【「話すは」1割、「聞く」は9割】を読んでみた。

はじめに-本書を読んだ所感-

僕はコミュニケーションをとるときに何とかして喋らなければ、話題を探さなければと思いながら会話をする癖がありました。

ただ本書ではそれをはっきりと否定していたので、本当に新しい考え方を学んだという印象でした。

本書では本当に徹底的に「聞く」ことに徹すれば自ずと会話は成立するという内容です。※質問やレスポンスをしないわけではないです。

「聞く」という事は誰にでもできますが、その聞き方が重要で、いわゆる聞き上手な方には一定の共通点があるそうです。

聞き上手と言われる人の半数以上は、無意識的にできてしまう人のようですが、僕のような口下手の場合は、その聞き上手の人がやっている事を意識的に実践する必要があります。

今回はそんな「聞き上手」の人たちが行っている内容についてを、本から学んだメソッドを交えてまとめて行きます。

■書籍の紹介
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「話すは」1割、「聞く」は9割

出版社:大和出版

著者:丘村 奈央子

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「引き出す」は考えず、まずは「聞く事」に徹底する

先ず考えなければいけない事として、相手は自分に興味を持っていないという事を前提として持つことが大切です。

無理に話を引き出そうとすると、自分の話をした上で「どう思いますか?」と聞く必要があります。

その時点で相手からすると、回答をすればいいやというような思考になってしまい、聞ける内容が端的なものになってしまいます。

なので自分の話をしても相手は基本的に興味を持ってもらえないと捉えるのが吉です。

そもそも、相手が話したい報が何か?に関してはその相手しかわかりません。例えばオススメの喫茶店の話題が上がった時に、人によってはコーヒーの話をしたい人もいれば、紅茶の話をしたい人もいます。

相手が何を求めているのかは、推察は出来てもあくまでそれは相手の考えを推し量っているだけです。

なので、会話をする上ではまずは相手の事を聞いて相手が話たい内容を聞かせて貰う事が重要です。

相手が話したい内容が分かればその中に次の話へ膨らませる要素が含まれているはずです。

先ほどのオススメの喫茶店のテーマで話すならば、

「何がオススメなんですか?」

と聞くだけで相手が話したい内容が大体わかります。

「コーヒーがおいししんだよ」

と言われれば、「どういうコーヒーが好きなのか?」「豆にこだわりがあるのか?」「コーヒー飲みながら何をしているのか?」「他にもおいしいコーヒ出している喫茶店は無いか?」等、次に聞きたい内容が上がってきます。

あくまで相手が話したい内容を聞いた上で、その話を膨らませる「次の疑問を」内容を聞きながら考えて、また相手に聞く。

という事を徹底すれば自然と会話が成り立っていくはずですし、話の主体は相手になりますし、その方が聞き出したい情報が沢山手に入るはずです。

相手が話の主体者にして、自分は受け手という構図を作ることが、聞き上手になるためには必要です。

聞き方の基本①自分が気持ちよく聞ける状態にする

聞き上手な人になるためにはステップを踏んで行く必要があります。

その為の第1歩として、先ずは自分が相手の話を気持ちよく聞ける状態にすることが大切です。

気持ちよく聞ける状態というのは、自分が相手の話を聞きたいと能動的に捉えながら話を聞く状態の事です。聞き手の話を気持ちよく聞ける状態が無い限りは、相手との会話は成り立ちません。

ではどのようにして気持ちよく聞ける状態にすればいいのか?

それは、「知らなかったことを知るだけで聞けた価値がある。」という事を頭に刷り込む事です。

自分は全く分からない分野の事を話してくる相手ならば、その分野を知るチャンスだと思って聞く。

自分が既に知っている内容を話してくる人であれば、共通点についてを話ながら、相手の知識がどれくらいあるのかを知るチャンスだと思って聞く。

状況によって何が得られるかは変わりますが、何も得ることのない会話はありません。

その業界の事についてなのか、相手のリテラシーについてなのか、あるいは相手のパーソナライズ的な事についてなのか、会話をすれば何かしらを知ることができるはずです。

赤の他人だったひとを知るという事自体に価値がある事を認識出来れば、どんな話でも能動的に聞く事ができるはずです。

会話する時は、常により深く相手の事を知れるように相手の話を聞きながら、自分の疑問を相手に聞く。という事を徹底してやるのが大切です。

聞き方の基本②相手が気持ちよく話せる状態にする

次のステップは、相手の話をより深く聞くために必要なものになります。

先ずダメな例はコチラ。

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Aさん「週末の過ごし方は?」Bさん「カフェで本読んでるよ。」

