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一日一妖

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ほぼ一日につき1つ妖怪や伝説、不思議な話をUPしていました。 自分自身もしらなかった話を紹介できるようにしています。
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記事一覧

お化けしるこ

お化けしるこ 郵便報知新聞 明治八年八月二十五日 赤坂田町辺りで、毎晩深夜二時から三時に悲しき声で『しるこーや しるこ』という物売りの声が聞こえるが誰も来ない。 そんな事があり、人が集まったという。

予言の子

予言の子 東京絵入新聞 明治13年4月6日 熊谷近くの葛和田村で生まれた子は、生まれながら弁舌巧みで、今年もコレラが流行る。それに抗うためには、餅をつき天道様へ一週間備えたものを食せと話した。 その後、自らは人民を災厄から助けるために胎内を借りた神だと語って亡くなった。

青炎の女

青炎の女  開花新聞 明治16年4月17日 米国艦艇が太平洋航海中、日没となったときに、空中から大いなる火ノ玉が轟然と現れ、忽ち破裂して、消滅したのを見た。 青白き火炎の形が、女のものとなり、次第に伸びて雲の中へ消えていった。 太平洋を航海する船がときおり会うという。

手長化

手長化 八潮市史調査報告書 5 八潮の民俗資料2        ババ池と言う池があり、この池の淵に榎の大木があり、その木のまたから手長化(てながばけ)が出ると、子供のころ、親に聞かされた。

高増神社

高増神社 青森県史  リンゴ農家の安田健之助さんは、夜ともなれば大男が姿を現し、山小屋の床に長さ1尺8寸、巾が9寸位の大きな足跡を見せるなど、不思議な経験をするようになった。  そこで鼻和のバサマといわれる行者に相談すると、神社を作ることになった。そして、これを聞いた人たちが敬神会を作り、一社となった。  境内には仏教の影響も含めたさまざまな堂や石碑が、龍神を祀る施設あり、各地のカミサマ(行者)が訪れているといわれる。  また、昭和29年に「この場所を掘れば温泉が湧く」と

大平山

太平山 上ノ国村史  太平山が鳴り響き、天の川の河口が洲に塞がれると、国(蝦夷)によくない事の起こる知らせという。  なお、明治25年9月に記録が残されている。  この山の神に日本海の竜神が通うのが竜灯というものである。 他に見たものの話しによると上がるときはゆっくりで、海辺に向かう時は遅いというのが伝わっている。  ある年の元旦、山に登った村人が、竜灯のあがってくるのにあった。シャンシャンと御神輿が渡るような音が聞こえ、恐れ多くて平伏していくうちに去ったという。

霊穴

霊穴 戸井町史  戸井村と旧亀屋村(現函館市)の境に標高四〇八米の丸山という山がある。この山には昔から龍神が居ると言われ、霊山として旧五月五日に大漁祈願の参詣人が数十人登山した。  鳥居の前に煙草をおいてお堂のあるところまで登る。龍神は煙草を嫌うと信じられ、鳥居をくぐったら煙単を吸わない。  お堂の近くに北向きの穴があり、その穴の中に龍神が居ると信じられている。  参詣の人々は穴の前に持って行った卵、魚、赤飯などを供え、鰮、鮪、鰤、いかなどの大漁をそれぞれ祈願し、お堂の所へ

イボとりの迷信

イボとりの迷信 病・この治りやすきもの  兵庫県加東郡杜町田中に薬師如来をまつった寺がある。裏に小さい池があって、そこに弁財天が祀ってある。  私(話者)が13・14のときのことであった。手にできたイボが増えてきて、気になってしかたなかった。  おばあさんに「弁財天さまの水をつけておけば治る」といわれその通りにしたら、いつの間にか消えていた。  兵庫県佐用郡三日月町大広にイボ神様というのがある。これはご神体が丸い石が一つ置いてあるだけという。  その前に小川があり、その河原

変若水と死水

変若水と死水 月と不死  昔々の大昔のこと。  お月様とお天道様が、人間に長命の薬を与えようと思って、月のアガリヤザ マガを使いとして使わされた。  アガリヤザマガは二つの桶を担いできた。  その一つには変若水が、 今一つは死水が入っていて、人間には変若水を浴びせ、生き替わる事と長命をもたせよ、蛇には 死に水を浴びせよ、ということであった。  ところが、その途上で、アガリヤザマガが小便をして いるスキに、大蛇があらわれて、変若水をジャブジャブ浴びてしまった。  アガリヤ ザマ

さきたましいこ

さきたましいこ 青森県の怪談  ある紳士が親類の家を訪ねると、必ず子供たちが自分の来訪を知っていて不思議に思っていた。  理由を尋ねると、紳士が来る前に、激しい咳の音や、ステッキの音や、雪を払う音といったものが聞こえるという。  これは先魂コというものであるという。

散歩する死人

散歩する死人 青森県の怪談  ある親父が喀血し、倒れた。そのまま亡くなった。  それから一か月ほどして近所の人が親父さんが歩いてくるのを見てあいさつした。暫くしてなくなっていたことを思い出し振り返ると、親父の飼っていた猫が、ひょこひょこと歩いて行ったという。  猫は親父の亡くなる前に吐血を舐めていたという。

神仏習合を守ったお稲荷様

神仏習合を守ったお稲荷様  大きな鳥居から岡山で有名な最上稲荷のご本尊は最上位経王大菩薩(最上さま)です。  最上さまのお姿は、白い狐にまたがり、左手に稲穂、右手には鎌を持ち、稲穂は実りを、鎌は災いをなぎ払う意味があります。    開基は報恩大師にゆかりがあるとされています。  大師は岡山県内の備前・備中には開基とされる寺院が多くあり、人々の崇敬を受けています。  また、「魔訶上人」(偉大な人)と呼ばれ尊敬を受けています。  大師は幾度か孝謙天皇の病気平癒の勅命を受け、そ

マンジロク

マンジロク   茨城県西茨城郡七会村で地震が起きたときは「マンジロク、マンジロク」と言うと地震は治まる。   地面の中にいるナマズを抑え、地震が起きないようにしているものをマンジロクという。  地震とはマンジロクが居眠りをすると鯰が暴れ出しておきるものなので、目を覚ますために名前を呼びかけるのである。  もともとマンジロクは八瓶山に近い村に住んでいる大男だった。  マンジロクは仕事もしなかったたので、腹が減っては、近くの池に行き魚をとっていた。  ある日、魚が全く取れず池の

七面大明神 

七面大明神 草山集  日蓮聖人が身延山で説法されていたとき、その中に一人の婦人がいた。  立派な衣服や上品な物腰で、このあたりの人と思えなかった。  説法を聴いていた波木井氏(日蓮を庇い、帰依した地元の武士)は、その婦人が近隣では見かけない人だったので、素性を怪しみました。  日蓮聖人は女性に向かって本形に戻れるかと問います。  女性は一滴の水があれば可能でございます、と答えました。そこで、弟子に花瓶をとらせて女性に与えました。すると、花瓶の水を得た女性はたちまち一丈ほ