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親鸞聖人とは。親鸞聖人の生涯の概要を分かりやすく解説します。

稀代の宗教家であり、思想家ともいわれる親鸞聖人。
親鸞聖人(しんらんしょうにん)といえば、浄土真宗の宗祖とあおがれる方で、人間の本質を鋭くついた言葉の数々やその生き方が、時代を超えて多くの人の心をとらえています。

ここでは、数回にわたり親鸞聖人の生涯や生き方を見ていきたいとおもいますが、今回はまず序章として、親鸞聖人の生涯の概略をお話させていただきます。

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親鸞聖人は、ご自身のことをすぐれているとは決して言わず、むしろ、欲が多く、怒りや腹立ち、ねたむ心などが死ぬその時まで消えようのない凡夫(ぼんぶ/普通の人、愚かな人)であると言い切っていかれた方でした。

それは単なるあきらめではなく、生涯をかけて救いを求め、ひたすらに仏道を歩んだからこそ見えてきた自分自身のお姿を言われたものでしょう。

騒乱や度重なる飢饉、地震などがあった激動の時代の中で、人の生き死にを間近で見て多くのことを感じ、また人間社会の中、家族との生活の中で、流罪やお子様との義絶などを経験され、思い通りにならない苦しみを、親鸞聖人はまざまざと感じられたことでしょう。

しかし、その中でも、お念仏の教えに遇い、良き師やお同行(お念仏の仲間)、家族と出あい、お念仏の生活の中で救いと喜びを感じられた方でした。

圧倒的な苦悩や葛藤、そしてとてつもなく深い喜びや情操を、親鸞聖人から感じるからこそ、時代や国を超えて多くの人が親鸞聖人に魅了されるのでしょう。

親鸞聖人ご自身が見て感じられたことが、親鸞聖人の思想や教学に大きな影響をもたらしたでしょうし、こうした背景を念頭において親鸞聖人の言動に触れていくことで、更なる感動や喜び、共感を味わわれる方もおられることと思います。


◆親鸞聖人とは。親鸞聖人の生涯の概略。

まず、「親鸞聖人」の読み方ですが、「しんらんしょうにん」と読みます。親鸞が名前で、聖人とは尊敬の念を込めた敬称です。

名前は数回変わっていますが、親鸞という名前が一番有名です。

生まれた年は、1173年(承安(じょうあん)3年)で、現在の京都府の出身です。1163年(弘長(こうちょう)2年)にご往生されるまで90歳の人生を歩まれました。

鎌倉時代を生きた、鎌倉仏教の代表的な存在です。


伝わるところでは、一家が離散し9歳でご出家をされ、その後、比叡山にて僧侶としてのご修行をなさり、29歳で比叡山を下山。お念仏の教えを説く法然聖人の門弟となります。

その後、弾圧により、越後へ流罪。流罪がとけた後も関東にのこり、お念仏の教えを説き広め、多くのお同行(お念仏の仲間)がうまれます。

その間、執筆活動を精力的におこなわれ、60歳を超え京都へ戻ってからも数多くの書物をのこされています。

代表的な書物である『教行信証(きょうぎょうしんしょう)』や、親鸞聖人の言葉と伝わる『歎異抄(たんにしょう)』などが有名です。

晩年、84歳の時に、信頼していた息子善鸞上人が誤ったお念仏の教えを広めたということで、義絶なさいます。

その苦悩、葛藤もあり、最晩年の著書からは、とても深い境地からこぼれでる言葉が綴られています。


親鸞聖人といえば、浄土真宗の宗祖(しゅうそ)ですが、生涯法然聖人の弟子という立場をとり、ご自身で宗派をたててはおられません。

浄土真宗の礎は、ひ孫の覚如上人(かくにょしょうにん)が、親鸞聖人の廟堂を中心に本願寺を立てることを起源としています。親鸞聖人から時代を経て、浄土真宗という宗派ができあがっていきます。


◆補足

親鸞聖人は、多くの著書や手紙を残しておられますが、ご自身のことはほとんど書かれていません。そのため、親鸞聖人の生涯は、当時の方や後世の方が書かれた書物を手掛かりにして解釈されています。

今後、新たな文献が発見され、研究が進むと解釈が変わってくる可能性もありますので、その点はご了承ください。現在まで伝わっていることを、できるだけ分かりやすく解説させていただきたいと思います。

次回以降、親鸞聖人のお生まれからもう少し詳しく見ていきます。ご関心がある方は、また是非ご覧ください。

ちなみに、お届けする親鸞聖人の生涯の内容は、岡村喜史(おかむらよしじ)先生よりご教示いただいた内容を底本に、様々な先生から教えていただいたものを加えてお話させていただこうと考えています。

真宗史の第一人者であられる岡村喜史先生には、私は中央仏教学院にてご教示をいただきました。丁寧でとても興味深い講義を拝聴させていただき、その時のノートが宝物になっています。

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最後までご覧いただきありがとうございます。

合掌
福岡県糟屋郡宇美町 信行寺(浄土真宗本願寺派)
神崎修生
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