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スラムダンクから学ぶ"GRIT やり抜く力"

"GRIT(グリット)"とは「やり抜く力」「粘り強さ」のことである。

ある日、本屋さんで平積みされていたこの本を見つけた時どうしても「お前はどうせ、なんにも長続きしない三日坊主だろ。」そう指摘された気がして、思わず手に取らずにはいられなかった。


自分がいかに「やり抜く力」がないか自覚があったからだ。


自分の欠点から目を逸らして生きてきた私に「そろそろしっかりする時なんじゃない?」と、この本が語りかけてきた気がした。



第1回目の今回、私が紹介するのは「GRIT やり抜く力」アンジェラ・ダックワース/著

2016年ダイヤモンド社から発行されたものである。


※この「WakkyのBook Report」シリーズではわたしが読了した本を個人の見解・レビューを兼ねてみなさんにご紹介するものです。


▼著者


アンジェラ・リー・ダックワース  

2013年、別名「天才賞」と呼ばれる「マッカーサー賞」を受賞。世界最難関の名門大学に次々と進学し博士号も取得するが、幼少期は親から「お前は天才じゃない」と言われて育つ。両親は中国からの移民だが「努力次第で道は開ける」と彼女に諭すことはなかったという。ペンシルベニア大学心理学教授。



▼GURIT「やり抜く力』概要


PART1.「やり抜く力」とは何か?なぜそれが重要なのか?

PART2.「やり抜く力」を内側から伸ばす

PART3.「やり抜く力」を外側から伸ばす

からなる全13章で構成されており、「人生で何を成し遂げられるかは、生まれ持った才能よりも”情熱”と”粘り強さ”によって決まる可能性が高い」と提唱している。


GRIT(グリット)とは

・生まれ持った才能・知能は関係がない
・失敗を恐れず挑戦することが重要
・長期間、継続的に粘り強い努力を要する

という考え方。

▽こちらのサイトが私よりも数倍わかりやすく解説してくれています。

https://www.kaonavi.jp/dictionary/grit/



▼「やり抜く力」を強くする4ステップ

1.〔興味〕自分のやっていることを心から楽しんでこそ「情熱」が生まれる。
あまり楽しくないと感じる部分もしっかりと認識した上で、目標達成に向け努力することに喜びや意義を感じること。
2.〔練習〕自分の弱点をはっきりと認識し、それを克服する努力を日々繰り返す。
3.〔目的〕自分の仕事は重要だと確信してこそ「情熱」が実を結ぶ。
自分の仕事は個人的に面白いと感じるだけでなく、世の中にも役立っていると認識すること。
4.〔希望〕希望は困難に立ち向かうための「粘り強さ」
最初の一歩を踏み出す時から成し遂げるまで、時に困難にぶつかった時に重要になる。

一冊を通して「やり抜く力」がいかに大切かを教えてくれる。



▼わたしがグッときたパート


「第6章「興味」を結びつける__情熱を抱き、没頭する技術」にてこんな一文があった。


“ 興味が持てるものが見つかったら、長い時間をかけて掘り下げて行くことが必要。最初に興味を持ったことの後に、何度も繰り返し、さらに興味を掻き立てられる経験をする必要がある。”


これは誰しも少なからず経験したことがあるんじゃないだろうか?


私は少々オタク気質なところがあり、何かに興味を持つと、のめり込むまでのスピードがとにかく早い方だ。

例えばYouTubeなどで「あ、このバンドいいな」と思ったらとりあえず他の曲も聴いてみるのだが、さらにその曲も気に入った場合は、過去の曲も全て網羅し、即amazonへと走るのだ。

