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オンラインでも、採用選考の精度を上げる"見極め"の6つのポイント

Thinkingsグループイグナイトアイでは、採用担当のみなさまに向けた無料セミナーを実施しています。今回は、2020年4月20日に実施したセミナーの一部を共有いたします。

【テーマ】
その選考、本当に“見極め”できていますか?オンライン採用でも使える選考精度を上げるポイント

【パネラー】
安藤 健:株式会社人材研究所 シニアコンサルタント。
森田 徹:マーケティング&セールス部門統括、当社取締役。

パネラー

森田:本日はご参加ありがとうございます。当社の採用管理システムSONAR ATSは、採用を一元管理し、採用を見える化、自動化することでみなさんに時間を提供するHRTechサービスです。現在採用のプラットフォームを目指し多数のHRサービスと連携し、採用のインフラとなることを目指しています。

オンライン採用に変わっていっている中で、今この難局を乗り越えるために出来ることをみなさんと一緒に考えていきたいと思い、このようなセミナーを開催しています。

現在の採用状況について(参加者アンケート)

まずはじめに、参加者のみなさまにアンケートを実施しました。
全設問と回答は以下の通りです。

人材研究所アンケート

各設問と、回答の上位2つをご紹介します。

オンライン採用について
質問1:オンラインツールを活用したことのある場面を選択してください
1)面接(個人):77.9%
2)説明会:70.6%

質問2:使用しているオンラインツールを選択してください
1)無料のWEB会議ツール:57.4%
2)有料のWEB会議ツール:30.4%
新型コロナウィルスの影響
質問1:新型コロナウィルスの影響によって「21卒」新卒採用スケジュールに変更はありますか?
1)最終面接・内定出しにかける時間が延びる:52.7%
2)書類選考・一次面接など初期選考にかける時間が延びる:51.4%

質問2:新型コロナウィルスの影響によって「中途」採用計画に変更はありますか?
1)変更はなく、採用を続行する:54.1%
2)採用人数を減らす:21.6%
面接での課題感
質問1:現在感じている面接過程での課題は何ですか?

1)面接での魅力づけ方法:28.9%
2)応募者からの話の引き出し方:18.1%

本日のご参加者の中では、オンラインでの面接・説明会を8割弱の方が実施されたことがあるという回答になりました。

採用セミナー(見極め編)

安藤:本日のテーマは対面でもオンラインでも必要な要素ですが、オンラインだからこそ改めて原理原則を見つめなおす事が重要と考え、本日は"見極め"で重要な6つのポイントをお伝えします。

私自身、新卒採用・中途採用のコンサルティングをしながら面接など採用実務も行っているため、その経験も含めてお話しさせて頂きます。
安藤:そもそも、面接とは「情報収集」「見立て」「評価」の3つの要素から成り立っています。

面接の評価基準や評価項目をどう決めるかは最後の「評価」の部分ですが、「評価」するためには必要な情報を求め、情報に基づいた「見立て」が必要です。本日はその「情報収集」と「見立て」についてお話しします。

1.心理的バイアスの除去

安藤:現在、普通に行う面接※はとても精度が低いということが研究結果からも明らかになっています。(※構造化されていない完全フリートークの面接)そして、その精度の低さには「心理的バイアス」が関わってきます。

こういう心理的バイアスがあるということを把握しているだけで、よりフラットな面接が可能になります。

【7つの心理的バイアス】
■確証バイアス
人は固定概念を持ち、色眼鏡で人を見てしまう
■初頭効果
直感や、面接5分で判断してしまう
■ハロー効果
良いところや悪いところに過剰に重点を置いてしまう
■類似性効果
自分に似た人を好む傾向がある(シンプルですが強力なバイアス)
■アンカリング効果
直前に見た候補者に引きずられて、相対的にランク付けする
例:4日間の面接を総合的に見た場合、1日目の候補者を全員合格にすべきでも、各1日の中で相対的にランク付けしてしまう
■行為者・観察者バイアス
問題の原因を本人の性格・能力に帰属させてしまう
例:結果が上手くいかなかったエピソードを聞いた時に、本当にそうであるか分からないのに、本人の性格や能力のせいだと考えてしまう
■バンドワゴン効果
みんなが良しとしている人は、あまり深く考えずに良いと思ってしまう
例:面接官が3名中、自分以外の2名が高い評価を出していたら、自分も深く考えずに高く評価してしまう

安藤:また、人事の方が最後まで一人で全学生を見ることはほぼ無いと思います。Aさんが面接すれば合格の方を、Bさんが面接して不合格にしてしまうということが一番まずいので、面接官の目線のずれを防ぐことが必要です。

スライド143

2.エピソードの選び方

安藤:ではどう面接を進めればいいのか、どんなエピソードを聞くべきかについてお話しします。

この学生が自社に入っても同じように頑張ってくれるか(=再現性があるか)を判断するために、客観的事実を聞くことが必要です。面接で見るべき唯一無二のポイントはこの「再現性」です。

