ガクヅケ

ラップ、漫画、美少年の映画撮影…マルチに活動するガクヅケならではの芸人の在り方

今回は船引さんと木田さんによるマセキ芸能社所属のガクヅケさんをインタビューしてきました。単独ライブや自主制作映画の話に加え、コンビのキーマン的な存在の人物について、詳しく書いてあるのでぜひご覧ください!

結成のきっかけは船引の元相方

立川:ガクヅケさんを初めて見たのは3年ぐらい前のバスクというお笑いライブでした。あれはどういう経緯で出演されたんですか?

船引:僕が大阪で活動してた時、違うコンビでバスクの前身のライブに呼んでもらったのがきっかけです。そのまま今も『バスク』とか呼んでもらってます。

立川:僕はずっとガクヅケさんのことをおもしろい人達だなと思ってるんですけど、去年とか今年はキングオブコント1回戦で落ちちゃったじゃないですか。あれちょっと界隈がざわついたんですよね。

木田:ありがとうございます(笑)事務局に電話してくれました?

立川:さすがに事務局に問い合わせてはないですけど…

木田:まあ落ちるだろうとは思いましたね。

船引:納得はしてへんけど。

木田:一昨年はめちゃくちゃウケてなかったですからね。今年は去年よりちょっとマシだったくらいで。

ガクヅケ1

立川:お2人は養成所には行かれたんですか?

船引:行ってないですね。

立川:コンビを組もうと誘ったのはどちらからですか?

木田:僕は誘われた方ですね。船引さんは前に組んでたコンビで東京に来る予定だったんですよ。僕たちは家が近くて結構毎日くらい遊んでたんですけど、船引さんが東京へ行くことになったって言われてました。僕は当時好きな男の子が大阪の専門学校に通ってて、毎日会いに行ってたんですけど、彼に彼女ができたんです。それで僕、急に街で声出すヤバい人になっちゃって。

立川:ショックすぎて?

木田:そうですね。その状況があんまり良くないなと思ったから僕も東京行くことにしました。それで東京でルームシェアをすることになって、住む家が決まったときに船引さんの前の相方の武田白菜児って人が芸人をやめて岡山の実家に帰ると言い出したんです。

船引:そのとき僕と木田のルームシェアだけが決まってる状態で。

木田:意味分かんない状況ですよね。僕は当時そんなにお笑いに興味がなくて、最初は船引さんの次の相方が決まるまでやろうって軽い気持ちで始めて、マセキの事務所に受かって今に至るって感じです。武田白菜児の話もします?めちゃくちゃありますよ。

立川:さすがにその方はわからないですが、キーマン的な感じの方ってことですよね?

船引:武田白菜児は大阪で僕に黙って木田を誘ってたんですよ。

木田:そうです。船引さんとコンビ組んでる状態のときに僕は一度武田白菜児に「コンビ組まへん?」って言われたんですよ。僕はまったくお笑いやる気なかったからもちろん断りましたよ。前のコンビに解散してほしくなかったし、最初はトリオになると思ってたんですよ。だから、2人でやった方がいいんじゃないですかって言ったんですけど、「もう解散しようと思う。一晩考えてくれ。」って。
どう断るか結構悩んで、次の日朝一番で電話したんですよ。そしたら2コールくらいで出て「はい」って言われて。ちょっと変じゃないですか。昨日誘ってきて、2コールで出て。

船引:2コールはええやろ。

木田:「お笑い誘われて一晩考えたんですけど、僕はお笑いやる気ないので、コンビは組めないです」って言ったら「はいはい。仲直りしましたんで大丈夫です。ありがとうございます。」って切られたんですよ。「は?」ってなりますよね。僕がもしやりたいって言ってたらどうしたのって。再配達みたいなテンションで言われたんですよ。

一同爆笑

ガクヅケ2

木田:それはムカつきましたね。

立川:今聞いただけで嫌な気持ちになりましたね…

木田:ありえないでしょ。めちゃくちゃムカつく「はい」だったんですよ。

立川:そういうムカついたときの感情がネタ作りに生かされたりもしますか?

船引:最近は結構日常であったショックだったこととかから作ることもありますね。

立川:例えばどういったエピソードですか?

