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遠くて近いパレスチナ

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2017年12月8日大阪経済法科大学での授業の講義録です。
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#海外

講義録 遠くて近いパレスチナ9

<質疑応答>
Q:具体的にパレスチナに行くには?

A:日本からだと飛行機でテルアビブを目指します。ソウルや香港経由が行きやすいです。

Q:主食は何ですか?

A:お米とパンですが、お米は長粒米です。パンもシンプルな薄いパンが多いです。長粒米は日本のうるち米と違ってサラサラしているので、炊き込みご飯にしたり、肉汁が多いものや煮込みなどを一緒に食べることが多いです。あと忘れてはいけないのはヨーグル

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講義録 遠くて近いパレスチナ8

パレスチナは今までお話しした西岸地区ともう1つガザ地区とあります。このガザ地区は地中海沿岸にあり写真で見るととても海が綺麗な街です。しかし、隔離壁に囲まれた空の見える監獄とも呼ばれています。イスラエル側、エジプト側双方のゲートは閉じられ中の人は外に出ることはできません。電気は1日4時間の供給と言われていますが実際は2時間程度ということを聞いています。一番の問題は水の汚染です。浄化水槽はイスラエルの

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講義録 遠くて近いパレスチナ7

イエスキリスト生誕の地、ベツレヘムを歩きます。もちろん生誕教会は工事中とはいえ、素晴らし居場所ですけどここでは壁について触れてみます。ベルリンの壁が東西冷戦の象徴でしたけど、その崩壊以降世界の壁は増えています。ここベツレヘムの壁は高さ8メートルです。ベルリンの壁が2メートル。初めてベルリンの壁を見た時はその低さに驚きベツレヘムではその圧迫感に気が滅入った。車一台が通れる程度の道そこに立ちはだかる高

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講義録 遠くて近いパレスチナ6

パレスチナが占領地であるということは旅をしているだけでも感じる場面があります。チェックポイントと呼ばれる検問所を通過するときです。ベツレヘムからエルサレムに向かうバスに乗った時のことです。検問所に着くと皆無言でバスを降り列をなします。銃を携えたソルジャーが2人が近づいてきてバスに乗り込みパレスチナ人以外の乗客をチェックする。下車し列をなしているパレスチナ人のIDカードと許可証をチェックします。パレ

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講義録 遠くて近いパレスチナ5

実際のパレスチナ人、イスラエル人(ユダヤ人)が感じている日本、日本人のイメージについてインタビューしました。
まずはパレスチナ人のムハンマドくんの意見です。
ガザ出身で2015年にベルギーのブリュッセルで難民申請して現在ベルギーのアントワープに住んでいる30歳男性です。

日本は美しくて礼儀正しい国。本当に大好き。行ってみたい。そしてパレスチナを支援してくれていて感謝している。
広島、長崎は第二次

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講義録 遠くて近いパレスチナ4

パレスチナのことを話すのに避けて通れないのはもちろん宗教もありますけど、近現代の外交の歴史が今に繋がっています。まずは近代の話から。ここが現在あるパレスチナ問題の一番の発端だと思います。1917年バルフォア宣言とシオニスト運動。この少し前が第一次世界大戦で映画にもなったアラビアンロレンスの話です。大英帝国がオスマン帝国下にあるアラブ人たちに国家としての独立を約束と引き換えにマンパワーを得るというこ

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講義録 遠くて近いパレスチナ3

パレスチナはという単語はよく耳にするかもしれませんが、自治区とか自治政府とか、パレスチナ人とか、一体国なのか?自治体なのか?なんなんでしょう。国連本部にはパレスチナの国旗も掲揚されています。
今の時点では国家樹立を目指していて、国連ではオブザーバー国家とされていいます。占領されている国なので、主権がない部分もありますし。
大使館を見ても感じる部分があると思います。
パレスチナの大使館は実際は対パレ

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