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創立6年の音声スタートアップでの1年間。Voicyのエンジニア (SRE) になって1年経つらしいので振り返る

どうも、千田です。社内ではせんちゃんと呼ばれています。TwitterやPodcastで仲良くしてくれている皆さんにもあだ名で呼んでもらっています。

そろそろ入社して1年になるようなので、この1年間を振り返りたいと思います。僕は2021年12月1日にVoicyに入社しました。内定時の職種はバックエンドエンジニアです。

入社まで

入社までの経緯や、入社直後に思っていたことは以下の記事に書いているので、気が向いた方は読んでみてください。ざっくり要約すると、学生時代に音声に関することを勉強していたので、元々音声に興味がありました。その後、新卒フルリモート一人暮らしで孤独を感じていた中で、ClubhouseブームをきっかけにVoicyのヘビーリスナーになり、なんだかんだあってVoicyに入社します。

バックエンドエンジニアとして入社してすぐにしたこと

ここからは入社後の話を書いていきます。僕が入社した当初のバックエンドエンジニアチームは、二つのグループに分かれていました。主にAPIの機能開発を担当するAppチームと、主に非機能 (速度改善、バグ対応等) やインフラを担当するPlatformチームです。自分はPlatform側に属していました。

開発タスク

入社直後に最初に担当したタスクは、APIのログから見つかった不具合の修正です。DBがデッドロックしている箇所があったので、Goroutineを使ってその状況を再現し、修正対応を行いました。Voicyでは、バックエンドにGoを使用しています。

入社3日で生放送

メインの業務以外ですと、入社して3日目にVoicyのエンジニアメンバーが運営する音声配信チャンネル「voi-chord (ぼいこーど) 」の生放送に出演したり、

入社1週間でテックブログ執筆

入社して1週間で、Voicy Advent Calender 2021に「音声 x AI」の技術を紹介する記事を書いたり、

入社1か月で技術書典に出展

年が明けて2022年1月には、技術書典12に出展しました。
技術書典は、技術書版のコミケのようなもので、たくさんの技術者が技術書の同人誌を作成して販売するイベントです。

このときに書いた本の中身をこちらで一部公開しています。

また、飲み会にもたくさん参加しましたw

入社直後の約2か月間は、新しいことがたくさんあり、目の前に現れるいろいろなイベントに片っ端から首を突っ込んでいったような感覚だったと記憶しています。

チーム再編、そしてSREに

2022年2月、SREになります。

このタイミングでVoicyの開発チームに大きな組織形態の変化がありました。
それまでは「iOSエンジニアチーム」「Androidエンジニアチーム」「バックエンドエンジニアチーム」「フロントエンドエンジニアチーム」というように、職能ごとにチームが分かれていました。
この再編を機に、職能横断で機能開発に特化したFeatureチーム2つと、それらを支えるいくつかのCrossingチームという構成に変わりました。
詳しくは、Voicy Advent Calender 2022のこちらの記事をご覧ください。エンジニアリングマネージャーのやまげんさんによる開発組織紹介の記事です。厳密には2月に完全に今の状態になったわけではありませんが、基本的な組織設計の方針はこのときに定まりました。

この中で、自分は SRE/Platform (PF) チームの一員になります。

SREはSite Reliability Engineeringの略で、サービスの信頼性をコントロールすることがミッションです。

具体的な担当業務としては、Voicyで使用しているAWSやKubernetesのリソースの管理、Voicyのサービスに不具合が起きていないかを監視する仕組みを整えること、他のエンジニアが開発しやすいようにCI/CDやGitOpsの仕組みを構築することなどです。また、機能開発を行うチームとコミュニケーションをとり、作った仕組みやルールを適切に運用してもらうことも含みます。

Platformの部分は、基盤システムの開発・運用を行うことを意味しています。Voicyにおける基盤システムとは、音声処理基盤や、通知配信の基盤等を指します。再生アプリや収録アプリといった特定のアプリケーションに閉じず、複数のサービスから横断的に使用されるシステムです。

SREになった直後の僕は、インフラの知識もほとんどなく、何もできない… という状態でした。ポジティブに言えば、全てが学びでした。てんやわんやでした。

日々、Terraformを使ったAWSリソース管理について学んだり、Datadogの使い方を覚えながら監視業務をできるようになっていったりしました。

社内で輪読会を通した勉強も行いました。読んだ本のひとつに、『Kubernetes完全ガイド』があります。Kubernetesについて網羅的に学びたいときにおすすめの書籍です。
以下は、チームで行った輪読会に関する記事です。

