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おすすめのクジラの本【海獣学者、クジラを解剖する&晴天の迷いクジラ】

まなさす

淀ちゃんがまだ元気だったころ、このツイートを見かけた。

なんとなく気になってKindleで購入。そのまま夜通し、後半ずっと泣きながら読んで、いい本だった…と思った後に、『あのツイートは作者さんご本人だった』と気づいた。

『晴天の迷いクジラ』では作者さんのツイート通り、なんでクジラが迷うのか、クジラを見守る地域の人はどんな悩みを抱えるのかを描いている。
でもこのちょっと前に、『海獣学者、クジラを解剖する』という亡くなってしまったクジラのその後が描かれた本も読んでいるので、2つあわせてご紹介しようと思う。

晴天の迷いクジラ | 窪美澄

作者さんの紹介の通り、死にたくなっちゃった三人が迷いクジラを見に行く話。死ぬ前に、迷いクジラを見に行こう。そんな話である。
それぞれの死にたくなるまでの過程もしっかり描かれていて、個人的には野乃花の話がしぬほど重くて、とても好きで、かなしかった。人を好きになって、好きになれなくなって、逃げだして、逃げ出した先でがむしゃらにもがいたのに、ダメになってしまった。あまりに重すぎて切ない話だった。そこに正子の話と、クジラの迷い込んだ地域のおばあちゃんの話が重なって、なんかもうおばあちゃんの昔話からずっとボロボロ泣いてた。

この本の最後に参考文献や内容について助言くださった方の名前など書いてるので、このクジラの話は基本的にリアルに忠実といっていいのだと思う。水産庁のマニュアルも参考文献に書いてある。
クジラを見守るのか、安楽死させるのか、それとも外に帰すのか。いろんな選択肢があり、クジラを見守るのも楽じゃない。淀ちゃんは残念ながら亡くなってしまって、海の底へ戻すことになったが、このお話のクジラはまた違う結末なので、ぜひ。

海獣学者、クジラを解剖する | 田島木綿子

うってかわって、こちらはエッセイ。安心と信頼のヤマケイ文庫。ヤマケイ文庫の本はテーマのセレクトからして興味深い本が多くて良い。

この本はタイトルの通り、海獣(海の哺乳類)の学者である作者さんが、クジラの解剖や、標本づくりについて語る話。解剖といえばカエルをイメージする人も多いと思うが、クジラは想像する通り巨大なのでカエルみたいにメスで解剖するわけにも、全身そのままどこかにラボに運ぶわけにもいかない。
骨格標本を作るのにも一苦労。あんな大量の肉をそぎ落とすわけにもいかないので、砂浜に埋めて、一定期間後に掘り出すという自然の力を借りたり…借りるんだけど、砂浜なので、地形が変わりやすく、見失ってしまったり…クジラが死んだ後の話だが、死んだ後も、クジラは大事にされて、そして、国立科学博物館のクジラの骨格標本になる。

正直この本を読むまでは、国立科学博物館のクジラの骨格標本を気にしたことがなかった。レストランから見えた記憶がぼんやりあるが、あれがホンモノの骨だとは特段思ってなかった。いつもの道の郵便ポストくらいに無関心だった。でも、こうやって作り方を知ると不思議なもので、すごく貴重で大事なものに思える。
国立科学博物館にいつか行きたい人、国立科学博物館に行ったことあるけどクジラの骨格標本についての記憶がぼんやりしてる人、再度行く前にぜひ読んでみてほしい。


そういえば東京湾にもクジラとトドが来ている。
東京湾にクジラが来るのはたまにあるらしいが、結構な船の過密地帯だと聞いたことがあるので、クジラが船にぶつかることなく、無事に東京湾から出れますように。


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