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映画の記録:兵役拒否

アジアンドキュメンタリーの兵役拒否を観ました。

イスラエルは皆徴兵制です。数年前までユダヤ教超正統派は免除されていたが今では徴兵対象となり、それに対して正統派の人たちは反発している。

この映画は兵役の日が迫ったアタルヤを追ったドキュメンタリーだ。
彼女は軍人家族で育つが、イスラエルの占領政策について疑問を持ち、自分の目で見て不平等であることを確信し、兵役を拒否し刑務所に入る。

イスラエル世界で兵役を拒否することは並大抵ではない。差別はもちろん、大学へ行くのも困難になる。家族内の対立も生むし、友達も無くすだろう。それでも自分の良心に従って行動するアタルヤ18歳の勇気は想像を絶する覚悟がある。

パレスチナに通うわたしとしては、パレスチナ人の友達はもちろん多い、だけれどもイスラエル人(ユダヤ人)の友達もいる。
占領に反対している人もいる。テルアビブのアラブ地区ヤッファで知り合ったユダヤ人の女友達はパレスチナ人、イスラエルのアラブ人と対話を持つために足繁くアラブ地区に通い友達を作り、活動していた。しかし、そんなことばかりを言っていてはキャリアアップが難しくなる、だから彼女はイスラエルを捨てた。それが現実だ。そんな現実を見ていたわたしはイスラエル国内でアタルヤが国家と逆行する自分の意見を発することの偉大さ、しかも軍人家庭で育ち、きっと大好きであろうおじいちゃんに”stupid"と言われてしまう悲しさ・・・測り切れない。

わたしの友人の娘さんも兵役拒否した。アタルヤとはまた別の理由で免除となった。宗教的な理由だった。

宗教上の理由で暴力的な行為をすることができません、なので兵役の免除を願いします。

あなたはどう感じますか?

彼女とわたしの友人である彼女の母親は親戚中からのバッシング、大学入学問題(奨学金が受けられない)、孤独に苛まれた・・・

この作品でフューチャーされていたアタルヤは110日間、刑務所に入った。母との電話、父との電話、兄や仲間たちのデモ、パレスチナ人の兄と自称するオサマの手紙。
釈放後の家族との時間、それぞれの思い。

占領はよくない、占領下における暴力行為は暴力を生む。

この話をすると、他国が口を挟むことじゃない、と言われたことがある。
わたしは他国民だからこそ、占領や入植という暴力行為について口を出し平和的な道を一緒に模索する必要性を感じている。

意見が合わなくたっていいし、嫌い合っていたっていい。
だけど理不尽な暴力による支配はあってはならない。

釈放後、アタルヤのお母さんも少しずつ変わった。娘の行為を誇りに思っている。そして娘をサポートすることで占領への反対を示すようになった。
友人も占領がどんなものなのか?無知であったことを知った。知った気になっていたと言う。

エルサレムの首相公邸前のネタニヤフ辞任要求crime minister デモは右派も左派も集まっている。
ここで右派や右派寄りの中道の人たちは左派のプラカードによって占領の現実の一端を知る。自国では何が起きているのか?
普通に生活をしていたら占領をしていること、入植地を拡大していること、パレスチナの存在を忘れてしまう、イスラエル社会。

愛の反対は無関心

この話は遠い国の気の毒な話ではない。私たちは十分に加担している。政治的な国家的な話をすれば実際に加担していると言えるし、政治に興味がなくたって軍事利用されている日本製品・技術がある。十分に関わっていると言える。

それでも関係ないって思っている人がいたら、わたしの友達の家は入植のために壊されました。そう、あなたが今目にしている記事を書いているわたしの大切な友達の家。

あなたがサポートしてくれた分を同じだけ上乗せしてパレスチナのジェニン難民キャンプで使います!!もしジェニンをサポートしたいと思ってくださった方はこちらへ< https://thefreedomtheatre.org/donate/ >