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地方のコワーキングスペースの役割について/コワーキングコミュニティhinode

初めまして。千葉県いすみ市(人口3.8万人ほどの市)のコワーキングコミュニティhinodeでマネージャーを務める田村(通称:てぃむ)と申します。

今回は、今年7月からhinodeのマネージャーを務めさせていただいている私が、この半年弱で感じた地方のコワーキングスペースの役割や可能性について、書かせていただきます。

※この記事はコワーキングスペース運営者限定アドベントカレンダー2018、11日目の記事となります。

コワーキングコミュニティhinodeとは

まず初めに、コワーキングコミュニティhinodeがどんなところなのか、簡単に説明させていただきます。

コワーキングコミュニティhinodeは、2017年4月にオープンしたばかりのスペース。現在hinodeとなっている建物は元々いすみ市の公営プールの更衣室だったのですが、プールの故障により使用されなくなり、遊休施設として眠っていました。そんな中、当時の地域起こし協力隊の方が、「コワーキングスペースにリノベーションするのはどうか」と提案し、総務省から地方創生推進交付金をいただいてリノベーションすることとなったのです。

その後、工事は無事に終わり、運営は民間企業に委託することに。公募の末、私が現在所属している株式会社Ponnufが運営をさせていただくことになりました。

運営をしてみて思うこと

1.地方のコワーキングは、需要がある訳ではない

IT系の仕事をしている方が都会に比べて圧倒的に少ない地方。
そして、土地が有り余っている地方。
そもそも、コワーキングスペースで作業をするような職種の方がとても少なく、数少ないIT系の職業に就いている方も、作業をするだけなら自分の家で十分快適だという方が大半です。

ただ場所を構えていても、全然人はやってきません。

これが都会のビジネスであれば、「需要がないのに、どうしてやるの?」と思う方が大半でしょう。現に私も、都会の知り合いに「地方のコワーキングって儲かるの?何でやってるの?」と聞かれることが多々あります。

2.需要がなくても、地方でコワーキングを運営する意味

それでも地方にコワーキングスペースが必要だと思うのは、地方のコワーキングスペースが地方創生や地域活性化の文脈に置いて、様々な可能性を秘めているから。

地方への移住に興味があるものの、踏み出せない若者の懸念点の多くに

・好きな仕事ができない
・都会に比べて稼げない
・地域の人たちと馴染めるか不安

といったことが挙げられます。
しかし上記の3つの問題を、コワーキングスペースで改善することができるのです。

hinodeが実際にやっていること

1.仕事を創る

hinodeでは、“地方で仕事を創ること”に取り組んでいます。
IT出身者が多い強みを活かし、スペース運営と並行して地元企業のマーケティング支援をさせていただいたり、情報発信のスキルを活かした自社サービスを立ち上げたり。
自分たちで仕事を創ることで地域の職種の幅を広げ、クライアントも自社も稼げる仕組み作りも行なっています。

さらに、今年の10月よりクラウドソーシングの企業とも提携。地方にいても都会の仕事を受注しやすい仕組み作りも行なっています。

2.外から人を呼ぶ

IT 系の職業に就いている方・または興味がある方を呼ぶため、WEBスキルの講座を定期的に開催しています。
中でも最も人気なのが、1ヶ月滞在型のフリーランス養成講座。1ヶ月間弊社が運営している市内のシェアハウスに滞在しながら、hinodeで毎日講義を受け、サイト制作やWEBライティングなどのスキルを身に付けます。

1ヶ月間いすみ市での生活も体験することになるため、講座終了後にそのまま移住を決め、hinodeの会員となる方も少なくありません。

3.コミュニティを創る

土地が余っている地方で、作業場所にhinodeを選ぶかどうか。最も重要なのがコミュニティ要素です。

「この人たちに毎日会いたいからhinodeに作業をしにいく」

そんな環境を創るために、会員とスタッフみんなでのご飯会やスポーツ会、ボードゲーム会や作業会など、交流を深めることができるイベントを高頻度で行なっています。

4.会員さんには、仕事場所・仕事・コミュニティを提供する

1〜3を組み合わせ、会員さんに仕事を紹介したり、スキルアップの機会を作ったり、プライベートでも長く付き合えるような出会いを提供しているhinode。

ただの作業スペースではなく、地方での生活がより面白くなる場所、刺激的になる場所になるよう心がけています。

もはやコワーキングスペースと呼ぶのが正しいのかどうか…そんな疑問もあり、現在は「コワーキングコミュニティhinode」と名乗っています。

地方のコワーキングスペースの需要を高めるということは、地域を活性化するということ

地方のコワーキングスペースを運営してみて感じるのは、「需要があるからやっている」のではなく「需要をつくるためにやっている」ということ。
そして、地方のコワーキングスペースの需要が高まるということは、それだけ地方の働き方や職業選択、コミュニティの多様化が進んだということであり、若者が地方に関わりやすくなるということです。

これからもさらに需要を高め、地方に若者を呼ぶべく、ビジネスやコミュニティの要素を掛け合わせて、新しいコワーキングの形を創っていきます。


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