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子供の名前の30年(男の子編)

リモートで働くようになり、顔の見えない相手とやりとりすることも増えたが、相手の名前を見てどんな人か想像する、ということがあるように思う。人の名前というものが気になったので、1990年から2020年までの30年間について明治安田生命の発表しているデータを元に名前を一覧にしてみたところ、ミレニアル世代(〜1995年生まれ)、Z世代(1996年〜2012年生まれ)、α世代(2013年〜生まれ)のそれぞれでぼんやりと傾向が見えてきた。

名称未設定

ミレニアル世代(〜1995年生まれ)

・翔太、拓也、健太の三強。
・大樹、大輝、大貴、大輔など「大」を「だい」と読む名前も多い。

1990年から1995年の間上位3位は全て翔太、拓也、健太が独占している。〇太という名前はその後の世代でも頻出だが、〇也という名前はミレニアル世代で比較的人気が高くその後はあまり見られない。拓也人気の背景には1988年結成のSMAPのメンバー木村拓哉の人気もあったのかもしれない(漢字は異なるが)。

Z世代(1996年〜2012年生まれ)

・陸、海、空が人気
・〇斗、○翔も多い

海斗、拓海、陸、陸斗、空、蒼空のように、Z世代では他の世代に比べ陸海空を含む名前の人気が高い。また、2000年頃より蓮、颯、陽といった漢字も頻出しており、自然に関連する名前の人気が高い。音の上では悠斗、優斗、大翔、海翔といったように「〇〇と」といった名前が増えたこともZ世代に特徴的。ミレニアル世代までは主に「しょう」として使われていた翔が「と」として頻繁に使われるようになっている。

α世代(2013年〜生まれ)

・引き続き人気の蓮、陽に加え、蒼、湊、葵など自然関連の漢字が頻出
・漢字一文字の名前も増加

2000年代後半から引き続き自然に関する名前の人気が高い。また、陽翔、陽向、陽太、陽大など、陽を用いた名前にも人気が集まっている。字面の上では漢字一文字の名前の人気が上昇している。また、樹はミレニアル世代では大樹の名前で人気であり、Z世代では少なくなっていたが、近年では単体利用で人気が再燃している模様。

雑感とか

ミレニアル世代までの傾向として、「翔ぶ」、「拓く」、「健やか」「大きい」といったように、シンプルかつ直接的なイメージの名前が多い。一方Z世代では、自然になぞらえて「〇〇のように〇〇」というニュアンスの名付けが増えたように見受けられる。また音の上では「〇〇と」という名前が増えている。α世代では自然指向が発展し、蓮、葵、樹など植物に関連する漢字が用いられることが増えると共に、中性的で涼しげな響きを持つ名前の人気が高まっているという傾向が見受けられる。

直近30年の名前の傾向を当時の時代背景と照らし合わせると、バブル崩壊からの再起の願いが込められたミレニアル世代(後期)、IT革命の反動で自然指向のZ世代、そして名前からして多様性が当たり前のα世代、と言えるかもしれない。なお、子供の名前もより国際化が進んでいてもおかしくないような気もするが、近年逆に「大和」の様な日本的な名前が人気なのも興味深い。

長くなったので、女の子編は改めてまとめたい。

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