
大学生になるには
大学生になるためには、大学に入学しなくてはいけない。
そして、大学に入学するためには、いくつかのルートが用意されている。
一つは、大学の入学試験を受験して合格することだ。
多くの高校3年生は受験生となって、この入試を突破するために猛勉強する。これが一番王道のルートだろう。
もう一つは、これも入試の一種と言えるだろうが、面接を受けることだ。
大学によっては、面接のみで入学できるところもある。この場合は、それまでの成績だったり面接態度やトークスキルだったりと、筆記試験では測れない要因が重視されて合否が決定される。筆記試験が苦手な人の場合はこちらの方が向いているということもあるだろう。
最後の一つは、編入学することだ。
専門学校や短大などで勉強していて、4年制大学の途中に合流する形で入学するのが編入だが、一般的な入試とは違う試験をする場合もあり、人によっては専門的に学んできたことが面接などで有利になることもある。
挙げられる選択肢はこの三つになるが、よく選ばれるのはやはり入試を受けることだろう。つまり、大学が定めた科目を勉強し、その科目ごとの試験を突破して合格を勝ち取る方法だ。
一般的に、国立大学は5教科、私立大学は3教科を選択して入学試験を受けることになる。
僕の場合、国語(現代文+古典)・英語・日本史の3教科で私立大学を受験した。
高校3年生だった当時、僕の周囲には大学受験について詳しく教えてくれる人がおらず、受験にどんな勉強が必要なのかも夏前にインターネットで教えてもらったくらいだ。
しかし、「3教科だけ上手くこなせば合格できる」と聞いてからは、勉強は早かった。
インターネッツの教え通り、古典、英語、日本史の教材を揃え、勉強に集中した。その甲斐もあって入試に合格できたのだが、その時の勉強方法と教材を一通り記しておこう。
国語(現代文)
現代文については、ほぼノー勉強だった。というより、現代文は文章を読みとって正解を書かせようとするのだから、それはもうひたすら文章を読み続けて慣れるしかない。
強いて勉強方法を挙げるなら、ミステリ小説を読むのがいい。ミステリは文中のどこに謎のヒントが隠されているか分からない。そのため、一文一文を丁寧に読み自分の頭で結末を想像しながら読み進めることが期待される。
高校生だった僕は、東野圭吾や島田荘司、メフィスト賞関連などのミステリを読み漁っていた。オススメである。
国語(古文)
古典は、以下の4冊を使って勉強した。
荻野文子の超基礎国語塾 マドンナ古文
荻野文子の超基礎国語塾 マドンナ古文単語230
𠮷野の古典文法 スーパー暗記帖
代々木ゼミ方式 𠮷野の古文
古典はとにかく単語と活用の暗記!
しかし、言語自体は、今の僕たちが使っている日本語とそれほど変わらないので、文法が覚えられればだんだんと古典の文の読み方も分かってくるはずだ。
上に挙げた教材は、受験のために何を覚えたらいいのかが整理されて分かりやすく記述されている。
初めはガッツリではなく、どんなことが書かれているかをサラッと読んでみるといい。その上で、「言葉の活用」や「敬語」など、よく出題されるポイントを一つずつしっかり抑えていけば、十分受験に通用する読解力が身につくことだろう。
英語
英語で一番役立った勉強法、それは速読英単語をマスターすることだ。
速読英単語は、主に英語の長文とその文で使われている単語の説明で構成されている。多くの人は長文をスルーして英単語を覚えていきそうなものだが、僕はこのテキストで、まず長文を音読できるようにするところから始めた。
「長文の音読なんて意味ない!」と思うだろうか?
