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「採用担当者、忙しすぎ問題」採用の解像度を上げる、SONARの挑戦

採用担当者の仕事は、忙しくなり続けています。

昔は電話とハガキでしか企業にエントリーできなかったのに、今ではLINEで合否通知が届く。インターンは当たり前になったし、リファラル採用などの応募チャネルも増え、とうとうオンライン面接まで始まりました。

応募者は企業のことを知りやすくなった一方で、採用担当者の方々は応募者のとりまとめや社内への評価依頼、インターンの受け入れ対応にチャネル毎の合否結果連絡など、煩雑な業務が日々増え続けているはずです。

本当はもっと、応募者一人ひとりに時間をかけて採用したい。
この会社の個性がしっかりと伝わるような、自社らしい採用活動をしたい。

日々の業務に忙殺されながら「本当はもっとやらなきゃいけないことがあるはず」と頭によぎる焦り。企業それぞれに個性があるなら、採用もそれぞれのやり方があるはずと思っているのに、目の前のことに追われて時間が取れない。

頭を抱える採用担当者の方々に向けて、今できることは何なのか、これからの採用活動はどのように変化していくのか。採用管理システム「SONAR ATS」を提供しているThinkings(旧 イグナイトアイ株式会社)代表の吉田崇に話を聞きました。
(執筆:広瀬唯)

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採用担当者、忙しすぎ問題

──現在の採用・就職業界を取り巻く問題点はどこにあると思いますか?

吉田:応募チャネルの増加や通年採用の普及によって採用活動が多様化・複雑化した結果、昨今は採用担当者がとにかく忙しいんです。

特に新卒採用担当者は本当に大変だと思います。本選考のほかに次年度のインターン参加者の対応や、前年度に内定した学生の対応も含めて、同時に3学年分の対応が重なります。しかもそれを少人数で運用していたり、中小企業なら総務との兼任で一人が担当していることもあります。

採用担当者が忙しすぎると、採用の解像度がどんどん落ちていきます。つまり、応募者数が増えるほど管理業務も増えていく一方で、採用担当者が本来向き合うべき応募者との対話や採用戦略の熟考などには時間を取れなくなってくる。その結果、まるでピントの合わないカメラのように、ぼんやりとした採用基準やオペレーションのまま目の前の応募者に向き合うことになり、ミスマッチが増えてしまう。これが昨今の採用担当者が抱える一番の課題だと思っています。

その課題を解決するために、私たちThinkingsは「採用の解像度を上げる」を採用管理システムSONAR ATSの新たなブランドビジョンとして掲げました。日々の業務に忙殺されることなく応募者ひとりひとりに向き合うことができるシステムを作ることで、現場の採用担当者をエンパワーメントしています。

2021_SONAR ATS採用フロー

SONAR ATSは各応募者がどのステータスに何人いるか、一人一人がどのような状況かを管理し、把握する「採用の可視化」と、応募者のステータスが「予約」や「提出」に変わった時点で、あらかじめ設定しておいたメールやLINEを任意の時間に自動で送信するといった「オペレーションの自動化」に強みを持つ。連絡ミスや漏れを極限まで減らし、採用担当者の手作業の時間を減らす。

──SONAR ATSはHR Tech(人事領域にデジタル技術を活用したもの)と呼ばれるサービスの一つですが、吉田社長がこの業界に参入したのは2013年。当時の日本ではだれもHR Techなど言っていなかった時代ではないでしょうか。

吉田:私がITの力で採用支援をしたいと思ったのは、新卒で入社した採用コンサル企業での原体験が大きいです。仕事の中で採用のフレームワークを叩き込まれた結果、本質的な採用プロセスの概念を持ったうえで、さまざまな企業の採用活動をサポートすることができました。端的に言って、その仕事がすごくおもしろかったんです。さまざまな企業のビジネスモデルやビジョンを知ることができましたし、たくさんの採用担当者と話をし、一緒に悩んで課題解決することがやり甲斐になっていました。

新卒吉田

(新卒時代の吉田)

吉田:一方で、採用を取り巻く環境に対してずっと課題に感じていたのが、企業のアナログ感です。採用への熱い想いを持って仕事に取り組む担当者の貴重なリソースが、煩雑な業務に奪われていく。彼らにはもっと本質的な部分、たとえば将来的な採用戦略の企画出しや、選考通過者と向き合うことに時間を使ってもらいたいと思っていました。

「今のままでも採用活動は回っている」という妥協を越えて

──SONAR ATS導入に関して、印象に残っている採用担当者の方はいますか?

