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男子、一年会わざれば 〜ザスパクサツ群馬VSブラウブリッツ秋田〜

猛

あけましておめでとうございます。どうも、猛獣です。コロナの脅威がいまだ残るこの2021年でJ1、J2の開幕戦全てが無事に執り行われた事を心の底から嬉しく思います。これからも頑張っていきましょう。

さて、今回のnoteでは2月28日に行われたJ2第1節、ザスパクサツ群馬VSブラウブリッツ秋田の試合を振り返っていきます。それではやっていきましょう。マッチレビュー!!!

試合の様相

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スタメンはこちら。群馬は新加入選手がスタメンに4人。ただ、大前や岩上、加藤など昨季チームの背骨となった選手はそのままで、チームとしてのスタイルも変わらなかった。ボールを持つ事を重視しながら前進を試み、相手ゴール前では距離を縮めて少ないタッチでの打開を目指す。見せる形も大きく変わらず、岩上がDFラインの間に落ちてビルドアップに参加するのも同じ。チームとしてのテーマである「継続」を意識していることは試合の中からも感じられた。一方で秋田も昨季J3で猛威を振るった縦に速いスタイルを継続。縦に速いスタイルはデータにも如実に表れており、DAZNで表示されるJSTATsによるとパス成功数は202本で成功率も45%と、どちらも小さい数字であった(群馬は422本、72%)。これは技術的な問題ではなく、ボールを落ち着いて持つ事よりも前進を優先するチームスタイルによるものが大きい。ボールを持って前進を試みる群馬と前線からのプレッシングとロングボールでそれを封じ込めようとする秋田という様相で試合は進んでいく。

0〜10分

この試合は秋田のイージーなミスから得たコーナーキックを渡辺が頭で押し込み、幸先よく群馬が先制することから始まる。流石大前といった精度のキックで、これは今年1年通してチームの武器になることを予感させるものだった。秋田にとっては昇格の勢いそのままに試合に入りたかったと考えられるが、勢いを削がれる形になり、最初の10分を群馬が掌握する事に成功。秋田の蹴るロングボールに対してもよく跳ね返し、マイボールの時間を長くすることが出来た。左サイドでは加藤と平尾の連携から打開し、フリーでクロスを上げることに成功するなど、群馬にとってはやりたいことを十分に出来た時間であった。

10〜25分

その握っていた流れを手放すのもまたイージーなミスから。10分の加藤が内田へのパスをずらしてしまったシーンと、12分の内田の岩上へのパスがカットされた2つのシーンをきっかけに秋田は息を吹き返す。プレッシングがあったとはいえ、そこまで窒息させられていた訳ではなく、ボール保持を重視するチームを目指すのであれば当たり前に成功してほしい2つのプレーであった。秋田はそれ以降、前線からのプレッシングとロングスローなどのセットプレーで流れをぶつ切りにしながら秋田の時間を作っていった。

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秋田のプレッシングは2トップが縦関係になりながら行われる。まず斎藤が片方のサイドに制限をかけながらボールホルダーに接近。この時もう1人のCFの中村は内田をマンマーク気味に消す。制限をかけたサイドは捨てながら、ボールサイドの秋田SBは高い位置を取る群馬SBに簡単に前を向かせないよう距離を縮める。両SHは前に向かう意識がかなり強く、岩上からサイドへの横パスに対しても果敢にインターセプトを狙っていた。逆サイドを捨てることで後方での数的優位とサイドの圧縮の両立を実現。このプレッシングにハメられた結果、完全に流れと主導権を手放し、失点を喫したのがこの時間帯であった。群馬としては大前の落ちる動きでビルドアップにかかわる人数を増やす事でプレッシングから抜け出そうとしたものの、大前が前を向ける、あるいはサイドに展開できるようなパスを後ろから供給する事が出来ず、解決には繋がらなかった。また、起用されたCFが高木だったため、裏をとる動きで相手の最終ラインを下げることはあったものの、高さやポストプレーが得意な選手ではないが故に、ロングボールを蹴っても相手ボールになるばかりだった。これもこの難しい時間を招いた理由の1つだった。

25〜45分

試合は秋田のゴール直後に給水タイムに入る。この給水タイムは結果的に群馬に利する時間になった。秋田は得点直後の勢いを削がれた上に、体力の消耗を考えてか、監督からペースを落とすような指示が出たようで、前線からのプレッシングはトーンダウン。撤退してからのカウンターを狙うようになる。対して群馬としては前進しやすくなる状況は願ったり叶ったり。ストレス無く前進し、ゴール前で攻撃を仕掛けられるようになった。左サイドは加藤と平尾の連携から平尾が1体1を仕掛ける良いシーンが見られた一方で、右サイドは久保田と吉永の連携がまだ今一つであるのが見受けられた。お互いの欲しい距離感がまだ把握出来ておらず、時として近すぎ、時として遠すぎた。どちらも新加入選手で、まだ一緒に練習するようになって2ヶ月。これから時間が経つにつれて連携面が向上していくことを期待したい。秋田はこの時間に何度かカウンターを繰り出すものの、結局ロングスローからの攻撃に終始。渡辺も藤井もボランチ2人もよく跳ね返し、決定的なシーンは作らせなかった。もっとも決定的なシーンが無かったのは群馬も同じで、左サイドを攻略し、クロスを上げるシーンはあったものの、クリアされるか流れるシーンがほとんどで、大きなチャンスは無かった。

