総合教育(幅広い科目の教育)と専門職業教育

今の日本の普通科高校や大学では、幅広い科目を学習し、専門職業教育は行われていない。大学は、経済学部などでも、別に証券アナリストになるための専門教育ではないし、一般教養科目も多い。

そのため、専門的な職業知識がなく、また、意欲も低い状態で大学生は就職活動を行う。

一方で、欧米においては、大学での専攻がかなりみられる。文系ならば会計、金融、マーケティング、理系ならばコンピューターサイエンスが有利だろう。

欧米を模倣し、さらに踏み込んで、高校から職業専門教育をするべきなのだろうか?

メリットとしては、ミスマッチが減ることと、即戦力人材が多くなることだ。今は、大学で専門的なことや職業(実務)に近いことは学ばない。そのため、就職後にミスマッチが起こりやすい。日本においては、手厚いOJTや、ゼネラリスト育成のために異動が多いため、あまり問題にならなかった。しかし、ジョブ型雇用になると、問題は大きくなるだろう。

もちろん、専門職業教育にはデメリットもある。高年収や人気の職業に直結した学問分野に学生が集中して、東大京大や早慶すら、文学部などは閑古鳥となる可能性がある。しかし、文学部は決して無駄な学部ではない。今の日本のコンテンツのかなりの割合が、いわゆる「古典の模倣または応用」なのだ。NHKの光る君はもとは源氏物語だし、名探偵コナンはコナン・ドイルのシャーロック・ホームズから着想を得ている。ルパン三世はモーリス・ルブランのアルセーヌ・ルパンから着想を得ている。実際、これらコンテンツの著作者たちは、古典から学んでいるのだ。「すぐにカネになる」ことしか勉強しない大学生が増えるだろう。

まあ、ここからは個人的な見解だが、大学の数は減らすべきだと思う。ただし、そのラインは書かない。書くと必ず、荒れるからだ。大学の数は減らして、専門学校を増やすべきだと思う。高校も、都道府県のベスト5の公立進学校以外は、専門系の高校にしても良いと思う。もしくは、特進クラス40名と専門職業クラスに分けるとか。専門職業クラスでは、簿記会計・ファイナンスやマーケティング、電気電子工学、情報システムなどを集中して勉強すれば良いと思う。

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