例えそれが深夜であっても「掘る」ことに関しては余年がない。

そこから徐々にメンバーを知ったり、どんな活動をしているかチェックしたり、最終的には実際にライブにも行くのだが。


そうして、知れば知るほど好きになるという経験を積んでゆく。

何もバンドだけではなく、私の趣味は大抵こうやって熱を帯びていくことが多かったのだと本書により気づかされた。


何度も繰り返し、さらに興味を掻き立てられる経験をする


とはまさにこの事で、これは恋愛なんかにも当てはまりそうだ。

逆に言えばすこし興味をそそられても、その後もう一度興味を掻き立てられるような新たな経験なしにはのめり込めない。


そして”コレ”を、自分の人生を通してやりたい事に落とし込むことが必要だ。

時に好きなことの中に「嫌な仕事」や「やりたくないこと」があったとしても、達成したい大きな目標があればそこに向かって頑張れる。その後に見える景色の美しさを知っているからだ。

何かのきっかけで挫折しても、やり方を変えてでも再挑戦してみる。失敗してもめげずに挑戦すれば最後には成功する事を、私たちは過去の経験から覚えている。


「GRIT」いい言葉じゃないか。



▼スラムダンクから学ぶ「やり抜く力」


あのかの有名なバスケットボール漫画スラムダンクでの名言の一つにこんなものがある。


「諦めたらそこで試合終了ですよ」


漫画を知らない人も一度は聞いたことがあるセリフではないだろうか?

スポーツマンは誰よりもグリットを持っている。グリットの大切さを知っている。流川も仙道も、あの沢北でさえ天才ではない。

もちろん主人公の「天才」桜木花道だって例外ではない。


私たちは優秀なアスリートを見ると、すぐに才能があると決めつけてしまう。実際は無数の小さなスキルや行動、つまり「当たり前」の積み重ね。


と本書では語られている。バスケットの基礎・基本、地道な練習の積み重ねで強くなるのだ。例えキラリと光るセンスの持ち主が現れたとしても、いずれセンスだけでは乗り越えられない壁にぶち当たる事を私たちは知っている。

始めから完璧な"先天的天才"など存在しないのだ。


また、こんな言葉がある。



負けたことがあるというのが_いつか大きな財産になる



「負けたことがある」というのがいつか大きな財産になる


これは王者・山王工業高校が、主人公のチームである湘北高校に敗北した後、堂本監督が選手たちにかけた言葉だ。

無敗の王者たちが無名の弱小チームに負けたのだから、それはこの上なく悔しく辛い経験であっただろう。

だが本書では「死ぬほど辛い経験は人を強くする。」というニーチェの言葉を紹介している。この最大の挫折こそが人を強くするというのだ。そう、諦めずに努力をすれば、いつか最大の目標に辿り着けると。

そういう意味でも、湘北高校が山王工業に勝てたのは諦めなかったからだと納得がいく。




もちろんただ「頑張る」だけではダメだということも本書には書かれている。目標達成への努力の仕方、また自分がどの程度「やり抜く力」を持っているかのチェック方法なども紹介されているから是非手にとってほしい。

この「GRIT」を読んでつい、あの熱い男たちの戦いを思い出してしまった。



▼あわせて見てほしいTED TALKS


実は著者のアンジェラによるTEDもあるのであわせて見てほしい。

ここでは簡潔に「GRIT」について述べている。



とても綺麗で聡明な女性なのが見て取れる。あぁ、いつか私もこんな自立した大人の女性になりたいものだ。


いやいや、諦めるのはまだ早い。


なぜなら私にはこの本で存分に学び得た「GRIT」やり抜く力があるからだ。



彼女のように、決して諦めることなく、自分の決めた大きな目標に向かってしっかりと努力のできる素敵な女性になれるように、ここから頑張っていこうじゃないか。

こんな素敵な著書に出会えた私は幸せものだ。




▼今回の評価


★★★★☆   4/5点

難しい言葉もなく、とにかく読みやすかった。分かりやすさと実践のしやすさもあって今回は4点。



気になった方は是非、このおうち時間に読んでみてはいかがだろうか?



それではまた次回。


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