しかし、リスニングCDを使い文章に合わせて音読してみると、かなり難しいのが分かるはずだ。
英文のスピードが速い。なので、一語一語を丁寧に目で追いかける暇はない。なので、英語のフレーズを歌の練習のように何度も何度も口ずさむようになるだろう。
日本語訳は早い段階で読んでしまっていい。その上で、英文を口ずさんでいる時に「今読んでいるのはこういう意味の場所だな」とざっくり分かる程度の音読レベルを目指そう。そうしているうちに、英語のフレーズで使われている単語もその使い方もワンセットで覚えることができる。
例えば、文中の“superficial knowledge of many(たくさんの表面的な知識)”なんて言葉が記憶に残れば、こうした形容詞や名詞がどのように使われるのかが自然に覚えられるのである。
文法についても速読英単語の長文でカバーできるところはあるが、できれば学校の勉強やインターネットなどでも受験で抑えるべき文法などは知っておくといい。
ちなみに僕の場合は、代々木ゼミナールの西きょうじ先生の『ポレポレ英文読解プロセス50』を買い、インターネットの講義を視聴して勉強した。
僕は学校の授業で英語もそれなりに読めると思っていたけれども、受験の長文になると全然読めないということにまず気がついた。
そこでこの『ポレポレ英文読解』の講義を受けたのだが、学校では教わらなかった「長文読解では主語をまず探せ」なんていうテクニックを初めて聞いた時は目から鱗だったのを覚えている。
他にも、"chicken, beef, poak and fish”などのように、複数の単語をまとめる時はカンマで区切って最後にアンドが来るなんてことも、この講義の中で初めて知ったのである。
長文読解は丸暗記するものではないが、受験に必要なテクニックを一通り習得できるという点では良い教材だと言える。
日本史
僕は3教科目に日本史を選択したが、使った教材は以下の通りである。
超速! 最新 日本史の流れ
超速! 最新 日本近現代史の流れ
日本史B 頻出問題演習(上)
日本史B 頻出問題演習(下)
まず、歴史の教科はもうとにかく問題と答えを暗記するしかない。
しかし、闇雲に丸暗記したところで記憶には残りづらいし、覚えるのも苦痛だ。
そこで、まずはざっくりと「日本で何が起きたのか」という流れを知っておくのがいいだろう。
『超速! 最新 日本史の流れ』が役に立つのは、これからどんなことを覚えていくのかがなんとなく分かるし、ここで完璧に覚える必要もないからだ。「何年に何が起きた」よりも「こういうことがあったから、こんなことが起きた」という因果関係が分かると、その後の勉強もとても飲み込みやすくなる。
あっという間に読めるので、これから日本史の勉強を始めるぞという最初のステップで読むのがオススメだ。
そして、問題集である。
僕は『日本史B 頻出問題演習』で、解答欄にオレンジ色の細いペンで正答を書き込み、赤いフィルムで答えを隠して覚えるという昔ながらの暗記法を徹底した。
これについては、もう繰り返し繰り返し何度も頭に叩き込み、文字を見た瞬間に回答がパッと出てくるようにすることだ。僕は少なくとも、夏休みにこれで歴史をマスターし、休み明けにあったマークシート式の模試ではほぼ満点に近い点数を取ることができた。
悔しかったのは、実際の入試では答えを漢字で書かせることもあったことだ。
「奈良の大仏の名称は何か?」
僕はこの答えを「廬舎那仏(るしゃなぶつ)」と知っていたのであるが、「那」の漢字だけ書けず「剔」のような漢字で回答してしまった。
正解を知っていただけに惜しいことをしたと思う。
なので、暗記が仕上がってきて余裕があるようなら漢字での回答もできるようにしておけばより安心だろう。
僕が取り組んだ3教科の勉強は、とりあえずこのようなものだ。
全部が完璧ではないにしろ、この勉強方法でそれなりに良い大学に行けたと胸を張って言えるし、当時のままではなくともそこで得た知識はそれ以後の人生でもかなり役に立っている。
今はインターネットで知識も幅広く得られるので、これよりももっといいサンプルがあるかもしれない。自分に合いそうな勉強方法もきっと見つかるはずだ。
勉強方法に限らず、まずは色々な選択肢を模索してみるといいだろう。