吉田:ある企業にSONAR ATSを導入頂けることになった時、先方の担当者さんが本当に熱意ある方で、その熱量が強く印象に残っています。その方は課長職で、応募者は数万人、2000人を超える社内リクルーターと関わり、20人の採用チームを率いていました。責任を問われる立場ですし、そこまでの事業規模なら当然ながら、既存のやり方でも採用は回っていたんですよね。それなのにSONAR ATSを取り入れて、採用の手法を変える決断をしてくださりました。

企業規模の大きさにかかわらず、重い腰を上げるのって本当に大変です。これでもし失敗したら、SONAR ATS導入を主導されたその方の社内立場はなくなってしまうかもしれない。そのリスクを背負ってでも本質から立ち返り、より良い採用をするためにと動いてくださった。覚悟がないとできないチャレンジですし、その方の期待に全身全霊で応えなければいけないと思いました。

私自身、新卒の頃から数多く出会ってきたような、熱意を持った、意志ある採用担当者の方が心底好きなんですよね。

導入実績 ロゴ

SONAR ATSは現在、ソフトバンクやニトリ、NTTデータといった大企業から社員数名のベンチャー企業まで、規模・業種を問わず800社以上に導入されている。

──企業が新しくシステムを導入したり、既存のシステムから切り替えるのは、とにかく大きな決断のはずです。何が決め手となって、SONAR ATSの導入に繋がっていると思いますか?

吉田:採用力を上げる秘訣は、応募者に合わせてきめ細やかな対応をすることです。たとえば応募者Aさんは最初に工場見学に来てもらい、そのあと社員面談を挟んで、二次面接に進んでもらう。応募者Bさんは社員面談を飛ばして二次面接へ直行、など、応募者に合わせて採用フローを柔軟に変えることが求められるんです。

でも、従来の採用管理システムでは、画一的な採用フローしか管理できないことが多い。フローの変更があったら手作業で対応することになりますし、それでは結局、採用担当者の業務量は減らない。

その点をクリアして、さまざまな採用フローをドラッグアンドドロップで自由に設計できる柔軟さと、複雑なフローになっても、自社の採用の全体像や一人一人の応募者の状況を簡単に管理・把握できることが、SONAR ATS導入の決め手になっていると思います。

真のマッチングを実現するために、採用の解像度を上げていく


──今回、SONAR ATSを提供するThinkingsは、総額9.5億円の資金調達を実施しました。同時に、株式会社インフォデックスとイグナイトアイ株式会社は完全統合し、Thinkings株式会社として新たなスタートを切っています。

吉田:さらなる事業拡大に向けて、私たちThinkingsが採用担当者の皆さんとともに目指すゴールはどこか、改めて考えました。その結果たどり着いたのが今回新たに掲げたビジョン「採用の解像度を上げる」です。

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吉田:採用担当者を負担から解放し、一人一人の候補者にピントを合わせて向き合い、細やかな対応ができるように。真のマッチングを実現し、企業と候補者双方が幸せになる採用活動へ導く。それが「採用の解像度を上げる」ということです。

今回調達した資金も、まさに採用の解像度を上げるために使われます。「SONAR ATS」のシェア拡大に向けたサービス強化と、新サービスSONAR Marketplace」の実現に向けた機能開発、そして仲間の採用です。特に「SONAR Marketplace」は、採用担当者の方々をより手厚くサポートするために必要不可欠です。なぜなら、様々なHR Techツールを組み合わせて採用活動をしている企業では、採用管理システムだけでは仕事が完結しなくなってきているからです。

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吉田:採用担当者の仕事は、まず求人媒体やエージェントなどの応募チャネルを選んで応募者を集めることから始まり、適性検査などを使いながら採用選考を進め、LINEなどのコミュニケーションツールも活用して、内定後の入社に至るまで応募者を導かなければいけません。こういった各種HRサービスとSONAR ATSがシームレスに連携し、最適なツールを組み合わせて総合的に提案、そして購買までも可能にする。これが「SONAR Marketplace」の構想です。私たちはこの「SONAR ATS」と「SONAR Marketplace」により、採用の解像度をあらゆる角度から向上させたいと思っています。

今の採用業界は透明化が進んできましたが、まだまだ多くの企業が同じような選考フローで、自社らしさを追求しきれていないように見えます。しかし、私がこれまでたくさんの採用担当者の方とお話ししてわかったのは、それぞれの企業が大切にしているビジョンは千差万別だということ。ならば、採用のやり方だってもっと多様でいいはずです。そのことに既に気付いて、採用のやり方を変えようとチャレンジしている採用担当者の方もたくさんいらっしゃっていて、そういう方々に話を聞くたび、私もワクワクします。

時間やリソース不足ゆえに、意志ある採用担当者の皆さんが自分たちらしい採用を実現できずにいるのなら、その問題は一緒に解決していきたいです

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採用を取り巻く環境は、目まぐるしく変化しています。

増え続ける業務に忙殺され、視点がボヤけたまま応募者と接してしまうということを防ぐために、私たちは企業の「採用の解像度」を上げ、真のマッチングを実現していきます。

採用担当者の方々が、本来自分たちが向き合うべき相手は誰なのか、やるべき仕事は何なのかを見直し、ピントを合わせようと思う時に、SONAR ATSとSONAR Marketplaceで支援することが出来たら幸いです。採用担当者の皆さんが本来の価値ある仕事に向き合えるよう、私達は全力でサポートしていきます。

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※追記
2021年5月24日にブランドリニューアルを行いました!

プロダクトロゴやサービス名称を変更し、「採用の解像度を上げる」というビジョンの実現を目指し、より分かりやすく一貫性を持ったブランドへアップデートしました。今後も「sonar」ブランドを宜しくお願いいたします。

最新情報はぜひプレスリリースをご確認ください。https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000026.000055762.html

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執筆:広瀬唯

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