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食品添加物との付き合い方を考える

1.はじめに

今回は、30代一般男性の私が、食品パッケージの「裏側」に興味を持つようになったお話。

 独り暮らしを始めた10代後半の頃、食品のパッケージを裏返すときは決まって「賞味期限」の確認だった。他の記載内容(原材料や保存方法、製造者)なんて、注意深く読んだ記憶がない。

ところが、約1年前から、「原材料」が気になるようになった。具体的には、食品添加物の有無

クエン酸ナトリウム、ブドウ糖果糖液糖、ミョウバン、ソルビン酸カリウム、クチナシ色素、亜硝酸ナトリウム、赤102・・・

「・・・あれ?今まで意識したことないけど、コレなに?

 食品添加物なんて考えたことすらなかった。けれど長年に渡って、体内に摂取を続けていた。変化の裏側にはパートナーの影響も大きい。出張先のお土産は、決まって添加物を含まない食品を選ぶようになった。

「ところで、そもそも食品添加物ってなに?」

気になった私は、Amazonで本を探していた。

2.ベストセラー『食品の裏側ーみんな大好きな食品添加物ー』を読んでみた

 2021年5月現在、「添加物」の本カテゴリーでAmazonベストセラー1位に輝いているのが、『食品の裏側ーみんな大好きな食品添加物ー』(著:安倍司)である。早速、購入。

 まず驚いたのが、この本の発売年。なんと、2005年。今から16年前も前に発売された本にも関わらず、現在、第34刷発行。重版し続けている名著だ。

 次に、著者の来歴。もともと総合商社の食品課に勤務し、食品添加物の敏腕セールスとして「食品添加物の神様」という異名を持っていた人物。そんな著者が、退職後、食品製造の「舞台裏」を語ったのが本書という訳だ。

3.読了後 ~添加物との付き合い方を考える~

 まず、これまで添加物や食品汚染の類いの本を読んだことがなかった。なんとなく苦手というか、製造過程の危険を煽るだけの本は敬遠していた。完全に食わず嫌い。ところが、この著者のメッセージは、意外や意外。

「食品製造の闇を暴いてやろう!」、「とにかく食品添加物は危険だから絶対避けよう!」という論調ではない。

 私が主張したいのは、「添加物の情報公開」ということです。添加物の世界には、消費者に見えない、知らされていない「影」の部分がたくさんあります。・・・(添加物の有無を含めて)どれを選ぶかは、消費者の自由です。ただ、そのためには、まずは「事実」を知らないといけない。知らなければ判断のしようもない。にもかかわらず、現状では何も知らされていないし、何も知ることができない。

 これには、強く共感した。

 結局のところ、どんな食品を選ぶのかは私たち個人の自由だし、口にする食品を強制されることもない。何を食べようと最終的には消費者の自己責任だと思う。

 しかし、16年前に発売した本書が、2021年にも読まれ続けているのは、筆者の主張する「添加物の情報公開」が今なお進んでいない証拠に違いない。

 とはいえ、私たち消費者が、添加物に関して何も知らされていない被害者かというと、必ずしもそうではない。安くて便利!を良いことに、普段から問題意識も持たず、食品を買う私たち消費者にも責任はあると感じた(自戒も込めて)。

 筆者は、本書の中で再々に渡って疑問を持つことの重要性を唱えている。

 まずは「素朴な疑問」を持つこと。これが、添加物と付き合う、加工食品を選ぶ、最初の第一歩になります。
「なぜこの明太子は、こんなに綺麗な色をしているのだろう?」「なぜこのパックサラダは、いつまでもしなびないのだろう?」「なぜコーヒーフレッシュは、安いお店でも使い放題なのだろう?」「みりん風調味料の”風”って何だろう?純米みりんとどう違うのだろう?」

4.食品パッケージの裏側

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・・・ラベルいっぱいに書かれた、よくわからないカタカナの物質名。

ベーコンなのに、「還元水あめ」「大豆たんぱく」「発色剤」が入っているのはなぜか?疑問が膨らむ。ここで、著者の言葉を思い返す。

「食品添加物の物質名なんかわからなくていい」

では、食品添加物とは何なのか?

私の答えは、「食品添加物とは台所にないもの」というきわめてシンプルなものです。「台所にないもの=食品添加物」という図式のもと、「裏」を見て、なるべく「台所にないもの」が入っていない食品を選ぶだけで、随分、添加物の少ない食品を選ぶことができるのです。

 冒頭のベーコンスライスの原材料名を見返してみる。ほとんど全ての原材料が、「台所にないもの」といえるだろう。

 ちなみに「調味料(アミノ酸等)」、この「等」を隠れ蓑として、実際にはどれだけの種類の化学調味料が入っているかわからない表示。加工側に便利なこの記載は、一括表示として、現状是認されている(まさに「添加物の情報公開」)。

5.最後に

 ・・・以上が、食品添加物に興味を持ちはじめた、30代男性のお話。

 私は、根っからの飲食好き。

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 洒落たレストランも、赤提灯の居酒屋も、作り立てのお惣菜もすべて、これからも美味しく食べていきたい。あまり食品添加物にストイックになるつもりもない。要は、情報さえオープンになっていれば、何を選ぶかは消費者の自由。けれど現状は、(添加物=絶対悪とは思わないが)そもそも添加物に関する情報公開や、オープンな議論がなされているとは言えないのではないだろうか

 今、まさに手に持っている食品が、どのように作られたのか、その添加物はどんな用途なのか、そういった「裏側」まで情報公開されるべきだし、今後も、このnoteで私なりの気付きを発信していきたい。


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