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スタートアップの失敗事例

スタートアップの失敗とは、資金が底をつき解散・倒産となること。
もしくは、収益化こそできているものの、大きな成長を遂げられなかったためにExitできず、投資家がリターンを回収できる見込みがない状態のことを指します。

スタートアップの90%以上は、上記の失敗状態に陥ります。

失敗は市場や競合、技術力など複数の要因が複雑に絡み合って起こるため、全てのスタートアップに一律で有効な「失敗しない方法」は存在しません。しかし、失敗するスタートアップのほぼ全てがPMFを達成できていないという点には留意すべきです。

簡単に言えば、PMFを達成したからと言って必ず成功するとは限らないが、失敗したスタートアップのほとんどはPMFができていないということです。

ですから、PMFを達成するための戦略を学び実行することは、スタートアップの生存率を高めるために非常に有効だと考えられます。
本noteの目的は、まさにこの点にあります。さらに学びたい場合には、是非「スタートアップ概論」をマスターしてみてください。


さてここからは、よくあるスタートアップの失敗事例とPMFとの関係について紹介していきます。


PMF前に収益化を目指す

これがスタートアップで一番多い失敗ケースです。特に資金調達をしていないスタートアップに多いです。

PMFを達成できるまでは基本的に赤字の垂れ流しです。しかし資金の少ないスタートアップは倒産しないよう、何とか売上を立て黒字化しようと頑張ってしまうことがよくあります。これがPMFを遠ざけ、中途半端なプロダクトを作り出し、最終的に失敗を引き起こします。

これを解決するためには、次の選択肢を取る必要があります。

・エンジェル投資家やベンチャーキャピタルから資金調達を行う
・コンサルティングや受託開発を並行して行い自己資金を確保する

オススメは、後者です。資金調達をできるのは、既に一度起業してExitを経験している人のみだと考えてください。

実際には全くそんなことはありませんが、ぶっちゃけ自分で売上を立てた経験のない人は経営能力が圧倒的に不足しており、スタートアップを効率的に成長させることができないと思ってください。できるのは一部の天才のみです。まずはスモールビジネス(=ビジネスモデルが確立していて比較的安定的かつ計画的に売上を立てられる事業)からチャレンジしてみましょう。


良くない市場を狙う

スタートアップで二番目に多い失敗ケースです。「悪い市場を狙う」ではありません、「良くない市場を狙う」です。

スタートアップは、良い市場を狙わなければなりません。なぜなら、PMFまでは収益化できず赤字となるため、大抵のスタートアップは資金調達をすることになります。調達するのは、数百万円から数億円の大金です。資金調達を完了すると、スタートアップには投資家にそれ以上のリターンを返す責任が生まれ、大きく急速な成長を目指す必要性が生じます。

そんな時に良くない市場で事業をしていると、いつまでも成長できず、結局最後まで収益化できないことになります。運良く成長できたとしても市場規模が小さければ利益は非常にわずかです。

事業が上手くいくかは、どの市場を選ぶかで全てが決まると思ってください。駄菓子屋と不動産屋とでは単価がまるで違いますよね。そんな感じで、参入する市場が成長の上限を決定づけます。

しかし実際のところは、いきなり良い市場を見つけられるケースはほとんどありません。大抵は、ビジネスモデルの検証を進めるなかで、良い市場にたどり着きます。


先にプロダクトを磨く

繰り返しになりますが、PMFはいい市場に対していいプロダクトを供給できることを目指すものです。当然市場が変われば、いいプロダクトの定義も変わってきます。市場はそのままでプロダクトを変更するというのは容易ですが、プロダクトはそのままで市場を変更するというのはほとんど不可能です。市場を変更した際には必ずプロダクトの変更することになります。これはリソースの少ないスタートアップにとって非常に大きなコストであり、リスクです。

特にこの傾向は、活動が進むに連れて顕著になってきます。まずは、いい市場の発見にフォーカスをし、その後プロダクトを磨くようにしましょう。詳しくは以下の記事をご覧ください。

(Coming soon...)


都合のいいデータばかりを集める

心理学で確証バイアスと呼ばれる傾向です。自分たちのビジネスモデルって正しいよね?と肯定的な視点からデータを集めてしまい、重大な欠陥を見逃してしまうことを言います。

これは人間の心理としては避けられないものです。そのため、この傾向があることを常に意識し、バイアスを取り除くことを心がけましょう。

クリティカルシンキング(健全な批判的思考)やディシジョンセオリー(意思決定論)について学んでみてください。


自社にとってのPMFを定義しない

何がPMFかを定義していないパターンです。昨今のスタートアップに多いように思います。

PMFの達成条件はスタートアップごとに(正確にはビジネスモデルごとに)異なります。しっかりとPMFを定義し、明確なゴールのもとに活動を進めるようにしましょう。詳しくは以下の記事をご覧ください。

(Coming soon...)


一度PMFしたら満足する

PMFは、一度達成したら終わりではありません。プロダクトは時代の変化(市場の変化)に合わせて常にアップデートされる必要があります。PMFしたからと慢心していると、PMFしていない状態に逆戻りしてしまうケースがあります。これは市場が常に変化し続けているためです。

PMF以後も、顧客からのフィードバックをプロダクトに反映させる仕組みを導入し、柔軟なアップデートを続けましょう。

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