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聖地パレスチナ 一人散歩

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聖地パレスチナ一人歩き。非日常にあふれた旅の記録
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2016年6月の記事一覧

夜のベツレヘム

イエスキリストの生誕の地であるベツレヘムの夜。生誕教会もその向かいにあるモスクもイルミネーションで光浮き立っている。

さあ、行こうか。

ジョージショップの前に来ると、車を停止させたジョージが待っていた。

白いセダンに乗り込み、暗くてまったくどこを走っているのか分からない道を行く。

まずついた場所は一見するとただの渋滞を眺めているだけのように見えた。

ほら、見て。

え?

ナンバープレー

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イエスキリスト生誕の地

坂の登りそして急勾配を下り、そこを右に曲がるとピースホステルがある。23階建のその建物は宿主の住居とゲストハウスが一体となった大きな家だ。話好きのお父さんと経営者の息子、そしてお母さんがいる。荷物を宿に置き歩きに行く。まずはイエスキリストの生まれた場所である世界遺産降誕教会に向かおう。

時刻は午後3時をすぎていた。しかし雰囲気は明るく活気がある。この地の世界遺産はすべてヨルダンの管轄となる。パレ

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ベツレヘムに向かう

ベツレヘムに向かう。ダマスカスゲート前から発車するアラブバスに乗る。ベツレヘム行きは2つあり、チェックポイント行きとセントラル行きとある。わたしはセントラル行きを選びバスに乗り込む。一応出発時刻を確認してバスに乗ったのだが本当にそれが決まっているのか、いないのか一向に出発しない。運転手に何時出発なのか聞いてみると、人がまだ乗れるからもう少し待って、と。

そうだ、ここは日本じゃないんだからのんびり

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次の目的地は

で、エルサレムにはいつまでいるの?

明日ベツレヘムに行こうと思ってるの。それからヘブロンに行って、本当はガザにも行きたいんだけど。

そう、それはいいわ。ヘブロンもとても素敵なところよ。ガザもとっても美しいけど今は入れないわ、残念だけど。

Dylaありがとう。色々連れて行ってくれて、今日見た物もこれから行くベツレヘム、ヘブロンのことも必ず日本で伝えるね、わたしが見たままを。

パレスチナに来て

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今を大切にすること

さあ、どうぞ。
翡翠色が美しいアラブのレモネード、この緑色はチョップされたミントからきている。そしてグリルされたナスはフレッシュなオリーブオイルが滲み出ていてジューシーだ。それを挟むパンは小麦の味がしっかりとしていて噛みごたえもあり、わたしの好みにぴったりなものだった。

Dylaの注文したサラダも美味しそう。大きなボールにいっぱい色とりどりのお野菜にグリルされたチキン。味付けはフレッシュなオリー

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風の抜ける場所で

さあ、ランチに行きましょう。とっておきの場所があるのよ。

そう言ってDylaはわたしを促した。

わたし・とっておきって?

Dyla・着いてのお楽しみよ。

と、いたずらっ子のように笑った。

わたしたちは車に乗り、ダマスカスゲートの前を通過し曲がりくねった道を通り少し高台へ向かっていった。

車を止め眼下にはエルサレムオールドシティが見える。砂埃で少し蜂蜜色した木々や遠くに見えるオリーブ山。

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パレスチナ博物館

向かった先は学校であり博物館であった。この学校はプライベートスクールながら誰もが通える学校で貧しくてもどんな宗教であろうと分け隔てのない学校だ。

学校の横をすり抜け、博物館に入る。この博物館はエルサレムで唯一のパレスチナ博物館だ。白亜の邸宅のような装いだ。

Dyla・さあ、入りましょう。案内するわ。

ドアを開ける。

天井高くから、パレスチナの民族衣装が吊るし展示されている。

サラームアレ

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一大観光地エルサレムにあるスラム

もう一つのゲートを降りる。そこから左の細い道へと進む。普段見慣れない外国人であるわたしを見かけると4、5歳の子供たちが笑顔で駆け寄ってくる。カメラ・カメラと言っている。写真を撮って欲しいようだ。日本だと勝手によその子の写真を撮ると犯罪になりかねないのでDylaに聞いてみることにした。

わたし・写真撮ってもいいのかな?

Dyla・もちろんよ、撮ってあげて。

子供たちはそれぞれにモデルばりのポー

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