ティーバッグから水に広がっていく、その淡い色を眺めていた。どこからが紅茶の始まりなんだろう。ふんわりと勢力を拡大していく茶色と、合わせて香るアールグレイ。意識して瞼をゆっくりと閉じる。そして大袈裟な深呼吸をして、華やかな空気を独り占めする。肺を幸せで満たす、そんな妄想をする。

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