愛知医科大学2020年数学解答解説


2020年度入試数学総評

小問も昨年より簡単になり、数学Ⅲからの出題も少なく、解きやすかったのではないだろうか。大問Ⅲも数えることで処理ができるので、差が生まれたのは大問Ⅳだけではないだろうか。
それだけに小問での計算ミスや、基本事項が思い出せなかったということ減点が大きく影響する。高得点をとった受験生も多いのではないだろうか。この問題では80%以上得点しておきたい。

大問別の難易度・分析

愛知医科大学公開イベント配布資料編集済(ドラッグされました)

出題傾向・特徴

①出題形式について
試験時間は80分間で150点満点である。
2018年、2019年は大問3問であったが、2020年は大問4問に戻った出題範囲は「出題範囲は「数学I・Ⅱ・Ⅲ・A・B(数列、ベクトル)」である。
B4の計算用紙1枚、問題・答案用紙3枚が配布される。
大問1は答えのみを記入する小問集合になり、これが4年続いている。2017年から2019年の3年間は小問の中で1,2問に分かれていたが、2020年は小問間で繋がりのない、バラバラな小問となった。
大問Ⅱ以降は過程も書かせる記述式が2〜3題出題されている。
答案用紙と問題用紙がくっついているために、問題は持ち帰れない。

②時間・頻出分野について
試験時間は2015年までは大問5問の100分間であったが、2016年からは大問4問の80分間になった。大問1つに対して20分程度という計算であろう。
試験時間に対しての分量は適切であると言えるが、観察力と思考力が要求されるため、時間内に全てを解くには時間が足りないと感じる受験生は多いのではないだろうか。
2016年度以降、誘導がついているものが多く、解きやすくなっている。頻出分野は数列、場合の数・確率、微分積分であるが、全範囲から幅広く出題されており、誘導問題も多い。
これまでに標準的な問題集や参考書に載っている典型問題も多く出題されている。そういった問題で、きちんと得点できる力が必要である。
単なる解法の丸暗記では対応できないような基礎的な理解の上に思考力・観察力を要する良問が多く出題されている。具眼考究の学是にふさわしく、「よくみる」ことなしでは解きにくいものとなっている。
2020年入試でも数学Ⅲからの出題が非常に少なかった。近2年からは数学Ⅲからの出題が減少したことが読み取れる。数学Ⅲまで十分学習ができない現役生への救済措置とも見られるが、もちろん数学Ⅲからの出題もあるので、典型問題の解法はきちんと理解しておきたい。

③試験の順番について
多くの大学で英語、数学、理科の順番となっているが、愛知医科大学は理科、数学、英語という順番となっている。
また、試験の日程も2021年1月19日(火)と、共通テストから中1日しかない点も注意が必要である。(令和3年度大学入学共通テストは1月16日、17日)
共通テストや、一教科目である理科で計画通りに進められなかった場合に備えて、一教科ごとに気持ちを切り替えられるようにしたい。

④過去10年の難易度について
2009〜2013年度は誘導が少なく、解きにくいものが目立つ。特に体積は難しい。
2014年度で一気に易化した。この年は参考書にあるような有名問題のオンパレードである。過去問演習を始めるならば、この年から始めるのがオススメである。
2015年度でやや難化したが、解くべき問題とそうでないものが自明である。入試で必要となる問題の選定する目の練習にもいいのではなかろうか。
2016年以降、ババ抜きの証明問題(2017年度大問Ⅲ)や空間での反転(2018年度大問Ⅲ)など、手を付けにくいものもあるが、2017年からは小問集合がついたこともあり、誘導を考慮すると、全体的に解きやすくなっていると言える。
ここ5年は易しめであるが、年度によって難易度に大きな差があり、注意が必要である。
今年度、難化することも大いに考えられる。



2020年数学過去問

画像2

画像3

画像4

画像5


解答解説

画像6

画像7

画像8

画像9

画像10

画像11

画像12

画像13

画像14

画像15

画像16

夏期講習も終わり、本格的に推薦入試やAO入試を考えてくる時期かと思います。今年の愛知医科大学は例年よりも1週間遅れた日程となっております。
この一週間でさらに成長して、合格の可能性を1%でも伸ばすか。
この資料が少しでも受験生のお役に立てれば幸いです。

ブログでは教育をテーマに記事を投稿しています。
noteよりも真面目な文章ですので、こちらも応援をよろしくお願いします。

また、数学の質問や探求の授業について、勉強方法、学習相談なども無料で受け付けておりますので、気軽にLINEしてくださーい^ ^

Education Salon OSAKAホームページ


Education Salon OSAKAのnoteです。 大阪で初の「探求」の授業を行う数学専門塾です。 毎朝、配信しているLINEのバックナンバーや受験に関する記事、数学に関する記事を投稿しています。 ぜひサポートお願いします。