パワポは盛り付け技術。料理の腕前は別の話。

パワポをキレイに作る技術って、即効性がありそうだけど実はあまり効果がない。だって、それ、料理でいうと「盛り付け」の話だからね。

お腹が空いているときに、「めっちゃ不味いけど、おしゃれなカフェ飯」と、「すっげぇ美味いけど、小汚い街中華」の、どっちのほうがいいかって話ですよね。(お腹が空いてないなら、前者でいいと思いますけども)

盛り付ける前に、ちゃんと作ろう

僕たちコンサルタント(もしくは、ホワイトカラービジネスマン)が、最初に論じるべきは「美味しい料理の作り方」の話です。我々は、課題を解決している。お腹が空いていない人に、おしゃれなものを提供しているわけじゃない。美味しい食事を提供しているのだ。

料理を作ろうとすると、素材が必要。良い素材が手に入ると良い料理をつくりやすいけれど、その一方で、素材は制約にもなる。手に入れられる素材によって、作ることができる料理は限定されてしまう。(鶏肉無しで、油淋鶏は作れないよね)

だから、僕たちは、パワポを作る前に、
・手元にある素材をどう使って、どんな料理に仕立て上げるの?(例:これらのエビデンスから、何が言えるの。それは、顧客のビジネスにどういうインパクトを与えられるの?)
もしくは、
・何を作りたいと思っているの?そのためには、どんな素材を集めていくの?(例:僕たちは、顧客をどう変えたいの?その仮説は、どういうエビデンスがあれば検証可能?それらのエビデンスは、どうやって集めればいい?)
を、考えるところからスタートしないといけない。

こういうことを考えだすと、「この料理は、誰に、どんなシーン/目的で食べてもらうの?」って話も付いてくるから、結果的に、盛り付け方法=表現方法に関しても、ある程度の「方向性」が決まってくる。

そこまで考えるのが「献立」とか「レシピ」ってやつですね。素材の味をそのまま活かすも良し、手の込んだ下ごしらえをするも良し。シーンに応じて、”最高の料理”の定義は変わっていい。むしろ、変わるべき。

盛り付け師になりたいのか。料理人になりたいのか。

もちろん、可読性の高いフォント、伝えやすい色使いのコツはある。そういう技術を学ぶのは極めて重要なこと。

でも、そもそも誰に何を伝えたいのか?をしっかりと研ぎ澄まさないと、「めっちゃキレイに盛り付けられた、死ぬほど不味い料理」を提供することになってしまう。

端的に言えば、自分が「盛り付け師」を目指すのか、「料理人」を目指すのかってことだと思う。

例えば、漁師飯は、素朴でも美味いじゃないですか。まずは、そこからなんですよ。そういう「味で勝負できる人」が、素敵な盛り付け覚えたら最強じゃないですか。僕は、先に料理人になりたい。

アナロジーが過ぎたので、本題に戻しましょう。パワポの技術ってのは、論理構成力とか言語化能力とか、そういう「ベースのスキル」に裏打ちされたところで、一番発揮するんですよ。質実剛健。コンテンツを研ぎ澄まして勝負する。そこから、さらに、見栄えで加点を取りに行く。

盛り付けは大事だけど、盛り付けだけじゃレストランはできない。美味しいものを作ろう。

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