45〜65分

後半が始まるタイミングでの選手交代は両チームとも無く、前半の終盤と同じように試合は進んでいく。その中で目立ったのは群馬のイージーなミスと秋田のファール。前半に秋田に流れを渡してしまったプレーど同様に、強いプレスによってミスをさせられたというよりも、どうという事も無いボールを浮かしてしまったり、ズラしてしまうタイプのミスが多かった。試合前ウォーミングアップを見るに、練習も相当基礎的なものに多くの時間を割いているだろうし、今後はそういった当たり前の質を高めていって欲しい。一方で、秋田はこの時間帯でも前半の圧力を高めていた時間帯と比べると、そこまで高い圧力でプレッシングを行うことはなかった。それは後半始まってすぐに中村がイエローカードを頂戴したこともその理由かもしれないが、初めてのJ2で、まだJ2のスピード感に慣れておらず、体力の消耗が激しかった事が理由となっていたように思う。秋田のファールについては後述する。

65〜90分

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65分に行われた青木と田中の投入によって、群馬が試合の流れを掴む事に成功する。その高さとポストプレーで多少アバウトなボールでもマイボールに出来る青木の投入の影響は一際大きく、DFラインはプレッシングを受けてもロングボールに逃げるという選択肢を持つことが出来るようになった。また、田中、大前、加藤、青木というのは昨季終盤の好調を支えた黄金のカルテットであり、狭いスペースからの打開を目指すチームのやり方では連携は重要な要素であり、その面でベストなメンバーが完成したといえる。また、ボランチが内田から久保田に代わったため、ボールを蹴る技術に優れた岩上と久保田のボランチコンビになり、安定してボールを持てるようになったことも良い時間帯を作った理由であった。城和のスローインから心臓が止まるようなボールロストを起点としたピンチの直後、ゴールシーンが訪れる。バイタルエリアで密集して1〜2タッチの少ないタッチでパスを回すのは昨季から取り組んでいる事だが、それが結実した。5メートルくらいの距離で4人が密集するのはなかなか無い光景だが、これが群馬のやり方。このシーンでは両サイドに吉永と平尾が上がってきており、そこに届けるのがいつもの形だが、この得点はまた違うアレンジ。素晴らしいゴールだった。この得点以降は青木がサイドで体をぶつけて時間を作るなどして試合を上手く終わらせることに成功。群馬がホーム開幕戦を2-1の勝利で飾った。

秋田のファールについて

厳しく守備に取り組めばファールは自然と起こってしまうものであり、ある程度仕方がない部分があるのがサッカーというスポーツである。秋田は非常に高いテンションで試合に臨む極めてフィジカル的に優れたチームであり、接触にも積極的であった。接触が多ければそれだけファールが増えるのは自然である。個人的な考えを書くと、秋田はラフプレーをしていたと思う。もっと具体的に書けば、かなり大雑把なプレーだったように思う。「rough」と一言に言っても様々な意味があるが、乱暴というよりは、大雑把というのが正しい表現のように見えた。今足を出すべきか否かというプレー判断が続くのがサッカーだが、その問いをショートカットして、全部大雑把に「行く!」と決め打ってるような判断が多かった。ただ、それは紙一重で素晴らしいプレーに繋がる訳で、それがことごとくファールに繋がっていたのはその紙一重を上回ってくるJ2のスピード感にまだ慣れていなかったからだと考えている。「怪我させてやるぜ!」というテンションでは無かったように見えたため、乱暴だとは思わない。これから1年を通してJ2を戦えば慣れて、適応していくだろう。お互い頑張ろうな。

雑感

「男子、三日会わざれば刮目(かつもく)して見よ」というのは三国志で出てくる言葉で、3日もあれば人は変わるという意味のものですが、それは現代でも同様の事が言えます。そして、その期間が1年ならびっくりする程の差になるでしょう。1年、いや前回対戦はもう2年前ですか。その時はこんなにザスパはボールを持つチームでは無かったし、秋田もこんなに縦に速いチームではありませんでした。お互い姿を大きく変えました。ザスパについて言えば、苦しくとも、難しくても、それを乗り越えようと頑張った1年をその間に過ごしています。その1年がどれだけ大きなものだったのかを、昨季J3を圧倒的な力で制した秋田を相手に証明出来た事は非常に嬉しく、そして大きな出来事だったように思えます。努力の評価は今後の努力を後押ししてくれる事でしょう。これからもチーム、クラブとしてのより一層の努力を期待したいと思います。強い気持ちで。

猛獣

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