Aさん「そうなんだ!最近音楽とかどういうジャンル聞いてるの?」Bさん「バラードとかよりは明るい感じの曲かなー。」

Aさん「へぇーそうなんだ。ケーキだったら何が好き??」Bさん「んー、チーズケーキかな?」

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これではただの押し問答ですよね。

質問は出来ていますが、相手の話を聞けていないです。

相手の話を聞くという事をするのであれば、相手の話た内容に対して疑問や質問を作って会話のストーリーを作る必要があります。

先ほどの例で伝えると、最初に、週末の過ごし方をAさんが効いたときに、Bさんは「カフェで本を読んでいる」と答えています。

それであれば次の質問は、「カフェ」か「本」に着目するべきで、どこのカフェなのか、どんな本を読んでいるのか、などの質問をするのが正解です。

そうすれば相手は自分の話をするだけなので、無理に思考を巡らせなくても記憶をよみがえらせるだけで話ができますし、それを話す相手が前のめりで話を聞いてくれれば、話すのも苦ではないはずです。

またその中でいわゆる非言語コミュニケーションと言われる身振り手振りや表情などでの反応があると、更に相手はこの人話をちゃんと聞いてくれる人だなと思い、自らいろんなことを語ってくれます。

そうなれば、話すが1割、聞くが9割の構図ができてくるはずです。

あくまで相手の話を聞いて、その中の要素から次の疑問を相手に聞き、会話をストーリー化していく事を意識してやると良いと思います。

聞き方の基本③必要な情報を貰う

ここまでは単純は会話の話でしたがここからは実用的にするためのお話しです。

この聞くという事をビジネスの中でどう活かすか。

これまでまとめてきた内容は相手がテーマを決める形になるので、自分が本当は聞きたかった内容が返ってこない可能性もあります。

これから取引をする相手のヒヤリングなどをする際に、趣味の話などをするのはアイスブレイクとしては良いですが、ビジネス的に聞き出さなければいけない事は他にも山ほどあります。

それを聞くための方法は2つあります。

1つ目は、凄く簡単で、挨拶時に「今日は○○についてお話をしたいと思いお時間をいただきました。」と相手に宣言する事です。それだけで相手はある程度、それに準じた回答をしてくれるようになります。

ビジネスモデルを聞きたければ、「御社のビジネスを深く理解したいのでお時間いただきました。」と言っておけば、自ずと自分が知りたい内容に沿った話をしてくれるはずです。

そして2つ目は話の切り返しを事前に準備していく事です。

例えば僕の場合、初回のヒヤリングでは、3Cについてを聞く事が多いです。その場合は、ビジネスモデルなど相手企業の事から聞いていく事が多いですが、ビジネスモデルだけを聞いてしまうと、残りの競合と顧客の情報がスカスカになってしまいます。

その為に別途時間を貰うとなると全体の進行スケジュールがずれ込んでしまうので、ある程度情報を聞く事ができたなと思ったら、その時にどうやって話を切り替えして、別の情報を聞きに行くのかを事前に準備しておきます。

顧客や競合についても、ざっとWebから情報収集できることを自分でメモにまとめておいて、「調べてた時に、こういう客層がターゲット層になってくるのかな?と考えていたのですけれどもどうですか?」や「この企業が競合にあたりますかね?」とうように、聞きたい内容を用意しておけば、会話の転換がスムーズになります。

この準備で質問しておきたい内容をどれだけ用意できるかでも、聞ける情報量やその質が変わってきます。

自分が欲しい情報が有るのであれば、事前に準備をしておいて、あくまで相手の話を聞きつつ、自分が聞きたい内容に話が近づいたときに、話題を切り替えるようにする事で、自分が必要な情報を聞く事ができるようになるはずです。

最後に

この本に書いてあったことの中で興味深かったのは「常に自然体で話すことが大切」という内容でした。

特にビジネスの世界ではほとんどの人がコミュニケーションに関する書籍を一度は読んでいるはずなので、オウム返しや行動のミラーリングなどを徹底してやると、「頑張ってやってるな」という印象しか受けない可能性が高いという理論です。

ただし、非言語コミュニケーションが心理学的に有効という事は周知の事実です。

なのでお客さんの前でコミュニケーションのテクニックを使うためには、自然とそのテクニックを使っているというレベルになるまで、ロープレや日々の社内のコミュニケーションなどで、トレーニングを積まないといけないなと感じました。

本書にある「聞く」技術についてもそうだと思います。

もしかしたら明日商談をする相手も、本書を読んでいる可能性があります。そうなったら、今回学んだメソッドを実践してもわざとらしく思われるだけで終わってしまう可能性があります。

トレーニングでは学びを徹底的に意識してやって、体と脳にメソッドを沁み込ませ、本番は自然体で行くのが理想だなと感じました。

口下手で失敗した覚えが多々あるので日々の生活の中でトレーニングを積んで矯正していきたいと思った次第です。頑張ります!

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