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The Too Lates 1st EP 「3 song EP」発売記念インタビュー

2019年8月29日にThe Too Latesの1st EP『3 song EP』がbandcampよりリリースされた。Theムッシュビ♂ト、The Maaya Volta、Tokyolite等にリミキサーとしてRemixを提供していた3106が、突如作詞作曲を開始し、バンドサウンドを奏でた。2019年9月3日、そんなThe Too Latesの中心人物である3106(Vo, Gt, All Programming)に、新大久保にあるネパール居酒屋「MOMO」で話を聞いた。(インタビュー / Yucky from EMOTIONAL DJ EVENT "Action And Action")

そもそも自分のインタビューに価値があると思ってない

――まずはリリースおめでとうございます。

ありがとうございます。

――今回は、3106からインタビュワーとしてのオファーが来て、それを受けたわけなんだけど、その辺りから整理しましょうか。

そうですね。自分がどうしてこういう活動をしているのかって、自分から語るの恥ずかしいじゃないですか。誰かに質問してもらって、それに答える形式なら、まだ自分の中で自然かな、と。ただ待っていてもインタビューなんて誰もしてくれないから、付き合いも長くて、自分のこれまでの活動にも理解があるYuckyに頼んだって感じです。

――恐れ多いですが、インタビュー頑張ります。それとインタビューの場所ですが、なぜネパール居酒屋を?

お互いにアジア料理好きというのもあるし、そもそも自分のインタビューに価値があると思ってないから、興味ない人はグルメ情報だけ拾ってくれればいいやって、そういうアイデアです(笑)

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チャットパット(500円)
 インスタントラーメンの麺、パフライス、玉ねぎのみじん切り、豆、じゃがいも、パクチーなどをスパイスと唐辛子とレモンで味付けしたストリートスナック。結構すっぱい。食感はサクサクしてておつまみに最適。

自分の馬鹿でかい自己承認欲求を見つけてしまった

――これまでRemixという手法を使って活動をしてきたわけですが、なぜここに来て作詞作曲を開始してバンドサウンドに挑戦したんでしょうか?

それこそ学生時代にはコピーバンドを少しやってみたりしましたけど、一度楽器は全部売ってしまったんですね。「オリジナル曲なんて作れない」というコンプレックスの反動で、二次創作的な表現手法をやってた部分はありました。でも4年前に近所のリサイクルショップでギターを買い直して、それからギター教室に通ったりしながら、清竜人TOWN(清竜人がデモ音源を無料配信をしてから、各地でメンバーを募ってライヴをするという実験的プロジェクト・バンド)にギターで参加したりしました。でもそのライブ本番中に観客も演者も清竜人を目で追っていて「あー、誰も俺のこと見てないな。そうか、これは清竜人の表現の中なんだよな」と俯瞰で見てしまったんです。こんな光栄な経験の最中に自分の馬鹿でかい自己承認欲求を見つけてしまったというか(笑)それでもダラダラしてたんですが、昨年12月にギター教室をやめて、DTMの教室に通いだしたんです。初日から先生に「半年後(自分の誕生日まで)に3曲入りのEPを出したいんですけど」と宣言してここに至るという感じです。

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モモ(600円)
ネパール風の蒸し餃子。鶏肉ミンチと玉ねぎのみじん切りやネパールのスパイスを使って蒸し器で蒸した餃子。(居酒屋MOMOメニューより)

――新しいことに挑戦するのに抵抗はなかったですか?

自分の場合、30代半ばになっていて「ここで始めなきゃ、もうやらないだろうな」という気持ちが大きかったですね。それにもう挑戦もその結果も「ウケるなー」で済ませることに決めたんですよね。30代半ばからの作詞作曲挑戦、発表しても反応がなくても、どれも心の中で手を叩いて「ウケるなー」って思うことにして、気を軽くして取り組みました。

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パニプリ(500円)
小麦粉の生地を油で揚げた球体に穴を開けて具(蒸したじゃがいも、玉ねぎ、豆、などがミックスされたもの)を入れて、穴の中にコリアンダー、タマリンド、ミックススパイスなどが入ったスープ(写真右)を入れて、一口でぱくっと食べるそうです。これもおつまみにどうぞ。

(The Too Latesという名前は)自分の年齢からの挑戦を皮肉っている感じですね

――年齢を重ねて自分のメンタルの操縦術がわかって来たのかもしれませんね。「The Too Lates」という名義の由来について聞かせてください。

自分の年齢からの挑戦を皮肉っている感じですね。それこそ「遅すぎるでしょ?どう?ウケるでしょ?」って感じで。でもこの文字の中にある「後悔」や「未練」みたいな部分は、誰にでも共通する感情かなとも思っています。

――「The -s」という名称からすると、今後メンバーが入り、バンドという形で活動する展望はあるんでしょうか?

