点で、良い成果になりうる途中なのかなと評価しています。そういった意味では、2020年が楽しみではありますし、一方で、いざ何かをしようとしたときに必要になるであろうキャッシュをもう少し増やせるような仕事も増やしていかなければなとも考えています。本事業活動における自分なりの成功の定義は、先に述べた構想を実現することにあります。そのような成功に至るにあたり、何が正解かはわからないですし、事実に基づいた仮説を立てて、試行錯誤をやり続けることでしか至らないのだろうなと、地道に継続させられるように頑張って行きたいなと考えています。

2020年の取り組み

(1)プロダクト開発の促進
 起業をして、商品やサービスの開発が何よりも、まずは必要であり大事であることが、よく分かりました。仮でも、商品やサービスがないと、顧客への提案ができないですし、改善以前の話なので、顧客にフィットした商品やサービスが生み出し難い。2019年以上に、商品やサービスの開発に磨きをかけていきたい。そのゴールは、現在取り組んでいるパートナー企業との協業に関して、仕組み化を完成させることが一つです。さらに、新たなサービスをいくつか開発していきたいと思う。
(2)外国人材サポートの専門人材の育成
 現在日本にいる外国人材は東京が中心です。東京だけで約20%(5人に1人)、関東圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)で約40%(3人に1人)に達します。政府としては、地方での外国人材の活用を進めています。そのため、今後は地方での受け入れが進んでいくと思うのですが、地方に専門家はほぼいません。東京ですら、まだ少ない状況です。先に申し上げた通り、適切な外国人材リテラシーなしに、良い受け入れは進んでいかないわけで、正のサイクル(受け入れ側がポジティブで、かつ外国人材もポジティブな状態)が生まれるように、外国人材リテラシーを高められる機会を作る必要性を強く感じています。だからこそ、専門人材の育成機会を作っていきたいなと考えています。現状、私が管理するFacebookグループで情報共有のみ行っていますが、もう少し体系的に学び、実践的な経験を積める機会を作りたいなと。

※取り留めのない話になってしまったかもですが、ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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