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悪い大統領 file.01

2024年11月5日にアメリカ合衆国大統領選挙が行われ、ドナルド・トランプが再び大統領に就任することになった。

リベラル系の人々は「こんな悪人が大統領になるなんて」とあちこちで悲観している様子が観測されているのだけれど、実際、アメリカの大統領なんてほとんどが悪人ばかりなのである。ノーベル平和賞を受賞したバラク・オバマですら、よくよく知ると世間で言われていた聖人のようなイメージとはかけ離れていることが分かるはずだ。
別に今回だけ取り立てて大袈裟に嘆くこともない。

例えば、リチャード・ニクソン大統領。

リチャード・ニクソン(在任:1969年1月20日 – 1974年8月9日)

ニクソン大統領は、有名なウォーターゲート事件に関わったことで知られている。
1972年のウォーターゲート事件は、あるグループが選挙前の民主党(ニクソンの敵対陣営)の本部ビルに盗聴器を仕掛けようとして逮捕され、そのグループの背後にニクソン再選委員会やホワイトハウスが関与していた、という事件だ。

事件自体も、犯行グループが元CIAだったり元FBIだったり、そのグループの活動資金がニクソン再選委員会から拠出されていたり、グループ逮捕後の捜査をホワイトハウスが中心となって捜査妨害していたなど、なかなか闇深い内容だ。

当時はすでに初代FBI長官として名高いジョン・エドガー・フーバーは亡くなっていたけれども、フーバーは有名人から大統領まで誰彼構わず盗聴してスキャンダルを握り、何かあったらその暴露をチラつかせて脅迫するなどの下劣な所業を行っていた。
そのフーバーより多少マシとはいえ、政権がその力で特定勢力を盗聴したり、不利な事件は裏から妨害をするなど到底許されないことである。

結局、このウォーターゲート事件の全貌が明るみになるにつれ、国民からの非難は高まり、ニクソンは辞任に追い込まれた。

しかし、その後もこれ以上に悪い大統領はまだまだ登場する。
建国から250年程度でも、アメリカの歴史は十分重いのだ。

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