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『修道士の首』~歴史ミステリの誘い~

Hellow world,はーぼです。

歴史ミステリの誘い、今回は井沢元彦氏の連作短編集『修道士の首』を紹介させていただきます。
1986年に出版されており、まだ井沢氏がミステリー作家をメインにしていた時代の作品です。

この短編集で探偵役を務めるのは、ご存じ織田信長です。

連作短編と言っても時系列になっているわけでないので、順番に読まないといけないという構成になっていません。
またミステリーと言っても、各編とも複雑なトリックや謎ときはなく、どちらかと言えば信長が探偵をするという趣向を楽しむというキャラクター小説の意味合いが強いです。

この作品では、信長は決して癇癪をおこしたりせず、謎ときの説明も丁寧にするので、ミステリーや時代小説のマニア向けというよりは、一般読者に受け入れられやすいように意識して書かかれているようです。

逆に言えば、マニアの方には歯ごたえがない、という印象を与えますが、好意的にみれば、時代劇の「水戸黄門」や「大岡越前」のように、最後は信長が謎をきれいに解いて一件落着といった安定のフォーマットで、安心して読める作品ともいえます。

ひとつひとつの作品はちょうどいい分量で、文章もよみやすく、エンタメに徹底した作品として楽しむのが正解なのかもしれません。

ではでは、最後までお読みいただきありがとうございます。
See you next time,はーぼでした。

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