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超ローカルな音楽番組のはずが…

皆さんは「The Shadow's TV」(以下、カゲテレ)という音楽番組をご存じでしょうか?

「The Shadow's TV(カゲテレ)」とは?

すでにこのnoteでもいくつかコンテンツを紹介させてもらっていますが、このカゲテレ」は、2003年10月から2014年3月までの約11年間、ケーブルテレビ8局10チャンネルとインターネット動画サイト5サイトで放送をしていた音楽番組です。内容としては、地元のインディーズミュージシャンを毎月紹介してゆくもの。

「カゲテレ」を立ち上げるにあたり

制作スタッフは私一人。企画を立ち上げ、放送してくださるテレビ局を頭を下げてまわり、収録イベントをするための会場を押さえ、参加してくださるミュージシャンの方々に声をかけてまわったり、お客さんが来てくださるように名古屋市内のライブハウスや音楽練習室、スタジオにフライヤーを置かせてもらったりしました。

ありきたりな音楽番組にしないためには

ライブ当日は収録もしなくてはならないので、舞台全体と会場全体を撮影する無人のカメラ1台と、舞台前で動き回るハンディカメラ1台をセッティング。このハンディカメラは私が担当します。同業者からは、会場一番後ろに三脚2本立てて、ヒキ(全体が写っている)のカメラとヨリ(アップ)のカメラの2台を後でスイッチング編集すれば楽なのにとさんざん言われましたが、私としてはスイッチングしただけの迫力のない発表会の記録ビデオにはしたくなかったんですね。演奏シーンをッカッコよく撮影する事で、ただ複数台のカメラで撮影したありきたりな発表会の記録ビデオみたいな番組ではなく、超ローカルであってもその枠を飛び越えた、しっかりとした音楽番組として成立させたかったんです。

打ち上げの重要性

ライブの収録を終えたらみんなを引き連れて打ち上げです。最近はライブの後の打ち上げ自体も減ってきているようですが、私は打ち上げというこの時間は彼ら彼女らが活動をしていく上で、ものすごく大事な時間だと思っているんです。
 もちろん強制ではないので、参加したくなければしなくても良いのですが、本番前などの時間はセッティングやらなんやらで神経もたかぶっているでしょうし、本番が終わってすぐは物販でのお客さまへの対応やかたずけで忙しい。となると、一緒に共演した仲間たちと交流、情報交換をしようと思ったら、打ち上げの場しかなくなってしまうわけですね。なので強制ではないにしろ、極力参加するようにと促していました。

孤独な編集作業

打ち上げも終わり帰宅すると待っているのが編集作業。もちろんその日にやらなければいけないものではないので、空いた日にやるのですが、カゲテレが始まった当初は28分ヴァージョンと58分ヴァージョンの2種類を作っていたんですね。これがなかなかたいへんで。インターネット放送ではなく公共放送なので、尺ぴったりに作らなくてはいけません。1フレーム(1/30秒)のズレもアウトです。音楽ものなのでそんなに都合よく尺どおりにカットできるわけもありませんから、これはかなり苦労しました。
 このカゲテレの撮影と編集でこだわったのは、民放の音楽番組のようにただカットを多くして無難でタイトな構図の羅列は避けたいなと。ちゃんとその楽曲の見せ場、それぞれの楽器の見せ場をしっかりカッコよく魅せてやりたいと。ヒキの無難な構図で尺をかせぐのではなく、ヨリのかっこいい映像で構成してこそ、音楽番組として成立するのではないかと思ったんです。

なぜ「カゲテレ」をやるのか?

そもそも私が何故この音楽番組「カゲテレ」をやろうと思ったかというと、私は東京で数年間仕事をしてきた中で、数多くの芸能人やミュージシャンの方々とご一緒させていただいて、それがすごく当たり前な事で日常だったわけですが、名古屋に戻ってきてからは局の仕事をしていても、そういう方々とご一緒する事がはほとんどなく、まして素人の方々が、芸能人やプロのミュージシャンと同じ現場で何かをするなんて事は、皆無に等しい現実を知ったんです。

どのジャンルの仕事にも言える事なのですが、私はプロを目指すならそのジャンルのプロフェッショナルな技術や才能に実際に触れなければ伸びないと思っているんです。自分の現在地を知り、目標を知り、希望を持つ事が、夢を実現させる事につながると思っているので、それをこの「カゲテレ」でやりたかったんです。
 インディーズで活動をしている皆さんが、プロのミュージシャン達の実際のプレイを目の当たりにし、一流のレコード会社の新人発掘部門の方にご意見をいただき、そして映像でもプロのカメラワークや編集技術を体験してほしかったんです。そしてさらには、本人たちがどう頑張ってもできない規模のメディアを使ったアピールに挑戦してほしいなと。

大御所たちの応援!