やってみたいですけど、まずはライブする曲数が揃うことが先決なので、具体的にはあまり考えないようにしています。自分がコンスタントに曲を書ける人間かどうかも良くわかっていないので(笑)

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スープモモ(700円)
ネパール風の蒸し餃子。鶏肉ミンチと玉ねぎのみじん切りやネパールのスパイスを使って蒸し器で蒸したスープ餃子。(居酒屋MOMOメニューより)

コンセプトは「3曲作ってEPに収録する」それだけ

――それでは『3 song EP』についてお伺いします。タイトルは単純明快ですが、コンセプトみたいなものはあったのでしょうか?

コンセプトは「3曲作ってEPに収録する」それだけでしたね。初めての作詞作曲だったので、他の難しい要素を入れる余裕はなかったので。SoundCloudで1曲ずつ発表することも考えたんですが、1曲作って発表のサイクルだと、その都度反応を気にしてしまうので、メンタル弱い自分には向いてないと思って、こういう形になりました。

――ここにもメンタルの操縦術が(笑)収録する曲は最初からなんとなく決まっていたんでしょうか?

サビのみとか部分的にしか存在しない段階で、この3曲かなという候補はありましたが、それを追い抜いてスルッと完成した2曲があったので、入れ替わりました。1曲目「Starlight」は予定通りで、続く「ロックンロールスター」「悲しみのその先」はそれぞれデモが完成した順番に入れただけですが、結構バランスは良かったかなと思ってます。

――候補から外れた曲は、今後完成させる予定はあるんでしょうか?

もちろん一部でも芽が出ているので、曲として完成させる可能性は大きいです。でもそれを追い抜くスピードで出来てしまう曲もあるので、しばらくは出来たものを発表する感じで行こうと思っています。もちろん収録曲のバランスを見て変なことになっていなければですけど(笑)

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アルプデコ(480円)
じゃがいもの煮込みの炒め物(居酒屋MOMOメニューより)

コピー課題に挙げたバンドはAsh、Weezer、Radish

――次にバンドサウンドの方向性についてですが、「Starlight」のデモを聴かせてもらった時にはVelvet Crushなんかを感じました。

Velvet Crushの初期とか好きなので、名前を出してもらえて嬉しいです。でも自分的には少しだけDinosaur Jr.を意識しました(笑)ちなみにオリジナルを作る前に、コピー課題に挙げたバンドが3つあって、Ash、Weezer、あとBen Kwellerが10代にやっていたRadishというグランジ・バンドなんですけど、そこに去年の夏からドハマリしてるthe pillowsが入って来て、なんとなく方向性の基礎が「オルタナ+パワーポップ」になっていった感じです。でも作曲面でこれらのバンドを参考にして作るというやり方は、特にしてないです。

――Dinosaur Jr.のように、各曲で参考にしているアーティストとかって聞いても構いませんか?

全然大丈夫ですよ。参考にしたというか、頭を過ったぐらいなんですが、【Starlight】Dinosaur Jr.、ASIAN KUNG-FU GENERATION、【ロックンロールスター】the HANGOVERS、黒夢(パンク期)、DESCENDENTS、【悲しみのその先】the MUFFSとかですね。でも全体を通して、the pillowsを判断基準にしている部分もあります。「ロックンロールスター」ができた時も「the pillowsもロックンロール調の曲やったりするからいいかあ」みたいな(笑)

――the pillows愛が伝わって来ます(笑)次に作詞についてですが、なにか苦労はありましたか?また3106自身が歌うというのも意外でした。

最初は作詞に苦戦するんじゃないかと思っていたんですが、そんなに苦労はしてないです。曲と同時に歌詞が出てくることもありますし、出て来た言葉に「あの時のあの感情のことかな?」と気付いて、歌詞の方向性が決まって行く感じです。なんだか半分セラピーに近い気がしています。歌については、得意ではないです。でも歌ってもらうのも恥ずかしいし、自分で歌う方が気が楽なので(笑)

――なるほど(笑)個人的には初めて作った3曲とは思えないですし、とても3106らしい作品になっていると感じています。最後に今後の活動について教えてください。

2019年10月27日に行われるM3-2019秋、Theムッシュビ♂トのサークル「ポジティブレコーズ」でCD『3 song EP』の委託販売を予定しています(その後、宮本彩陽のサークル「MONOCHROME CANVAS」へと変更)。それと制作環境についてなど、また別の記事でnoteにまとめたいと思っています。

――インタビューという貴重な経験をさせていただいて、ありがとうございました。ネパール料理も美味しかったです。

こちらこそ、ありがとうございました。ネパール居酒屋「MOMO」どの料理も美味しかった。皆様もどうぞ行ってみてください。


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