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守りの兎

守りの兎 博多地下鉄で回る伝説スポット

 宋で学んだ一人の僧侶が、帰朝すべく港に向かい歩いていた。
 その途中、山道で一羽の兎がおびえているのに出会った。行く手には多くの狼の姿があった。
 僧は兎を懐に入れ、念仏を唱えた。狼は姿を消し、僧は兎を地面に下した。しかし、そのまま兎は離れることなく、懐いてしまい、港までついてきた。

 結局、そのまま一緒に船に乗ることになった。
 船が玄海灘に差し掛かった時、黒雲に覆われ、大荒れとなった。僧は船の帆先に座り、念仏を唱えた。
 すると兎が飛び出し、海へと姿を消した。
 波に乗るように兎が跳ねると、水が避け、一本の道ができた。

 僧や、船の人々は、その道に飛び降り、波を横目に博多の姪浜にたどり着いた。 皆が上陸すると、兎は燦然と金色に光り輝き、空高く舞い上がり、竜となって天に消えていった。


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