「光る君へ」への長い道のり ~『第36回 「待ち望まれた日」振り返り』(その1)(ネタバレ)~[2916文字]
大河ドラマ「光る君へ」 第36回『待ち望まれた日』 の振り返り、その1です。
※以下より、第36回のストーリーを記述しています。未視聴の方は先に第36回をご視聴ください🙇。
■[第36回『待ち望まれた日』 振り返り]その1
寛弘五年(1008年)ー。庭に桜の舞う藤壺。
まひろ〔吉高由里子〕の物語を読む彰子〔見上 愛〕。
敦康親王「中宮様」
彰子「親王様‥‥。漢文の刻限ではございませんの?」
敦康親王「嫌になったので、逃げてきました。帝には内緒にしてください」
彰子「はい」
敦康親王「よかった」
香炉を差し出す宮の宣旨。
宮の宣旨「荷葉の香りでございます」
香をかぐ彰子の顔がゆがむ。
彰子「うっ‥‥」
土御門殿ー。廊下を慌ただしく進む道長〔柄本佑〕。
赤染衛門〔凰稀かなめ〕「中宮様のご学問も、お話の相手も、今は藤式部が務めておるそうにございます」
道長が慌ただしくやってくる。
倫子〔黒木華〕「どうなさいましたの?こんなにお早く」
道長「中宮様が‥‥ご懐妊あそばされた。急ぎ知らせに戻った」
赤染衛門「おめでとうございます」
道長「ああ‥‥」
道長を見つめほほ笑む倫子。
内裏、藤壺ー。
宮の宣旨「中宮様のお体に障りのないよう、これまで以上に、しっかりとお世話申し上げるように」
(女房たち)「はい」
まひろの顔もほころぶ。
はい、ここで番組タイトルどーん (´-`) 。
内裏、藤壺ー。
彰子の髪をとく左衛門の内侍。まひろが控える。
まひろ「参りました」
彰子「(控える女房たちに)そなたらは下がれ」
一礼し、無表情に出ていく左衛門の内侍ら女房たち。
まひろ「お加減いかがでございますか?」
彰子「今日は気分がよいゆえ、内緒の話をしたい」
内裏、清涼殿ー。
一条天皇〔塩野瑛久〕「懐妊の祝いに中宮にしるしの帯を送る。手配いたせ」
内裏、藤壺ー。
彰子「藤式部は、なにゆえ漢籍に詳しいのだ?」
まひろ「父が学者でございましたので、幼い頃、弟に父が漢籍を読み聞かせているのを聞いて、覚えてしまいました」
彰子「私には無理であろうか‥‥」
まひろ「学ぶことは、いつからでも始められます」
彰子「以前、帝が藤式部と話しておられた‥‥」
一条天皇「高者 未だ必ずしも賢ならず。
下者 未だ必ずしも愚ならず」
彰子「あれは‥‥何の話だ?」
まひろ「白居易の新楽府の一節にございました」
彰子「シンガフとは何だ?」
まひろ「唐の国の白居易という詩人が民人の声を代弁し、為政者のあるべき姿を示した漢詩にございます。帝のお好きな書物と存じます」
彰子「それを学びたい。ないしょで」
まひろ「ないしょで、でございますか‥‥」
彰子「亡き皇后様は漢籍もお得意だったのであろう?私もひそかに学んで、帝を驚かせ申し上げたい」
御簾を下ろした部屋。
まひろが中宮・彰子に、新楽府の一節を読み上げる。
まひろ「『ひとりよく戦い よく時に乗ずるのみならず 心を以て人を感ぜしめて 人心帰す』。太宗皇帝は、ただ戦がうまく、時運に乗ずるのにたけていたのみではありませぬ。人に対し、常に真心を尽くしたゆえ、おのずと人々の心は皇帝に付き従ったのでございます」
彰子「真心を尽くす‥‥」
まひろ「政の頂にある者が、人々の心をまことに掴むのは、並大抵のことではございませぬ」
彰子「そうか‥‥。続きを」
酒を酌み交わす道長、斉信〔金田哲〕。
斉信「中宮様のお子が皇子であったら、道長は盤石だ。めでたい、めでたい」
公任〔町田啓太〕「めでたいことはめでたいが、皇子であったら、ややこしいことになるな」
行成〔渡辺大知〕「ややこしいことはございませぬ。これまでの倣いによれば、居貞親王様のあとは、帝の一の宮、敦康親王様が東宮になられるのが、道理にございます」
公任「敦康様の後見は道長だが、もし道長が後見をやめたら、どうなる」
行成「そのようなことを、道長様がなさるはずはございません」
斉信「ふ~ん‥‥」
差し出された酒の肴を脇に置く道長。
斉信「あれ?何も言わないのか?」
道長「次の東宮様のお話をするということは、帝が御位をお降りになる時の話をするということだ。この話はもう終わり」
斉信「ここからが、面白いのにな~」
公任「ああ」
東宮ー。道綱〔上地雄輔〕と居貞親王〔木村達成〕。
道綱「花山院がお隠れあそばしてございます」
居貞親王「なんということか‥‥」
道綱「ご在所にて、厳かなご最後であったと聞いております」
居貞親王「これにて、冷泉天皇の子は私だけになってしまった。我が子、敦明が次の東宮にならねば、冷泉の皇統は途絶える」
道綱「は‥‥」
居貞親王「中宮様のお産みになる子が、皇子でないことを祈るばかりだ」
道綱「こればかりは、お生まれになってみないことには、分かりませんのでね‥‥」
ため息をつく居貞親王。
敦明「道綱。もっと父上を大事にせねばならぬぞ」
道綱「はっ。敦明様には、ご機嫌麗しゅう」
敦明「これから狩りに参る。そなたもどうが?」
藤原娍子「この間、行ったばかりではありませぬか」
敦明「母上‥‥。私は力が有り余っているのです。人にぶつけるより、獣にぶつける方がマシでございましょう」
道綱「私は狩りは苦手でございますゆえ」
敦明「そなたは、獣の肉を食わないのか?」
道綱「食べます」
敦明「肉を食うくせに、自分の手を汚したくないというやつか」
道綱「ハハ‥‥。いや~」
居貞親王「道綱。中宮様のご様子、逐一知らせよ」
道綱「はっ(頭をさげる)」
ということで、長くなりましたので、『第36回「待ち望まれた日」』の振り返り』その1は、その2へ続かせていただきます(´-`)。
最後までお読み頂き、ありがとうございました🙇。
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