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【英文法の小径】現在完了形〈時制〉その三

Look! Somebody has spilled something on the carpet.

カーペットの上の染みを発見した話し手が、そのことを最新の情報として、つまりニュースとして相手に伝えている。誰かが何かをこぼしたのは過去のことであっても、今目の前にある結果に関心があるので〈現在完了形〉を用いている。前回までの説明(現在完了形・その一現在完了形・その二)にしたがうと、このようになります。

これはまた、次のように説明することもできるでしょう。
起こってからあまり時間がたっていない出来事に関する情報(おそらく聞き手にとって未知の情報)は、今=話をしている時点において重要だ、価値があるという意識が話し手に〈現在完了形〉を選ばせることになる。

There has been a fire in my neighborhood.

近所の火事についての報告。ただし、どんなに最近の出来事でも、それを述べるときにいつ起こったことなのか、特定の時点なり期間なりを示す場合には、〈現在完了形〉を用いません。
There was a fire in my neighborhood last night.

さて、冒頭の文で、これを聞いた相手が、濡れ衣を着せられてはかなわないとばかりに弁明したとする。
Well, it wasn’t me. I didn’t do it.

今度は〈現在完了形〉ではなく、'wasn't' 'didn't do' というように〈過去形〉が使われている。〈現在完了形〉の文によって最近の出来事が述べられたあとに、そのことについて話を続けるときは、〈過去形〉に切り換えるのがふつうです。このように、〈現在完了形〉は、ニュースを話題として導入するときによく用います。

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