並べたほうがいいのか続けたほうがいいのか

みなさんいろいろご意見ありがとうございました。
やっぱりいろんな考え方がありますね。

ある作家さんがコミックスを2冊出すことになりました。
1冊は竹書房から、もう1冊は他の会社から出ます。
この場合の発売日の最適解はなんだろうという問題
選択肢としては同時発売にするかずらすか(ずらすとすればどのくらいか)のどちらかということですね。
この問題に対する自分なりの答えは4年前に出しました。

その時点の竹書房では「同時発売がいい」になっていたのですが、
自分としては「2ヶ月連続発売がいい」です。

まず基礎的なこととして書店さんの店頭でコミックスは発売から一定期間しか「新刊」として扱われません。
近年では膨大な新刊が発売されているのでいわゆる「新刊台」もしくは「新刊棚」に置かれている期間って1ヶ月もあればめっちゃ良くて、2週間くらいで新刊の場所から外される本も多い状況でしょう。

なので同時発売にしてそれが上手くいって目立つ形となってもその場所をキープできるのは長くて1ヶ月くらいの可能性が高いです。

そしてコミックスは新刊の場所から外れたら多くの書店さんで「出版社別」の棚におさまる仕組みになっています。ここで隣りに置いて目立っていた2つの作品は離ればなれになってしまいます。

ですが、たとえば1ヶ月ずらして出すとしましょう。
新刊台に普通に積まれて、少し目立たないかも知れませんが、1ヶ月後ですとちょうど先に出た作品が新刊台から外されようとするころに次の新作が入荷します。ワンチャン、先に発売した本をそのまま置いておいて併売がはじまるかもしれません!
まあそれはワンチャンとしても少なくとも2ヶ月間のあいだ○○先生の本が新刊台に置いてある状況は作り出すことができます。

とにかくどちらか1冊でも買ってもらえればもう1冊も買ってもらえる可能性は高まるじゃないですか。
自分はこっちの作戦がいいんじゃないかなあ、と思っていますし、ですので竹書房で描いて頂いている作家さんにはそのようにお願いさせて頂いていると思います。

その作家さんのファンは一度に買えた方が便利、というところはもちろんあると思いますが、その作家さんとしても浮動票である今のファン以外の人になるべく買って欲しいわけです。初めてその作家さんを知った人はまあまず1冊しか買わないじゃないですか。その意味でも長くその作家さんの作品が書店さんに露出していることって大事だと思うんですよね。

露出の派手さよりも期間を取ろうと。

特に我々竹書房も浮動票を重視する会社ですのでこっちの作戦じゃないかなあ、と考えてるんです。

わりと同時発売が主流だとは思うんですけどね今のマンガ業界。
ただ自分はそういう風に思います、と。
みなさんどうですか?


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