見出し画像

(自分的に)大番狂わせだった8月のアルバム・リリース

どうも。

以前から僕のブログを読んでいらっしゃる方には、僕が3ヶ月おきにアルバムのベストを発表していることはご存知のことかと思います。今回もやりますよ。10月の頭には「7〜9月リリース」のものについて発表すると思います。

この8月はなかなかに豊作でしてですね、

今のところ、この8月だけで7枚選ぶことになると思います!

まだ、わからないですけどね。9月に名作が連発されれば減りますが、でも、年間50には7枚ともいくと思います。

ただ、その7枚のうちですね

月の頭に僕が入ることを予想していたアルバムはわずか2枚しかない!

もう、本当にそれくらいの大番狂わせでした。こんな、事前の希望的予測が的中しなかった月、少なくとも僕がサブスクで新作毎週チェックし始めてからは初めてのことです。

あっ、でも、誤解のないように言っておきますと、あくまでも個人の嗜好のレベルにおいての問題なので、それを一般的な次元で考えて欲しくはありません。

ただ、先に言った「7枚トップ10に入ることになろうである作品」に、以下のものは含まれておりません。

本当に、自分でも本当に意外な結果なんですけどね。この中で、1枚除いて本当に期待してたアルバムばかりだったんで!

特に女子のリリースものかなあ。クライロ、ジェイ・ソム、マリカ・ハックマン、シュラ。一般評価はそんなに悪いどころか、高いものも混じってるんですけどね。聞き直して評価が変わる可能性があるものもある(ジェイ・ソムとマリカかな、その場合)んですけど、どれも「そこまでいいかなあ、今回」って感じだったんですよねえ。

この系って、去年が大豊作だったので今年も引き続いて期待値の高いとこなんですけど、今年に入ってもいいものもあるし、年間ベストの上位にも女性アーティストはかなり入ることにはなると思うんですけど、例えば去年のミツキ、ケイシー、ジャネール、クリスティーン、Robyn、スネイル・メイル、サッカーマミーに匹敵するようなものって、そこまでないような気がどうしてもしてしまうんですね。なので、とりわけニューカマーとか2、3枚目の人とか、そういうタイプの人に今年は結構僕が厳しいのかもしれません。

あと、ブロックハンプトンはキャラとイメージは好感持てて好きではあるんですけど、「作品」として記憶に残るような感じじゃないところが気になりましたね。スリーター・キニーは作品としてはいいんですけど、確固としたサウンドがすでに確立されているのにガラッとサウンドを変えすぎです。ブロックハンプトンとは逆で、作品にインパクトはあるんですけど、これまでのアーティスト・イメージ、変えすぎですね。それで20数年連れ添ったメンバーが抜けてるところも「なんで、そこまでして」と思いますからね。

で、期待してなかったのはテイテイだったんですけど(笑)、彼女、今回、悪くないんですよ。でも、僕の場合、前作、前々作が全く受け付けなかったタイプで、1〜4枚目の支持者なので、「少なくともラップやめてよかったけど、まだ戻りきってないなあ」という印象は拭えないですね。

そしてですね、迷いどころは

Bon Iverのこのアルバムですけどね。これはですね、テクノロジカルにやってることのレベルの高さは凄いんですよ。技術的、かつ、楽曲構造の細密画のような入り込み具合からしたらこれ、その点でケチのつけられる作品ではありません。その意味ではレディオヘッド的な領域に入ったと言えるかもしれません。

ただ、前作のときも思ったんですけど、この人の場合、そうなればなるほど、肝心な曲そのものが、初期ほどスーッと染み入らなくなっているような気がどうしてもしてしまうんですよね。これがなぜそのように感じてしまうのか。もう1回、この人の作品を通して聞いてみる必要があるなと思っているところです。どうやら、その印象を持っているのが世界の批評家のレヴュー見ても起こっていることなので。

これ、なんか「選外」にするのも忍びない感じがするので、3ヶ月のトップ10とか、年間ベストにはなんだかんだでギリギリのところで入れるかもしれませんが、「理屈ではわかってはいても、気持ちが今ひとつついていかない」タイプの物に今のところなっています。

あと、7月は毎年リリースの谷間なので選ぶの少ないんですが、

前にチャンス・ザ・ラッパーのこのアルバムのレヴューをした時に、「8月、9月によほどいいアルバムが出ない限り3ヶ月のトップ10には入る」と書きましたが、その「よほどいいアルバム」は割と出てですね(苦笑)、現状でいうと、やや苦しい感じになっています。さっき言った「もうすでにトップ10に入れたい」と思っている7枚のアルバムのうち、3枚がヒップホップなのも、このアルバムにはちょっと不利です。

そのうちの7枚のアルバムというのは、もう、日頃、このブログをお読みの方にはすでにバラしているのが大半なので、10月までの楽しみとしてあえて言わないでおこうかと思いますが、その中の1枚だけ

ヒップホップだと、文句なしにこれ、素晴らしかったですね。ラプソディの「Eve」。これは、全曲が黒人女性の間で高いリスペクトを集め続けているレジェンダリーな女性たちの名前をタイトルにつけ、その人から受ける印象を彼女なりに翻訳して、女性のパワーへの誇りを高らかに歌い上げた「エンパワメントの極致」みたいな作品で、ブラック・カルチャーについても学べると同時に、リリック読んでいて、それが他人種であっても、男であっても胸にグッとくる作品です。同時にこの人、ラッパーのスキルとしても非常に高く、ワードプレイ、とりわけイン踏みの技術に非常に長けてますね。

あと、女性にこだわったアルバムでありながら、「トゥパックのお母さん」をタイトルにした曲があって、間接的に「フェミニストとしてのトゥパック」を讃えたアルバムでもあるんですけど、改めて彼のヒップホップ界における影響力の広さも感じさせてそこも興味深いですよ。

そんな混乱の8月のリリースでしたけど、最後はうまく収まったと思います。僕が改めて言うことではないかもしれませんが、一番気に入ってるのは、やはりコレです!

ええ(笑)。もちろんラナ様なんですけど、でもね、これ、僕の贔屓目じゃなくても、本当に素晴らしいんですって、今回!今週のどこかで、これ、レヴューしますので、お楽しみに。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?