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信念を貫く

引き続きストライキの緊張のリマからこの記事を書いている。

街中を戦車が走り回り、まるで映画をみているようである。

現在の死者は4名、負傷者100名以上、行方不明者40数名、

この4名には乳児が含まれている。

生まれたたばかりの新生児が、

両親と共に家に帰る途中、

特殊警察の放った催涙ガスを吸い込み、病院へ逆戻り、

救急で手当てをしたが、そのままこの世での命を終えた。

何と言う事であろうか。


警察の横暴

マヌエル・メリノ新大統領によるテロ鎮圧の命令により、

警察が一般市民に牙を向けている。

暴徒沈静化のため、と言い暴力をふり、

催涙弾、のみならず実弾で3人を撃ち殺しているのだ。

前大統領罷免の後、

国会内の根回しと買収で大統領の座に就いたこの男は、

権力で何でもできると勘違いをしているようだ。

『蒔いた種は必ず刈り取る』

私もペルー国民と同じく、

大統領が早くその刈り取りをさせられるようにと

切望する一人である。



軍人が警察官を殴打

さて、そんな中、、、

これは14日の出来事である。

ストを鎮圧するために出動した警察が市民に暴力をふるっていた。

それを見ていた陸軍の指揮官が、

この若き警察官の顔面を殴りつけ、こう言ったのだ。

「警察よ!何故国民を撃つのか! 

 我々陸軍は国民のために国境で戦い、 

 国の安全のために内部にはびこったテロリスト、

 麻薬マフィアと殉職者を出しながら戦ってきた。

 それなのに何故警察は我々の守ってきた国民を撃つのか!」


にらみ返す警察に対しこう続けた。


「俺の目を見ろ!しっかりと見ろ!

 そうして俺を殴ってみろ!!」


この言葉で視線をそらした若き警察は、、、その場を去った。


この司令官は

1995年のエクアドルとの戦争(Guerra del Cenepa)に参加し、

1997年の日本大使館占拠事件の突入解決に携わった本物の英雄であった。


「生きる」、と言う事は、いつも目の前に選択が迫ってくる。

この選択の連続が人生となっていく訳だが、

この司令官は警察官を殴った。

公務執行妨害など考えずに。

自分が人生を懸けて貫いてきた信念と、

命を賭して守ってきた国民を目の前で踏みにじられ、

我慢がならなかったのだ。

でも正直にかっこいい、と思う。

男だ、いや、漢だ。

私もここぞ!という時に、信念を曲げない選択をしたいと思う。

信念を貫き、愛する者を守れる人間になりたい。


※この司令官の警察官殴打の動画があったのですが、

 現在は削除されている。







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