通知基盤の開発

2022年、最も時間をかけて取り組んでいたのが、通知基盤の開発です。

Voicyでは、パーソナリティが放送を更新したときなど、複数のユースケースでユーザー向けにプッシュ通知を送信しています。しかしながら、放送更新の通知は収録アプリのAPIに、リスナーによるコメントの通知は再生アプリのAPIに、Voicyから送る公式のお知らせは社内管理システムに実装されているなど、通知に関するロジックがいろいろな箇所に点在していました。今後、聴取実績に基づく通知など、異なる種類の通知を柔軟に実装していきたいと考えている中で、これは開発の難易度が高い状態でした。

そこで本プロジェクトは、既存の通知配信のロジックを通知基盤という形で一箇所に集約し、シンプルな状態にすることを目的に始まりました。

AWSのLambda, SQS, DynamoDB, SNS等の技術を使用し、サーバーレスをフルに活用したアーキテクチャとしたのですが、このプロジェクトに着手する前の段階ではこれらに関する知識もなく、チームメンバーに助けられながら設計・実装を行いました。このときに得た知識の一部は技術記事にまとめています。

通知基盤は当初3か月程度で最初のリリースを行う想定でしたが、最終的に半年以上かかる難産なプロダクトとなってしまいました。自分の知識・経験不足による技術的難易度もさることながら、通知基盤を利用した新機能の実装を控えていた他チームとのコミュニケーション面においても、自分の課題を実感しました。

結果としてこのプロジェクトから、進捗が芳しくないときにどう対応すればよいか、他チームとどうコニュニケーションをとっていけばよいかなど、技術以外の学びも多くありました。他のメンバーに迷惑もたくさんかけましたが、いろいろな面から成長できたプロジェクトだったと思います。

開発外の活動

音声配信 voi-chord

先述の通り、Voicyのエンジニアチームでは「voi-chord (ぼいこーど) 」というVoicyチャンネルで音声配信を行なっています。

僕が入社した頃は、エンジニアメンバーの中で話したいことができた人が放送を更新する運用になっており、放送頻度もまばらだったのですが、2022年2月の組織再編時に、voi-chordの運営も組織的に行われるようになりました。

エンジニアメンバーが自社プロダクトを使ってプロダクトのことやユーザーの気持ちを理解することを目的にチャンネル運営を始めました。いわゆるドッグフーディングという活動です。チャンネルの運営方針を決め、担当曜日を決め、毎週聴いていただいた人数を確認しながら放送を工夫していきました。有益な、おもしろい放送をして多くの人に聴いてもらうまでにはまだまだ先が長いなとは思いつつ、アウトプットの習慣として定着したことなど、収穫も多かったです。

入社してすぐの頃には「50回記念放送」と話していた記憶があるのですが、最近「第250回」の放送を更新しました。たくさん放送してきたなと感じます。この中で、自分が話した回はなんと70回くらいあるようです。おそろしいですね。

以下は、SREとして活動した1年間を振り返った放送です。

Go勉強会で登壇

その他にもGo勉強会で音声ファイルについて話したりしました。

技術書典にまた出展

入社から半年ちょっと経った頃、また技術書典に出展します。2022年9月に開催された技術書典13に参加しました。今年は1年間で2回参加したことになりますね。

この回は久しぶりのオフライン開催ということで、自分たちで書いた書籍を実際に紙の本として製本し、池袋サンシャインシティの特設会場で販売しました。自分の書いた本を目の前の人にほしいと言ってもらい、お金を払ってもらい、その場で手渡しするという経験はなかなかないので、嬉しかったです。

最後に

今年1年いろいろなことがありました。この記事に書いたことは、Voicyに関わることだけですが、Voicy外の活動も含めると本当にたくさんのことが起きました。

掲載したいリンクもどんどん出てきて、アウトプットをしようと意識してはいたものの、思ったよりたくさん発信していたんだなと実感します。

来年は、本業のエンジニアリングでも成果を出していきたいと思います。また、技術関連の勉強や発信も増やしていきたいです。

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〜宣伝〜

Voicy代表の緒方が『新時代の話す力』という話し方の本を出版しました!

もともと対談形式の音声コンテンツとして、緒方が話し方についてのポイントを話していたものを、書籍という形で体系的にまとめたものです。

「日本一よくしゃべる社長」と自称するだけあり、なるほどと思わされる内容も多いと思います。

僕は入社前にこの本の元となった音声コンテンツを聴き、緒方の考えていることやVoicyのビジョンに共感したことも、入社のきっかけのひとつとなっています。


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