2図1

安藤:再現性を評価するには<成果>と<習慣>という2つのポイントがあります。

誰が見ても成果がわかる学生は引くてあまたなので、採用することが難しく、また、成果がたまたま出たという可能性もあります。そのため<成果>だけを見て評価するのではなく、ポテンシャルを見極めて採用するために<習慣>を見ることが重要です。

<習慣>を知るためには生育史まで遡ることがベストです。

スライド147

当日は、どのような観点でエピソードを選べばよいか、上記の他にもいくつか観点をお伝えしました。

3.深堀りポイント

安藤:面接を深堀りするポイントは4つです。そのエピソードがどこまでその人の成果であるかを見極めるために有効です。

1:どんな環境だったのか?→問題の難易度が分かる
2:なぜ、その問題が起こったのか?→原因から問題提起への思考プロセスが分かる
3:どんな対策が考えられたか?→発想力、思考力が分かる
4:予想外の障害は無かったのか?→問題の難易度が分かる

図13

4.難易度の測り方

安藤:そもそも、どれだけその問題解決が難しかったかを判断する際には、背景を聞く必要があります。

一つ目のポイントは、「定量化」です。

スライド152

安藤:そしてもう一つのポイントは、「平均との比較」です。

スライド153

安藤:最後に3つ目のポイントは、「障壁」や「想定外の大きさ」です。

5.人を表現する言葉

安藤:面接官の目線のずれに繋がる「人を表す言葉」について。同じ言葉でも、面接官同士が違う意味で捉えていることが非常に多いため、認識を合わせておくことが重要です。

当日は、以下5つの良く使われる言葉について、どのような解釈の幅があるか、詳しくご説明しました。

頭が良い/ストレスに強い/主体性/自責と他責/自信

6.面接で落としてはいけない人

安藤:面接で落としてしまいやすいが、落としてはいけない人とはどんな人か。

1:緊張度が高い人

緊張の理由によりますが、志望度が高く真面目な方の可能性もあります。また、面接官が威圧的でないかも気にしたほうが良いかもしれません。

2:謙虚でアピールしない人

マイナスに見えてしまう場合もありますが、これだけで落としてしまうのは危険です。本当に自信がある方の可能性もあります

3:バランスのとれた人
人は尖っている部分を評価しやすいため、特徴がないだけで評価することは危険です。全ての基礎能力が高い場合もあります。

4:夢がない人
意欲が低い人のように見えてしまいますが、小さい事で喜べる、意味付け力が高い人かもしれません。新卒入社で、すぐに大きな仕事は任されないことが多いと思いますが、そこで楽しく感じられる人は長期にわたって努力し続け、その後伸びる可能性が高いと言われています。

以上の6つが、対面でもオンラインでも大事な面接での"見極め"のポイントです。

Q&Aをご紹介!

当日の質疑応答の内容を一部ご紹介します。

スライド167

Q:オンライン面接で、学生の雰囲気や人間性など対面でしかわからないものは、どのように対処すればよいか教えて頂きたい。

安藤:面接では、お伝えした通り成果が出せるかという「再現性」を見る為に、ファクトで測るべきかと思います。とはいえ、同じ働く社員として雰囲気などを見たいという気持ちもわかります。最終面接やその直前に、一度対面するというのは良いと思います。
森田:ただし、緊急事態宣言が明けてもいつ対面で会えるかという問題が今はあります。面接だとお互い構えてしまうところがある為、オンラインでも、緊張感を取るような面接以外の場などを作ることも雰囲気を見る1つの手ではないかと思います。

Q:対面の面接とWeb面接で一番大きく異なる事、注意した方が良いことは何ですか?

安藤:環境などが理由で日程の再調整が発生することは結構あります。そのため、安定したネット環境で入って貰えるようにリマインドをしたり、URLとパスワードを数回に分けてアナウンスしたりしています。SONARさんを使っていれば何度も自動でリマインドを送れると思いますが、当日スムーズに開始出来るようにするために注意する必要があります。
森田:学生・面接官がお互いに、対面よりもオンラインの方が心理的バイアスがかかりやすいと感じます。話しやすい環境を作るために、アイスブレイクや、大きめのリアクションを最初に取るなど、面接の始まりがとても大事だと思います。

その他、当日は以下のようなご質問に回答し、当日回答しきれなかったご質問には後日回答を送付いたしました。

Q:WEB面接で見極めるのに、1人どれだけの時間をかけるべきか?
Q:Web面接を検討しているけれど、グループ面接を実施する際に工夫する点は?

***

今回の採用セミナーは2部構成として(見極め編)をお伝えしました。
後半の(フォロー編)もぜひご覧ください◎

レポート・広報PR担当Minako


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