プロの第一線の方々に協力を募ってみると、かなりのベテラン勢が協力をしてくださいました。レコード会社からは当時EMI MUSIC JAPANの新人発掘育成部門「Great Hunting」の長、加茂啓太郎氏。ご存じない方もいらっしゃるかもしれませんが、加茂啓太郎氏はウルフルズ氣志團を発掘された超一流の方!カリスマともいわれた方です。現在はソニー・ミュージックエンタテインメントでご活躍中のはず。そんな超大御所が毎月オンエアされた映像をチェックしてくださって、優秀なアーティストにコメントをくださる事に決定!
 私がここでやりたかったのは、インディーズミュージシャンが作ったデモ音源を、レコード会社などに送られてくる何万通というオーディション用のはがき1枚になるのではなく、それらを飛び越えて、直接担当者に音が届くシステムの構築だったんです。夢のような展開となりました。

メジャーアーティストの方々もたくさん協力してくださいました。avexからは「ジレンマ」や「タナトス」「月に鳴く」でも知られたspeenaROCKAMENCOビクターからは倉橋ヨエコ、「遊戯王5D's」のOPソングでも知られたLa-vie.ARBのドラマーKEITHさんがドラムを務めるLow Down、
 そのほかにもspeenaのギタリストゴンガーシホさんのコーナーでは、ジャパメタのカリスマ44MAGNUMの梅原“PAUL”達也さんや吉川晃司、及川光博、山下久美子、Kinki Kids、大黒摩季など、さまざまなアーティストのライブに参加をされているスーパーギタリスト原田喧太さん、「カルメンマキ&OZ」や「タイフーン・ナタリ」「千年コメッツ」で活躍されていた伝説のリズム隊川上シゲさん、武田"chappy"治さん。八神純子、清春、柴咲コウ、堂本剛等のライブやアルバムに参加する一流の女性ドラマーひぐちしょうこさん、さらには二輪界の王者Valentino Rossi(バレンティーノロッシ)までもが登場!

もうね、超ローカルな規模ではないですよ。

ウチの局で放送しない?

実は名古屋の民放2局からもウチで放送しないか?との依頼はあったんです。ただ条件があまりよろしくなくて丁重にお断りしたのですが、その条件というのが、カゲテレの番組ナビゲーターは、プロのタレントではなく、インディーズミュージシャンの方々にお願いしていたんですね。魅せ方の勉強にもなるし、知名度アップにも繋がると思ったので。そのナビゲーターをプロの有名どころでやってほしいと。さらには出演者を事務所所属のミュージシャンにして、視聴率を狙いたいと。まあ、民放なら当然そうなるんですが、これではもはや「カゲテレ」ではないなと。たしかに私の知名度も向上するし、懐も温かくなるけど、そんな事のためにやっているんじゃないしなーって。

いつかまた

2014年に私が腰を悪くして半年間の療養生活に入ったため、番組も打ち切りになってしまいましたが、現在でも復活してほしいという声をいただきます。いつか何かの形で復活祭みたいものをやりたいなぁとは思ってはいるんですが、いつになるやら…

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売っているのはアイデア。技術はそれを表現する術に過ぎず◇映像作家◇自社番組「カゲテレ」はケーブルテレビ8局&動画サイト5サイトで10年以上放送◇まちおこしまちづくりPR動画サイト「みんなの教科書」運営◇1年間で1000作のアート作品発表◇twitter社公認アカウント◇名古屋在住

コメント9件

カゲテレでV系やっていたのは15年くらい前ですね。女の子たちのヘドバンに紛れながら撮影してましたww
あー15年前ということは。
2000年代のヴィジュアル系バンドですね。

XJAPANを初めとする90年代のバンドから移り変わる時代。
当時は、ヴィジュアル系バンド結成ブームだったときいております。

ヘドバンで髪が舞う熱気?圧力半端ないほど浴びてさつえいしてたんですねw
さらにその前には、私がインディーズのミュージックビデオを発売した時に「お宝投稿バンドコレクション」というV系雑誌に記事を掲載いただいた事があります。その時に表紙を飾っていたのはL'Arc-en-Ciel、GLAY、MALICE MIZER、Pierrot、CASCADE、Dir en grey、Silver、crimson charなどでした。平成11年(1999年)の雑誌ですね。華やかですよ~ww
なるほど。

いやあ。その面々みるだけでいい意味でやばいwとおもってしまいます。華やか同意です←
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