RME AVB製品レポート [Digiface AVB編]
今回はシンタックスジャパン様にご協力頂き、RMEの新製品「Digiface AVB」と「M-32 DA Pro」をお借りしました。前編では「Digiface AVB」を、後編では「M-32 DA Pro」を紹介します。
まずは「Digiface AVB」からご紹介します。
サイズはMADIface USBと同じくらいですね。
AVB用のEthernet、WordClock用のBNC、PHONES、裏側にUSB3があります。
BNC端子はDigiface Danteと違ってWordClock専用の端子となっていて、MADIは使えません。
それでは早速Macに繋いで中を見ていきたいと思います。
と、その前に、RMEのAVB製品は今までの他製品と違って「RME AVB Controller」というソフトが追加で必要になります。また、製品のAVB機能をMacやPCで使用する場合は、このソフトが常に起動している必要があるとのことです。
RMEのサイトからダウンロードしインストールしたら準備完了です。ではDigiface AVBをUSB3接続し、ソフトを起動してみます。
いかにもRMEらしいシンプルな見た目。
一番左には操作する対象のデバイスが一覧になっています。既にDigiface AVBとM-32 DA ProをAVB接続しているので、両方操作することが出来る状態になっています。Digiface AVBをMac/PCに接続すると、AVBで接続されている他の機器にアクセスすることが可能になっているようです。
ネットワーク設定を見てみると、Digiface AVBがネットワーク装置として認識されていることがわかります。
AVB Controllerに戻って実際に操作していきます。
「Clock Configuration」はクロックソースとサンプルレートを指定出来ます。
Internal、WordClcok、Input Stream1~14と並んでいます。今までの製品と違うのが、「Input Stream」という項目です。これはAVB接続された機器のクロックをスレーブするということなのですが、AVB端子は1つなのにいくつもあるのはなぜか。
これはAVBの基本的な知識があると簡単です。シンタックスジャパンのサイトに詳しい説明があるのでそちらを参考にしてください。
簡単に言うと・・・
AVBは伝送速度がめちゃくちゃ速いので500ch以上の伝送が出来ます。そこで、チャンネルを区切ってグループ化し必要なチャンネルグループだけ取り出せるようにすれば効率的だし便利だよね!っていう概念です。
これはAVBだけでなくネットワークオーディオにはよく出てくるお話です。
複数のAVB機器を接続した場合に、どのストリームを選ぶかによってクロックが選択出来るということです。
次に「Connections」という項目を見ていきます。
ここで先ほど説明したストリームという概念が出てきます。扱えるストリーム数は機器によって違うのですが、Digiface USBでは16ストリーム扱うことが出来ます。
Connectionsは16のストリームにそれぞれどのストリームを接続するかを選ぶ項目です。現在M-32 DA ProをAVB接続しているのでプルダウンを開くとM-32 DA Pro側で設定している4つのストリームを選択することが出来るようになっています。
そして、一番右側の項目ではDEVICESで選択しているAVB機器の情報が見られるようになっています。
最後にメニューの中にあるEntityを簡単にご紹介します。
[Name]
選択しているデバイス名を変更することが出来ます。同機種を複数接続している場合は変更した方が良さそうです。
[Reconnect]
デバイスのストリームを再接続します。
[Disconnect]
デバイスのストリームを切断します。Input Streamの設定がすべて「none」になります。
[Stream Format]
デバイスのストリーム入出力数を設定します。
→AVBのストリームは、扱うチャンネル数を自由に決められます。機器によって扱えるチャンネル数に制限もあるようですが、いくつか試したAVB機器だと大体8chが標準になってるような印象を受けました。
[Presentation Time Offset]
出力データのレイテンシー設定です。
続いてRME製品ではお馴染み、 「Fireface USB Settings」の中身を見ていきます。
ほとんどの設定はAVB Controllerで行うのでここで設定出来るのは、
WordClockのTerminationとSingleSpeed、USB3のIso Transfer Modeの項目だけです。
最後に「Totalmix FX」の中身をさっと見ていきます。
Digiface AVBではクロックによって下記のチャンネル数が扱えます。
・48kHz → 128ch
・96kHz → 64ch
・192kHz → 32ch
使い方は他のRME製品と特に変わりは無さそうです。
後編ではM-32 DA Pro、そしてDigiface AVBと接続した場合のレポートをお届けします。