恋愛分からない

クラスで人気な女の子と平凡な男の子の話である。

『すごいよねぇあの子なんでもできちゃうし』
『あいつ、あの女の子好きらしいよ。』
『え、まじ?』
『やば、絶対無理なのにねぇ、』
『絶対好きになんてなってくれないよ』
『それなぁ』

『俺って生きているだけでいるだけで生まれただけで幸せって思いながら生きないと生きていけない…』
『あ、君!私、寧々!』
『はい。』
『君の名前は?』
『僕の名前は君塚です』
『君塚くんね、よろしく』
『えっと僕…』
『いいのいいの。私が話しかけたってことにして』
『はい…わかりました』
『じゃあまた!』

『ねねちゃん、さっきの男の子知り合い?』
『たまたま通りがかったから話しただけ』
『ならいいんだけど』
『ん?何かあった?』
『あの子と喋ると負のオーラになっちゃうらしいよ』
『そうなんだねぇ。ねね知らんかったありがとう』
『授業始まっちゃうしいこー』

『起立、気を付け、礼』
『席は今日から変わります。くじ引きで引いたところに座ってください。』
『ねね、何番?』
『3番』
『私、11番、離れちゃったね』
『まじかぁ』
『隣失礼します。』
『あ、君塚くん?何番?』
『4番です』
『よろしく、ってか奇遇じゃん、』
『俺、黙りますからね。気にしないでくださいね』
『もしかして周りの目気にしてる?』
『は、い』
『気にしなくていいじゃん、私がクラスの中心だからって?』
『はい』
『うける、意外と小心者なのね。』

『ねねさん、教科書読んでください。』
『この図は①を指しており①は②に連鎖をしているのです』
『ねねさんこの図は分かる?』
『はい。②と③のことですか?』
『正解です。さすがねねさん』
『ねねは頭いいからなぁ。』

『次はこの問題を解いてください』
『君塚くん』
『ええっとんー』
『これはこれ、これはこれね?』
『ねねさん、静かに』
『分かりません。』
『もういいわ、君塚くんありがとう』
『〇〇さん分かる?』
『はい。カキカキ』
『これはこのようにこう書くのです』
チャイム

『終わったねぇ。ねね!』
『終わった』
『帰ろ?』
『ごめん、先行ってて先生に質問してから帰る。』
『わかった教室で待ってるね』
『うん!』
『君塚くん、これノート』
『ん?』
『さっき分かってなさそうだったからコピーできたら返してね』
『ありがとうございます』
『私たち別に違うから』
『分かってます』

『君塚くん君塚くんお前またやらかしたの?』
『君塚毎日やらかしてるよな』
『俺?』
『自覚ないの?』
『はい』
『これ、』
それはねねさんに借りたノートを返そうとした時に机を開けたところだった。それが人気があるねねさんに嫉妬して僕がノートを盗んだと噂されていたのだ。
もちろんねねさんの耳にも届いているだろう。みんなの誤解を解いてあげたい。

『ねね、ノート盗まれたの?』
『あ、そうみたい』
『大丈夫だった?』
『中身は問題なかった。』
『ねね、頭いいからカンニングしようとしたんじゃない?』
『え、やだぁそれ』
え、ねねさん、僕ねねさんが貸したノートを引き出しに入れただけだよ?ねねさん
ああねねさんって烏滸がましいか、なんて呼べばいいんだろう。そもそもこんな頭の馬鹿な俺が貸してあげようかの一言で釣られて借りてバカみたいだよね最低だよね自分

『あ、君塚くん!さっきはノート返しにきてくれてありがとう。どう?理解できた?』
『それより…僕大変なことになっちゃったじゃないですか』
『え、なんの話?』
『誤魔化さないでよ』
『え、ほんとになんの話?』
『さっき返したノート、僕が盗んだことにされてて』
『あ、そうだったのね』
ねねさん、さっき話していたのは嘘?ねねさん僕の味方してくれないよね期待した僕が悪かった。ってかあんなに頭のいい人に期待してる僕が悪いよね情けない
『え、大丈夫?君塚くん固まってるよ?』
『あ、なんでもないです。失礼します』
『待って君塚くん、、私頭良くないからね?テスト80点以上取ったことないからね』
ほんとは取ってるくせに、僕なんて相手にしてる場合じゃないよ
『あ、もう部活だからまたね』
『ありがとうございました』
僕誰と会話してるんだ今、あのお方と会話しちゃったわけ?もしかして僕あのお方とお友達?
なわけあるかい、だよねぇ俺なんかと友達なんかなりたくないよねわかるわかる

『ねね、昨日君塚くんと話してなかった?』
『あ、したかも』
『何話したの?』
『あ、実はね、ノート貸したのねねなの。ノート返しに来てくれたんだ。君塚くんが勉強ついていけてなかったから貸したの。』
『あの男に貸したの?ねね、優しいね。』
『え、怒らないの?』
『なんで?もしかして、、、そこまで私性格悪くないよやめてよ笑』
『あ、そうだよねありがとう。』
『ねね、次は事前に言ってよね』
『わかったわかった』

『君塚、ねねにノート借りたって本当?』
『あ、そうです』
『調子乗ってる?』
『乗ってないです』
『ねねにノート借りるなんて100万年早いから』
やっぱり言われちゃった。俺もう無理だ

『きっみっづかくん!』
『あ、ねねさん』
『うちのさ友達がごめんねあみか最低よねぇ君塚くん悪くないし気にしないであみか普段はめちゃめちゃやさしいんだからね』
『俺には優しくないけど』
『それはごめんて』
『じゃあまた』
え、また話しかけに来てくれた?嬉しい。きっみっづかくんだって、きゃあ

『ねね』
『なに?あみか』
『またあいつと話したでしょ?』
『ごめん』
『ごめん何回目?あいつと関わらないで二度と』
『ごめんそれだけは』
『むりなの?あいつのこと好きなん?』
『ないないないない』
『だよねぇねね好き』
『ねね、今日遊べる?』
『今日ね、パーティするの?来る?』
『行く』
『じゃあいつものあそこで30分後ね待ってる』
『わかった』

君塚くんを誘いたいなんて口が裂けても言えない
私君塚くん好きになっちゃったかも


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