船引:ママタルトの檜原から宅配ピザ屋さんのチーズ増量クーポンを10枚くらいもらったんですよ。僕は普段から近所の宅配ピザ屋に3日に1回くらいのペースで買いに行ってたんですけど、チーズ増量クーポンを使うようになって5回目くらいに「こちらチーズ増量クーポンってどちらで手に入れましたか?」って聞かれたんです。それで知り合いにもらったと説明したら、「これ謝罪のときにお店が出してるものなので、うち出してないんですよ。次回からも使っていいんですけど、どこで手に入れたんだろうと思って。」と言われて、もう二度と行けなくなりました。

木田:めちゃくちゃクレームした人みたいに思われますよね。

船引:それもあるし、完全に不正をしてる人って目で見られたんですよ。それでできたネタがありますね。動画には上がってはないんですけど。

木田:動画に上がってるネタで言うと、コンビニのネタがあるんですけど、あれは漫画喫茶でバイトしてたことがきっかけでできましたね。しんどかったことをそのまま全部詰め込んだ感じです。

船引:5分くらいのネタが2分くらいでできたね。

宝石のような美少年・後輩君

立川:木田さんはラップもされてますよね。最近のラッパーとしての活動も気になります。フリースタイルの大会には出てますか?

木田:僕は2013年のUMB大阪大会でベスト8で、これってR指定とかも出てる大会でかなりすごい実績なんですよ。東京でもいけるかと思って、上京してからすぐに出たんですけど、全然ダメでボコボコにされました。晋平太さんに「最後名前だけ言ってけば?」って言われたんですけど、いやいいですって帰ってからバトルはやってないですね。

立川:『後輩君』というタイトルの曲はどんな楽曲なんですか?

木田:『後輩君』ね。僕が高校3年生のときにバイトしてたスーパーにめっちゃかわいい男の子がいて、その子を好きになったんですよ。でも男の子を好きになったことが初めてだったんです。その子に好きだと伝えたんですけど、向こうは別に男は好きじゃないけど普通に仲良くするのはいいよってくれたんです。それでその子のことをラップしました。ゲイの人が「俺らの西野カナだ」って言ってくれて。

坂本:女性よりも男性が好きなんですか?

木田:女性も男性も大好きですよ。どっちが好きって難しいですね。

立川:本気で好きになったのは後輩くんだけですか?

木田:いや僕今は彼女がいて、その子のことはめちゃくちゃ好きですよ。好きって種類は別ですからね。美少年はまあ宝石みたいな感じですかね。

立川:木田さんは美少年がテーマの短編映画も制作されるんですよね。今撮影中ですか?

木田:これは今からやっていきますよ。12月ぐらいから始めます。ぴあで賞を取りたいですね。ぴあフィルムフェスティバル。

立川:そのぴあフィルムフェスティバルの発表はいつですか?

木田:来年あるかどうかはわからないんですけど、例年通りだと3月末まで応募を受け付けてて夏頃発表ですね。ぴあじゃなくても何かしら賞を取りたいです。

立川:肩書的には脚本・監督ですか?

木田:脚本は僕が今書いてて、主演で出るんですよ。だから撮れないんですよね。何人かカメラできる人を呼ぼうと思ってます。あと音声もやりたいんですよ。カメラに入らないギリギリの位置でマイク持つやつ。それもやりますね。

立川:配役はどうやって決めたんですか?

木田:かわいい男の子をとりあえず探さないことにはダメじゃないですか。だから以前『テアトロコント』に出させてもらったときに劇団側で出てた子で美少年を見つけて、その子に頼みました。ラランドのさーやはかわいらしいじゃないですか。絵がもつというか、子役もやってたし。あとなんでもできそうじゃないですか。それで声かけたらいいよって言ってくれました。フェーの篠原さんは仲が良いからいてほしいっていう。

立川:美少年をいつか撮りたいと以前から思ってて、劇団の人を見かけたときにこの人だ!って思ったんですか?

木田:そうですね。僕が高校のときから今にかけて美少年を探す船旅みたいなのに人生が合致したって感じですね。

立川:なるほど。クラウドファンディングのリターンとして3月くらいに上映会もされますよね?

木田:そうなんです。ぴあが応募出せるのが商業利用してない映画って条件があるんですよ。だから応募できるかはまだわからないんです。後々はライブとかでも出そうかなと。気長に続報を待っていただければと思います。

ガクヅケ3

立川:美少年の映画は人を変えてまた第二作とかやりますか?

木田:スターウォーズみたいにはしないですよ(笑)

初の単独ライブを振り返る

立川:単独ライブの盛況はどうでしたか?結構早く売り切れましたよね。

木田:発売初日にはチケット売れましたね。

立川:裏話って何かありますか?

船引:3ヶ月くらい前から単独に向けたネタ合わせをラジオみたいな感じで話し合った音声をボイスメモで撮って、それを物販で出しました。データCDで8時間あるんですけど、今も売ってます。

立川:物販って他に何があったんですか?

木田:僕はラップのCD売りましたね。元々物販めっちゃしてるんで、それを思いっきり展開して雑貨屋みたいにしました。

船引:物販が嬉しかったっていうのが1番ですね。

木田:単独ライブは初めてだったんですけど、普通に楽しくやれました。

立川:船引さんは自作で書いた漫画も販売したそうですね。

船引:トマトが主人公の『完熟トマト新聞』っていう4コママンガがあって、2巻まで作って出してますね。

立川:続編くださいみたいなそういう声はありますか?3巻欲しいんですけどみたいな。

船引:声はないんですけど(笑)3巻は作れるけど製本とかが面倒くさすぎるんですよね。

立川:自分たちは好きなのに、なんでこれウケないんだとかそういうネタはありますか?

