🇬🇧における医療制度の考え方／健康診断は気持ち悪い？

こんにちは、Yuriです。

色々なことがひと段落したので、noteの更新を定期的にやっていければと思います。

さて、今日はイギリスの医療制度について書いていこうと思います。

中学以来の友達が日本で医者をしているのですが、その子のInstaの投稿をみたことがキッカケで今回の記事を書いています。

その友達が言うには、日本の医療制度では、儲かる部門に医者が集中して、命に関わる部門の医者が逼迫しているというものでした。

私の個人的な見え方としては、
日本の医療制度は本当に大したもので、３割負担で、予約もすぐに取れて、レベルも高いと三拍子揃っていると思っていましたが、それは、私たちのしらない所で自己犠牲をしている、医者の方々のおかげだったのかと色々考えさせられました。

本題に入る前にざっくりと、イギリスの医療制度ってどんなものか簡単に説明をしようと思います。

イギリスにおいては、病院などはNHSという国管轄の範囲内であれば、無料です。

なんですが、「あ、風邪ひいたので病院行こう」と日本の感覚でNHSの病院にはいけません。
GPというかかりつけ医にまずは登録して、その後に初めて診察してもらえます。さらにGPの登録には2週間程度かかるので、風邪を引く前、ないし引っ越してすぐに登録しないと何かあった時に、そもそも無料ではみてもらえません。
さらに、NHSで受診できる病院は多くの人が予約するため、そもそも予約が取れないケースがほとんどです。友達は2年待ちですと言われて、白目を向いていました。

そのため、無料で受診してもらえる可能性は限りなく低いです。また、受診できたとしても、何事においても痛み止め飲んどけと言われます。

なので、プライベートの病院もあります。
ただ、プライベートの医療保険に入っていない場合、バカ高い値段が取られることとなります。

ポテチを食べていたら、歯が欠けた私は、急いで緊急で診てもらえる病院を探しました。
夜だったため、Emergencyの歯医者を見つけて電話をしたら、アポイントメントの予約だけで£250（5万円）と言われ、驚愕した後、翌日みてもらえる歯医者を予約しました。そこも、予約と応急処置だけで£350（7万円）かかりました。その時の私はプライペートの医療保険に入っていなかったので、全額負担となりました。

この日ばかりは、
日本に帰りたいと強く思いました。

そんなイギリスの医療制度なのですが、
彼と彼のママと日本の健康診断について
話していた際に面白いなと思ったことがあったので、今日はこちらを書いていこうと思います。

毎度のことですが、あくまで、私が感じた価値観のため、一意見として捉えてもらえると嬉しいです。

とある日、3人でPubで飲んでいた際に、イギリスの医療制度の話になりました。
私は開口一番に、「日本には健康診断というものがあり、1年に一回定期検診ができるので良い。会社がお金を出してくれるし一石二鳥だと思う」と伝えると、思ってもいなかった回答が飛んできた。

「気持ち悪いんだよね、健康診断って」

私は一瞬耳を疑った、、。
え？？今なんておっしゃいました？と目が点になったのだ。

彼は日本に住んでいたこともあったので、この健康診断はよく理解している。
その上で「気持ち悪い」なんてよく言えたもんだと私は驚いた。

おそらく3秒くらいは硬直していたと思う。

彼が言うには、会社がお金を払って従業員の健康を管理する（管理はしてないと思うが）という
考え方がこちらの会社と従業員という構図から考えると変であるというのだ。
学校と生徒みたいな印象を受けると言っていた。
なぜ、会社に自分の健康状態を把握されないといけないのか（把握していないと思うが）
そういったところも納得できないとのことだ。

彼は続けてこう言った。

「健康とか病気とかってプライベートなことだから、会社に管理されるものではないし、会社が従業員に健康診断を義務付けていることが気に食わない」と。

毎年訪れる健康診断は、仕事をしなくていい口実だけでなく、健康診断後にはお菓子とアイスが食べ放題であったため、ウキウキしながら一大イベントとして健康診断に行っていた私からすると信じがたい考え方であった。

私は、どうしても、この健康診断がいいものであるという印象を植え付けたく、続けて応戦をした。

「けどさ、病気の早期発見ができれば、治療もできるし、さらに健康診断は大きな病気の予防にもなるんだよ！
だから日本人は長生きなのかもしれない」
と、イギリス勢にストレートパンチを出した。

すると、左ななめ横から、思いもしないカーブパンチがやってきた。

「予防なんてする必要ある？病気になったらなったじゃない？」

。。。。？！？！

今なんておっしゃいました？と私は唖然とした。

もちろん、私からすると、病気の予防や早期発見は重要だと思っている。しかし、彼らが言うには、予防のために病院に行ったら病院がさらに逼迫して大変なことになる。病気の症状が出ていない場合は、病院にはいくなというのだ。

たしかに、イギリスにいる日本人の友達と話した際に、日本のお医者さんには癌家系なので、定期検診してくださいと言われたそうだが、イギリスで定期検診を申し込もうとしたら40歳以上でないと、明確に症状がない限り診察できないと断られたそうだ。

なんだと。。。？
病気になってから治療するだと。。。？

さらにイギリス勢は、続けてこう言ったのだ。

「そもそも、日本で予防医療が発展しているのも、医者が儲けたいだけなんじゃないの？」

もうその頃には、私は立ち上がることができず、あからさまににKO！といった所であった。

そんなこと考えたことがなかったし、
医者の儲けのためだとは微塵にも思ったことがなかった。どちらが正しいかなんて私はわからないが、日本がそんな悪どいことをするはずがないと、日本人ながら思ってしまう自分もいた。

イギリスの病院が逼迫しているのは、
患者の数というより、医者と看護師の数が足りないのでは？と思っていたが、そこのパンチを喰らわせる力は残っていなかった。

その日の夜、寝る前にPubでの会話を思い出し、国が違えば考え方もえらく違うんだなぁと思った。

どちらがいいかと聞かれたら私は、日本だとは思うが、自分が病気だった際に、病気だと知りながら、治療をして生きるよりは、明石家さんまが言うように、病気と知らずに死んでいきたいと思う。

なぜならば、病気とともに生きるのは、想像する50倍くらい辛いのだということを親戚から聞いていたし、その親戚を見てきたからこそ、自分が強く気丈にいることができないと思うからだ。

病気になり、辛い治療をして80歳まで生きるか、
病気と気づかず40歳で死ぬか。。。
いやー４０歳では死にたくないなと思った私は、まだ明石家さんまになれていない気がする。

イギリスの医療制度の欠陥は山ほどある。
無料であるがゆえに、高齢者の溜まり場と化していたり、医者の給与が低いことからイギリスでは医者にならずオーストラリアなどに医者が流れてしまい、医者不足。

医療の無償化というのはキラキラして見えたが
意外にも沢山落とし穴はあるようだ。

国が違えば考え方が違うというがここまで違うとは驚いた。
また新しい発見に出会えた夜でした。

それでは、また！
Yuri