船引:『ラフターナイト』のチャンピオンライブでネタ提出してくださいって台本送ったら、ネタ変えてくださいって言われたことはあります。

木田:内容が交通違反のネタなんですよ。たしかにラジオで流れてきたらゾクッとするなと思いましたね。

船引:ラジオって車で聴いてる人も多いじゃないですか。交通違反はダメだっていうネタなんですけどね。だから納得はしたんですけど。多分ライブでディレクターか作家さんが見てくれて、そのネタを指定でオーディションでやったんですけど、それで落とされるっていう。

木田:交通事故とか、ちょこちょこ起こる社会問題と合致してしまうと不謹慎みたいな。ちょうど無理なのが勝負ネタ。まったくそのつもりじゃないんですけどね。

船引:まあ『ラフターナイト』ではねられたのは勉強になりました。

ガクヅケ4


立川:では先輩芸人から言われて嬉しかった言葉とかそういったエピソードありますか?

船引:そんなないですね…みんなあります?

木田:僕はモグライダーの芝さんがたまに電話で「今日遊べる?」って誘ってくれるのが毎回嬉しいですね。芝さんはすごい人だと思ってるので、遊ぼうとしてくれるのが嬉しいです。

立川:芝さんは男としてかっこいいと思ったりしますか?

木田:芝さんは男前で優しいんですけど、まったくタイプではないです。僕が好きなのは目大きいかわいい男の子。
あともう1個あって、武田白菜児に占い連れて行かれたことがあるんですよ。武田白菜児のバイト先の同僚のお母さんが占い師で、普段官僚とかを見てるんですって。多分、武田白菜児は僕とのコンビ仲を見てほしいって思惑があって誘ってきたんだと思います。僕は恋愛運を見てほしいって頼んだら、「性格は真反対だね。それは逆に相性いいね」って言われて、たしかに当たってるんですよ。その後、「でも残念、相手男の子でしょ。だからバランス良いのかも」って言われて、これは本当に当たるんだなと思いました。
武田さんはお笑いのことを聞いたと思うんですけど「もしかしたら大変な目に遭う可能性があるよ」って言われたらしいんです。でも「相方にしようとしてる子は人前とかに向いてるかもしれないけど、あなたといたらどっちもだめになる」って言われたらしくて、僕は占い師に言われたことを信じようと思いますね。

船引:質問のテーマが変わってるけど(笑)

武田白菜児エピソードが止まらない

坂本:あんまりお笑いの話してないですけど大丈夫ですか?

木田:そこまで結果を残してないのでお笑いの話をしてもしょうがないです(笑)最後にもう1つ、武田白菜児さんの話いいですか?YouTubeで「剣豪 レースガイド」って調べてください。これすごいんですよ。ちょっと見ましょう。

※読者のみなさんもぜひご覧ください。

(※テレビせとうちと瀬戸内海放送のレースガイドのCMが似てるっていうネタ)

木田:これ、全然似てないですよね?

一同爆笑

立川:もうね、構造がわからなかった。全然違いますよね(笑)

木田:全然違うでしょ?似てないですよねって指摘したら「似てるけどな」と言われて、僕ら一周年ライブをやったときにこの動画を流してアンケートを取ったんです。それで「似てると思う人は手を挙げてください」って聞いたら1人だけいたんですよ。そしたらその方、岡山出身なんですよ。

船引:岡山で流れてるいろんな種類のボートレースのCMがあるらしいんですけど、この2つだけ同じ楽器を使ってるんです。だから小さい頃から聞いてたら似てると感じるんですって。

立川:でも初めて聞く人はまったく違うように聞こえてるはずですよね。これをネタ見せに来てやられても何て言えばわからないです(笑)武田さんは今もお笑いやってるんですか?

木田:もうやってないですね。

船引:これ自分でYouTubeで公開してるから書いても怒らんよな?

木田:こういう変わった人もいるんですよって書いてください。あと言いたいことがあるとしたら、彼女は一生一緒にいたい人で、美少年は宝石みたいな感じですね。

船引:うまくまとめたな(笑)

ガクヅケ5

ガクヅケ プロフィール

2014年コンビ結成。主にコントを行う。クセの強いコントを行い、お笑いマニアや同業者の芸人など玄人からの評価が高い。マセキ芸能社の若手芸人による月1定例ライブ「パンキッシュライブ」などに出演中。
木田は現在、「美少年がテーマの短編映画」を鋭意制作中。


サポートはすべて今後の運営費とさせていただきます。